2006.1.3
マナカナか

前回に続いてテレビの話。

録画しておいた大みそかの日テレのネタ番組と、年明け直後のテレ東の吉本の特番を観た。

日テレのネタ番組「お笑いネタのグランプリ」は東京ビッグサイトに1,200人の客を入れての生放送。
トップの長井秀和はネタが飛んでしまい、いきなり大コケ。本人は緊張しぃであることを前々から言っていたが…
中盤に出たまちゃまちゃもネタ飛び。
ネタをとことんやるだけのハコとしては異例のデカさ。
アガって然りではあるが、ほかの芸人はなんとか大ミスなくやっただけに、二人はちょっとみっともなかったなぁ。
後から出てきただいたひかるがネタの中で「生中継向きじゃない」とバカにしていた。

番組に出てきたのはほぼ「エンタの神様」出演組。ただ、波田陽区とはなわは出ていなかった。波田は最近エンタには出てない。
最近いきなり出てきた小梅太夫や桜塚やっくんといったあたりは、あんなデカいハコでのネタを経験できてラッキーだ。
二度とそんな大舞台に出ることはないだろうから。

小梅太夫は最近急増している「ひと言ネタピン芸人」。
男が花魁のカッコをして裏声で「唄う」。ネタはヒロシ的で「何をやってもツイていない自分ネタ」だ。
マイクのエコーがでかいビッグサイトでは、裏声で「滑舌が悪い」小梅太夫のセリフが半分くらいしか聴き取れなかった。
ま、ネタが聴き取れないのはどうでもいい。
とにかく、まちゃまちゃの「魔邪」だったり、波田だったり、小梅太夫というのが「話題沸騰」と扱われているのが歯がゆくてならない。
もっときちんと面白いネタをやる芸人はいくらだっているのに…

桜塚やっくん、これも酷い。これまた女装で、セーラー服を着たスケ番の風貌。
コイツはネタではなく客いじり芸人。
客を2-3人ツッコミ役に指名してそれぞれには特定のツッコミセリフを与え、自分がわかりやすいボケをしてその客にツッコんでもらう。
客にボケを拾う能力が求められるのだが、きちんと拾われ続けると流れが良すぎて面白くないのだ。
自分がツッコむべきところを逃す客が一人混じっていると、逆に客席は沸く。
んが、テレビで観ている人間はそういう空気を共有できず、まったくテレビに合わせたことをやっていないのだ。
1,200人のビッグサイトでとうしたかというと、かぶりつき席の2人を指名した。
ステージから遠い席の客にツッコミ役の客の声がマイクできちんと伝わってくれないとダダスベリもいいとこだ。

この桜塚やっくんがトリだった。
録りだったらトリにはなるはずもない(くだらないね)人選だが、生放送。時間が押したとき対策で、格の低い芸人が後ろの出番に集められたのだ。
小梅太夫やネタがとくにないカンニング竹山もこの辺だった。
桜塚やっくんはネタの途中でCMのジングルが入ってネタ強制終了。ま、そんな感じでちょうどいいわな。

さて、番組は最後に「表彰式」が行われた。
なんだかよくわからないが、出た芸人たちの中から大賞をひとり選出し、賞金1,000万円を出すという超大盤振る舞いだ。
アンタッチャブル、アンガールズ、アンジャッシュ、ドランクドラゴン、インパルス、ペナルティ、次長課長、レギュラー、南海キャンディーズ、オリエンタルラジオ…
ほか青木さやか、ネゴシックス、友近、ホリ、HGなどのピン芸人も出たのだが、それらを抑えて1,000万円を獲ったのはなんと陣内智則だった。
本人も当然意外な顔で賞を受けとった。
エンターテインメントとしては優れているんだけど、音や映像を作ってるのは2人組の裏方ユニットだったりするわけで、
言葉と動きだけで表現する漫才やコントとはまた違うんだよなぁ。だから、あの連中の中で賞を獲るということはないタイプと思ってたんだけど。
たぶん、本人もそうだったんでは?

レギュラー、ペナルティ、HGは志摩スペイン村のカウントダウンイベントに参加中で、中継での番組参加だった。
こちらの会場は1万人超え、さらに屋外でかなりの寒さだったようだ。
HGはピンネタがあるわけでないので、登場で紅白ばりに宙づりになり「空中M字開脚」をやった以外は「フォー」の繰り返しだった。
それでも昨年の露出は流行語大賞にまでつながったわけで、話題賞を獲得していた。予め決まってたんだろうが。


吉本の芸人は番組終了後テレ東に移動して、吉本芸人だけの生番組に引き続き出演。
こちらは朝までの番組。番組タイトルは長いので省略。
テレ東の深夜ということもあるが、基本的にユルい番組。大阪メインの芸人も多く出ている。
いろいろな競技で笑いを作る、芸人バラエティの王道スタイルだ。

最初に行われたのが、顔めがけて降ってくる金タライを寸止めする競技。
昨年リットンの水野が寸止め失敗でタライをモロに顔で受けて出血した伝説を持つ。
生なので、血が出るとマズイのだが、もんのすごくオイシイのはいうまでもない。
今年は山崎邦正が同じ目に遭い、番組途中から鼻に絆創膏を貼って復帰した。
水野も二年連続で参加し、しっかり顔で受けるんだろうと思っていたら、顔のだいぶ手前で止めてしまった。
情けない。

