中国朋友と話していると、台湾=国民党ととらえていて、台湾人の蒋介石に対する複雑な思いを知らないな、と感じることがある。私と仲良くしてくれる人は日本に興味を持っている人で、幼い頃から祖父母より「日本時代の方がマシだった」と聞いている人が多いせいか、総じて蒋介石に批判的だ。逆に、中国の人と仲良くしようとする台湾人は、日本時代にひどい目に遭ったか、国民党政権になって恩恵を受けた人だろうから、中国朋友が私の友人たちの感情を理解できないのも無理はないかもしれない。
30代半ばの台湾朋友は、子どものころから優等生だった。小学生の時、蒋介石が逝去した。当時、彼女の担任はクラスの児童全員に「泣きなさい。泣かない者は愛国主義者ではない。」と強要した。また、1ヶ月間喪章を付けて登校するよう指示したという。所謂「良い子」だった彼女は「愛国主義者ではない」と烙印を押されるのを恐れ、一生懸命泣いたそうだ。
彼女は常に愛国主義者であろうと努力していた。でも、大学生になった時、愛すべき国(国土)と現実のずれをはっきりと認識し、彼女の苦しみが始まった。現在、彼女は「自分は台湾人であり、台湾を愛す」という結論に達している。
台湾では、学校で真面目に勉強すればするほど、自分が何人なのか分からなくなると言う、とても特殊な地域だ。別項で触れるが、学校教育(特に歴史・地理教育)が、彼女たちをアイデンティティー・クライシスに陥れる大きな原因となっている。学校で母語教育・郷土教育が展開されている今、愛国の精神や教科書と現実のずれを、教師たちがどのように子どもたちに教えているのか非常に興味がある。
・・・うーん、またまた中途半端な文章になってしまった。時間のあるときに書き直そう。
2001年1月