狭心症
狭心症の治療
●2種類の狭心症
「安定狭心症」と「不安定狭心症」で
治療が異なる

ひと口に「
狭心症」といっても、症状から見ると
安定狭心症」と「不安定狭心症」の2種類に分けられます。
それぞれ病態が異なるため、治療も分けて考える必要があります。

また、狭心症には、
動脈硬化が原因の場合と、血管れん縮が原因の
場合があります。
血管のれん縮がなぜ起こるのか、まだはっきりとはわかっていません
が、動脈硬化については、そのメカニズムが解明されつつあります。

次に、安定狭心症と不安定狭心症では、どのように動脈硬化の状態
が異なるかを説明します。
●安定狭心症
発作の起こる時刻や状況、発作の強さなどが一定しているタイプです。
多くは冠動脈に動脈硬化を起こしている患者さんで、
心臓に一定の負担がかかって脈が速くなったときに発作が起こります。

この場合の冠動脈は、
アテローム(コレステロールなどが血管に沈着
して盛り上がったもの。粥腫(じゅくしゅ)」ともいう)によって、血管の
内腔が正常時よりも75〜90%程度狭くなっています。
ただ、このアテロームは線維化しているため、崩れにくく、いきなり血管
が詰まるということは多くありません。

そのため安定狭心症では、現在の状態を維持し、悪化させないことを
目的として、通院で治療が行われます。
●不安定狭心症
発作のきっかけとなる動作や時刻が不定で、ちょっとした動作を
したり、安静にしているときにも発作が起き、発作を重ねるたびに
症状が強くなるタイプです。

この場合には、冠動脈は90〜99%も狭くなり、血管がほぼ詰まり
かけた状態になっています。
しかもアテロームは、脂質を多く含んでおり、崩れやすい状態に
なっています。

アテロームが少しでも崩れると、そこに血小板などが付着して

血栓
(血液の塊)ができ、すぐに血管が完全に詰まります。
また、このようなときは、飲酒や疲労の蓄積などをきっかけにして、
さらに「
動脈のけいれん」も起きやすく、そのけいれんによって、
狭い動脈が完全に詰まってしまうこともあります。

不安定狭心症は、心筋梗塞を起こしやすい、たいへん危険な
状態といえます。
そのため、患者さんには原則的に入院してもらい、血管が詰まら
ないよう積極的な治療を進めます。
狭心症の治療法には、大きく分けて3種類あります。

生活習慣病の改善や服薬などで危険因子を取り除く
内科的治療」、
狭くなった血管を、器具を使って物理的に広げる
浸襲(しんしゅう)的治療」、
手術によって正常な血管を移植する「
外科的治療」です。

安定狭心症も不安定狭心症も、まずは内科的治療を行い、
病状に応じてそのほかの治療を行います。