Suzuki One Make Race


6月10日筑波サーキットにおいて、グランナショナルツクバスピードカップが 行われた。その一つにS.M.A(スズキモータースポーツアソシエーション) 主催のスズキワンメイクレースシリーズが開催され、ギャラリーを大いに沸かせ た。スズキワンメイクレースシリーズは3つのカテゴリーからなり、公道走行 可能なKeiSportR、KeiSportのエンジン、トランスミッションを搭載した フォーミュラー、フォーミュラーKeiSport、世界最速バイク、GSX1300R(スズ キ隼)のエンジン、トランスミッションを搭載したフォーミュラー、フォー ミュラースズキ隼の3車両で別々に行われる。

スペックを少し紹介しよう。まず、KeiSportRは市販のKeiSportにロールケージ、 牽引フック、4点式シートベルトを標準装備したもので、オプションとして、 4輪車高調整式サスペンション、フルバケットシートなどが付けられる。 フォーミュラーKeiSportはエンジン自体はKeiSportと同じものの、車重410kg サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンなど、まさに形はフォーミュラー カーそのもの。フォーミュラースズキ隼はF1も採用しているサスペンション の形式、インボードタイプダブルウィッシュボーンサスペンション、エンジンは 1300ccで9800rpmの回転数で129kwを絞り出す、超高回転 型のエンジン。11000回転までストレス無く回る。ミッションは シーケンシャルタイプの6MT。

予選


KeiSportCUPでは、終始安定した走りで、女性ドライバー佐藤久実選手が好タイム でポールポジションを獲得した。ハコのレースなので、扱いは難しくなく、 それぞれの選手が、安定した走りで、トラブルも無く予選を終了した。

フォーミュラーKeiSportCUPでは、福田川優選手がポールポジションを獲得した。 形はフォーミュラーでも、エンジンはスズキのK6Aターボなので、選手達は 操るのにそこまで苦労はしなかったと見える。

フォーミュラースズキ隼は予選から熱い走りが見られた。中にはクラッシュ するマシンもあり、かなりの混戦となった。その中でポールポジションを獲得 したのは、照屋孝明選手。なお、クラッシュしたマシンは、パドックの方で アライメントを測定していた。(下の写真)


決勝


KeiSportCUPの決勝はタイムの良い順番でグリッドに並び、スタートした。ポール ポジションからスタートした佐藤久実選手は、安定した走りで、次々と周回数 をこなし、ポールトゥウィンで見事に優勝した。マシンは赤のKeiSportR。
ベストラップは1分20秒887 アベレージスピードは90.029km/h
フォーミュラーKeiSportCUPの決勝では福田川優選手がポールトゥウィンで終了 したが、3位をめぐって激しいバトルが展開されていた。中にはコースアウト をしてしまった選手もいて、白熱するレースだった。
ベストラップは1分07秒008 アベレージスピードは108.42km/h
フォーミュラースズキ隼も同様に照屋孝明選手がポールトゥウィンを果たした。 フォーミュラーKeiSportCUPで優勝した福田川選手は予選で反則をしてしまい、 最後尾のスタートになったが、数ラップで3位に踊り出たが、惜しくもリタイヤ してしまい。2クラス優勝は果たせなかった。
ベストラップは0分59秒008 アベレージスピードは122.73km/h

ちょっと一休み。ドライバーズサルーンでClub Keiの皆さんと休んで 居た時、マシンのサスペンション形式やら、メーター類などの写真、株式会社 スズキスポーツ社長兼S.M.A代表、”モンスター”こと田嶋伸博さんとの 写真も取れた。クイーンズタウンゴールドラッシュでは残念な結果に終わって しまったが、今度のパイクスピークヒルクライムで是非粟津原選手と1−2 フィニッシュを成し遂げて欲しいところ。

考察
どのレースを見てもやはり、マシンのセッティングがあまり煮詰まっていない 感じがした。マシンのポテンシャルを見てももうちょっと早いタイムが出るの では?と感じたところがある。特にフォーミュラー隼。これだけのタイムが 出るのにマシンがあまり安定していないように感じられた。その原因はウィン グ類などの空力にあると思う。その理由は、もともと隼はジムカーナで活躍 するマシンで、速度の低いジムカーナでは、ダウンフォースを必要としない から、ウィングが極端に水平に近い状態となっていること。ダウンフォース の無いマシンは高速で曲がるときに安定しなくなる。サーキットなどは公道 と比べ、スピードが出るので、しっかりしたマシンの安定性が速く走る鍵と なる。KeiSportRはタイヤがネックとなる。165/60−15のタイヤでは やはり、コーナーリング中にタイヤのよれが発生してしまい、サスペンション とのバランスがあまり良くないと思う。実際にレース後のタイヤを見ると外 側だけ偏磨耗してしまっている。ただし、硬いサスペンションなので、あまり ハイグリップなタイヤを履かせると倒れてしまう危険性がある。その辺のバラ ンスを考えたタイヤが欲しいところだ。

次は8月にシリーズ第2戦があり、そちらも期待したい。今年には間に合わな いかもしれないが、マシンの熟成にはそれ以上に期待している。

5人でOFF会

上記のレースを観戦するためにClub Keiより5名の会員が筑波 サーキットに集まった。レースを観戦しながらマシンがどうだこうだ、 など、盛り上がっていた(?)。レースが終わった後には、皆で自分の 車の鑑賞会。そして記念撮影(?)。途中で1人が帰ってしまったが、 大いに楽しんだ。
皆さんお疲れ様でした。