試験と体罰

                                                                    

 日本語を教えていた台湾朋友の話:

 彼は「従小到大一直被打、被罵」、とくにかくずっと殴られて育ったそうだ。

 彼は台北市内の小学校に通学していた。試験に追われる毎日だった。試験の前に、先生が今回のテストの基準点を発表する。
例えば基準点が80点だとして、彼が60点しか取れない場合、棒で20回腕をたたかれる。または校庭でうさぎ跳びを20回するよう命じられる。
 クラス全体の成績が悪かったある日、先生は激怒して、授業が終わるまでの1時間、椅子を両手で頭上に持ち上げて授業を受けるよう
命じたそうだ。
 帰宅すると今度はお父さんにテストの成績が悪いと言って、両手がはれ上がるほどたたかれた。玄関に鍵をかけられ、家に入れてもらえ
なかったこともあったそう。

 彼の話は、台湾では決して特別な例ではない。他の友達からも似たような話を聞いた。両親が、先生に「どんなにたたいても良いから、
この子が勉強ができるようにしてください。」と頼んだ、と言う話も聞いた。

 彼らにとって小学校の教師は、試験と体罰を実施する存在だったようだ。親近感はなかったと言う。日本の小学校教師は、給食や
清掃の時間も児童と一緒に過ごすが、彼らは、給食を先生と一緒に食べた記憶が無いという。先生がいない教室は炸裂していたらしい。

 友人の話を聞いている限り、台湾は日本よりずっと試験の点数を重視していると感じる。ある日、別の台湾朋友(男女各1名)に、
「小学校時代、どんな子がモテた?」と聞いたら2人とも「成績の良い子!」と即答した。成績の良い子なら前途有望だかららしい。
私が「日本では、特に男子は、勉強よりもスポーツができるかっこいい男の子がもてるよ。」と言ったら驚いていた。
彼らはスポーツや芸術で進学したり就職するのは非常に難しい、だから、その方面に秀でていても特に尊重されないと話してくれた。

 スポーツ・芸術方面の才能が皆無な私は、台湾に行くとリラックスできる。このような点数至上主義、徹底した詰め込み式教育は
華人の伝統的な教育方法なのかしら、と勝手に思っていた。しかし、昨年知り合った上海の友人に中国の学校教育の様子を聞いたら、
「体罰なんてないよ。」とあっさり否定された。・・・ということは、ひょっとして台湾の教育方法は日本植民地時代の名残??気になる。

 台湾朋友と話していると、日本の教育は本当に、保護者が言うように勉強のさせすぎなのだろうか?と考えてしまう。

 取り留めのない文章になってしまった。続きはまた今度。



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