女芸人の鼻フック、昨年マジ唄コーナーで格の違いを見せたグッさんのディナーショーなど、昨年がベースになったコーナーが続く。
それにしてもグッさん、引き出し多すぎ。でも唄がいちばんスゴイや。友近とのデュエットはホント凄かった。
そんな中、志摩組が途中参加。なんとヘリで移動してきたんだと。
日テレに出ていたレギュラー、ペナルティ、HGに加え、キングコングが…
あらら、キングコング、あの場にいたのに日テレに出られなかったんだ。テレビってシビアだね。

昨年なかった企画が「カタブツ芸人にAV女優を絡ませる」企画。
ロバートの山本、バッファロー吾郎の竹若、カラテカの矢部が呼ばれる。3人とも風俗にはまったく行かず、女の噂もないらしい。
山本はオフにネットの集まりで登山に行き、竹若は自分のよりゲームのジョイスティックを握るほうがよほど多いという。
矢部に至っては童貞(絶句)。
この3人をAVにありがちなシチュエーションのセットで実際にAV女優とのカラミを演じ、どこまで耐えられるかというものだ。
ここでいう「カラミ」は当然AVのカラミではなく、一緒に演じるということ、
「耐えられる」はAV女優を押し倒すということではなく、自分の恥態が晒されていることにどれだけガマンできるかということだ。
AV女優は裸にこそならないものの、「病院のナース(山本)」「家庭教師(竹若)」「取調室の婦人警官(矢部)」になってボディタッチで彼らを誘う。
フツーの男ならいつまでも続けてもらいたいことを、彼らは「恥ずかしい」と止めてしまうのだ。
止めるにはクイズの早押しと同じ赤いボタンを押すのだが、矢部は女優にボタンを隠されてしまい、Gパンを脱がされてしまう。
生放送のためさすがにヤバいと判断したケンドーコバヤシ(このコーナーの仕切り担当)が割って入って終了。
矢部は取り調べ机の上で昇天していた。
このカラテカ矢部は「緊張するとチンコをつかむ」ので有名だが、履いていたGパンのチャックの左右だけ生地が白くスレていたのがスゴイ。
それだけしょっちゅうチンコつかみをしているわけだ。「股間だけビンテージものや」という東野幸治の表現が笑った。

ところでこの「AV女優」という言葉、どうもテレビでは自粛しているようだ。
この番組ではケンドーコバヤシが一度だけ使ってしまったが、ほかは「モンロー女優」という表現。
2日にやっていた芸能人の暴露番組(浜田雅功司会)では「セクシータレント」とされていた。
今後どういう呼び方が定着するのか?

さて、いろんな競技っぽいコーナーの合間には、しっかりネタのコーナーも混じっていた。
昨年のこの番組、ネタは別スタジオで行われていたのだが、空気づくりがまったく行われておらず、
勢いの弱い芸人が出ると笑いもさざ波程度という最悪の状況だった。
特にローテンションのだいたひかるは完全アウェーで、見るに耐えなかった。
それを反省してか、今年は芸人がたくさんいるメインのスタジオでネタが行われた。

ところがだ、最近陰が薄くなってきた中川家やM-1でダダスベリだった南海キャンディーズは芸人がいるスタジオでもスカだった。
中川家は礼二がタクシー運転手をマニアックものまね的に演じたのだが、ついぞ爆笑はなし。
南海はしずちゃんの得意なキャラが定着してしまったために、ブレイク当時と同じノリのネタじゃぁウケなくなってしまった。
それだけに、山里の冷静な口調のツッコミもまた更なる興ざめを生んでしまっている。
南海はバラエティ出演が増え、そちらは安定しているのだが、ネタはいいかげんになんとかしないとダメだなぁ。

番組の最後は恒例の芸人の今年の運勢ランキングを発表するコーナー。
芸人兼占い師の小笠原まさやが占ったものだ。彼の本は売れているものの、出版記念握手会は7人しか集まらなかったんだそうな。
ま、そんなもんだな、あの特徴のないビジュアル面じゃ。

昨年は面白い結果だった。
オレが兼ねてから注目していた次長課長(ようすけちゃんには前から言ってたよね)、昨年年始の占いでは井上が1位、河本が最下位というものすごい結果だったのだが、
結局井上の運気が勝ったのか、彼らがネタ番組やバラエティに出まくったのはご存知のとおり。
今年はケンドーコバヤシ、リットン水野などがベスト5に入り、1位はちょいちょいテレビで観るようになった宮川大輔。
大助花子の人ではなく、ピンの「大輔」だ。小笠原まさやとともにルミネtheよしもとに出ているそうだ。
そして最下位はオリエンタルラジオのメガネ。
どっかの一般大衆雑誌のアンケートで「2006年にもっとも伸びる芸人」とされたオリエンタルラジオ。
まぁ、あのリズムが受けただけで、言ってることはひと言ネタ芸人の中でもつまんない部類だ。
昨年の次長課長と違い相方も占いは低い順位だったので、来年になった時点でどういうポジションにいるのか興味が深いところ。

そういえばアメリカザリガニとか、アメ投げるだけだったビッキーズとか、全然見なくなっちゃったな。
っていうか、オンエアバトルでブレイクしかけただけのビッキーズは売れたとは言えないか。

今年ブレイクするのは今更ながらタカ&トシだな。
ツッコミのトシのトゲトゲしたところが未だ削れてない面はあるが、タカの衣装は要注目。
もうブレイクしているようでもあるけど、これからもっと露出が増えるはず。

マナカナかっ。


あ、「カンツォーーネッ!」の島田夫妻も忘れちゃいけない。

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