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ナトフェミン誕生物語

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ある出来事
 いちぜん会のオーナーは、1999年から低用量避妊薬(ピル)に関するWeb Pageを開設しています。ピルは女性の人生の質を高めてくれる薬だと考えており、その立場から情報提供しています。ピルには副作用もありますが、メリットに比べれば小さいものです。
 低用量ピルになって、副作用のリスクは大幅に低減されました。しかし、わずかな確率ながら重篤な副作用の危険も残っています。ピル服用者では、血栓症が1万人につき最大1.8人現れます(日本人では、もっと低い確率になると考えられています。実際、ピルを服用して血栓症になった方を知りませんでした)。
 ところが2000年春、視力の低下があるとの相談を受けました。その方はすぐに病院で診察を受け、検査も繰り返しました。血栓との関係はないだろうとの診断結果だったようですが、ピルの服用が関係していなかったかと今でも気になっています。
納豆への注目
 この一件は、私にとって衝撃的な事でした。低い確率ながら血栓症が起きる、そしてそれをどうすることもできない。いろんな方に相談しましたが、ほとんど起きないことで気にしなくて良いのではという事でした。しばらくたった2000年6月末、視力低下の一件についてお話ししていた眼科の先生から、論文のコピーが送られてきました。その論文は、西村慶子ほか「納豆食が奏効したと思われる切迫期網膜中心静脈閉塞症の1例」(眼科臨床医報88、1994)でした。実をいえば、私は健康食品の類をあまり信じていませんでした。しかし、この論文を読んでナットウキナーゼにがぜん注目するようになりました。
 私はナットウキナーゼについて書かれた論文を次から次に読んでいきました。そして、ピルユーザーだけでなく女性の健康な一生のために、納豆は有益な食品であると確信するようになりました。
納豆との格闘
 納豆は子どもの頃、食べさせられた記憶があります。でも、どうしても好きになれませんでした。というよりも、食べることができませんでした。以来、納豆を口にしたことも、手にしたこともなかったのです。「大人になった今なら、食べれるかもしれない。」意を決して納豆を買ってきました。おそるおそる匂いをかいでみました。匂いは思っていたほどではありません。「よし、これならいける。」ご飯にかけて食べてみることにしました。口に入れてみると、・・・。子どもの頃の記憶がよみがえりました。やはり、どうしても食べることができないのです。
 匂いを気にせずに納豆を食べる方法をあれこれと試してみました。加熱すると納豆の匂いは弱まりますが、ナットウキナーゼ活性は弱まります。そこで私が考えたのは、匂いのない「納豆ジュース」作りでした。そこそこのものはできましたが、長続きしません。
ナットウキナーゼ粉末
 納豆との格闘を見かねた家族が、ナットウキナーゼを含む健康食品を買ってきてくれました。これはほぼ苦にならずに飲むことができました。「これはいいものがある。」私はさっそく海外の友人にも送りました。ところが、海外の友人は匂いが気持ち悪いというのです。ほのかににおう程度ですが、納豆を全く知らない外国人には耐えられないもののようでした。
 純粋なナットウキナーゼを抽出すれば、匂いはなくなります。友人には「純粋なナットウキナーゼを送る」と返事しました。ところが、純粋なナットウキナーゼは市販されていませんでした。「どうしてなんだろう?」答えはすぐにわかりました。コストがかかりすぎるのです。
 ナットウキナーゼの粉末を低コストで作れないか?方々に打診してみても、需要がないのではなど取り合ってもらえません。でも、私の熱意に負けた?人たちで、やっと国際チームが作られました。
豚が嫌がる?
 プロジェクトはナットウ菌の研究から生産工程の研究まで、同時並行で進められました。実は納豆作りについては素人ばかりです。1年を目標に始めたプロジェクトでしたが、みんなが不眠不休で取り組んでくれたおかげで意外に早く良い結果が得られました。
 このプロジェクトで作られた納豆は、膨大な量に上ります。その納豆がどうなったかというと、実は豚君のお食事になりました。きっと、豚君も食べ飽きたのではないかと思います。
信念と興味
 豚君には迷惑をかけましたが、ナットウキナーゼを含む健康食品ができあがりました。2001年6月にナトフェミンとして発売されます。
 私は、もともとはピルユーザーが安心してピルを飲めるようにとの思いからナトフェミンを作ろうと思いました。ピルユーザーとくに日本のピルユーザーは、誇張された副作用情報によって必要以上の恐怖感を持っていることが少なくありません。デメリットがあるから避けるというのもひとつの考えです。私は、「デメリットがあるならそれを克服していけばよい」、と考えます。ピルユーザーにとって、飲み忘れも大敵です。ピルとナトフェミンの服用時間をずらせば、飲み忘れのチェックにも役立てることができます。
 私はピルユーザーのためのサプリを作りたいと考えていました。でも、それだけでは、ナトフェミンは誕生しなかったでしょう。納豆菌に興味を持つ人、エコノミー症候群に興味のある人、骨粗鬆症に興味のある人、治療薬の開発に興味のある人など、それぞれがそれぞれの関心でプロジェクトに参加しました。 ナットウキナーゼという酵素についての興味と関心が、このプロジェクトの推進力でした。
 ナットウキナーゼの抽出に成功して、プロジェクトは一段落しました。しかし、それは終わりではなく、新たな出発の始まりともいえます。
ビジネスとして
 ナトフェミンの開発に当たって、ビジネスとして成り立っていくものにすることを目標にしました。利益を目標にした方が、結果的に低価格を実現できると考えたからです。そこでナットウキナーゼの低コストでの量産を当面の目標にしました。日本のピルユーザーは高い費用負担を強いられています。納豆1食分の価格にできるだけ近づけないと受け入れられないと考えたからです。そして、どうにか目標としていたコストで製品化することができました。
 でも、ナトフェミンが売れるかどうかは、微妙です。ナトフェミンの成分は、納豆以上でも納豆以下でもないからです。納豆を食べれば、ナトフェミンの必要はありません。「納豆を食べられない日はナトフェミン」と思ってくれる方がいるかどうか?さて、どうでしょう。
 ピルユーザー以外の男性や女性が、ナトフェミンに関心を示してくれるかどうかも未知数です。海外旅行に行くときには、ナトフェミンを持っていくのが常識になってくれたらなどと思っていますが、どうでしょう?
 ナトフェミンは信念と興味が生み出した商品であり、ビジネスとしては無謀だと自覚しています。きちんと市場調査をして作られたものでもありません。高価な道楽という噂もあります。すぐに消えてしまうかもしれません。でも、何とかビジネスとしてやっていけるものにしていきたい、と考えています。日本で一番小さな会社が、世界に一つしかない商品を作り、世界一安い価格で供給しようと挑戦しているのです。皆様のご支援をお願いします。

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