それぞれの味


2001.9.14 Fri.
パ・リーグ公式戦
Fs-M 23回戦[東京ドーム] 観衆:13,000人
5-2
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
M
0
0
0
0
0
0
1
1
0
2
F
0
0
0
2
3
0
0
0
X
5

W立石3勝2敗 Sミラバル1勝6敗17S Lミンチー12勝14敗 HR小笠原30(2) メイ29



-STARTING MEMBER-
Fs
 
M
1
小笠原
小 坂
2
奈良原
松 本
3
片 岡
福 浦
4
田中幸
ボーリック
5
井 出
メ イ
6
中村豊
佐 藤
7
藤 島
酒 井
8
實 松
清水将
9
金 子
大 塚
P
立 石
ミンチー

妙にスカスカだったこの日の仕事。何もかもが簡単に進んで行き、ドームへ行けと言われているような感じさえした。
前の日から行けそうな感じだったからなおさらだった。

着いたのは…いつだったっけ(笑み)
とにかく0-0だったので2・3回の途中だったと思う。

先発はロッテ戦に強いイメージのある立石と今季はさほど内容がいいわけでないミンチー
ミンチーというと、解説者がよくこう言う
「この投手は年間を通じて短いローテ間隔で大荒れもなく、長いイニングを任せられるから計算がききますよね…」
計算はきくけど、勝った分だけ負ける。
リリーフ投手の消費が減るわけだから、たしかに使い勝手のいい投手ではあるが。

同じようなタイプの投手が、Fsにいた完投型投手・キップ・グロスだった。
捕っては投げ、捕っては投げる。とにかくテンポで打者の打ち気をそいでゴロの山を築いていくのだ。
近鉄に1年だけいたデニス・パウエルと藤井寺で投げ合って、2時間を切る試合を演じたこともあった。

きっとグロスがまだ日本でやっていてミンチーと幾度も投げ合うことがあれば、1時間台の試合が再現されていただろう。
 

さて、4回表。
スコアボードと打順を照らし合わせると、ここまで両チームの残塁がロッテの1安打分のみで進んできたのがわかる。
が、両投手の好投が崩れたのがこの回だった。

立石は二死からボーリックにお得意のプルヒッティングをされてツーベースとされる。
このあと、悪癖の制球難が突如発症。メイ佐藤幸彦と連続四球でまたたく間に満塁とされる。
迎えたのは七番・酒井
言っちゃえば、そんなに怖くない打者だが、狂い始めた立石の制球は誰に対しても同じだった。
そしてカウントは2-3。もうボール球は投げられない。

次の運命の一球を投げた立石はそのままズッコケた(爆み)
この身を振り乱して投げた球がシンカー。見事酒井は空振りの三振に倒れた。
きっと切羽詰まって体のバランスが崩れたんだろう。とりあえず無失点でよかったよかった。

ピンチのあとにはチャンスあり。
ポコポコ投げるミンチーに対し、オガがレフトへヒット、奈良原倒れたあと片岡がセンターへタイムリーツーベース!
さらにユキオも犠牲フライで続いて2-0と先制する。
しかしこの間がほんとあっさりだった。
抑えてても打たれてても、ミンチーは常に一定のペースで投げてくる。ほんとに機械のようだ。

5回表は立石が三者凡退に斬る。前の回の制球難は何だったのか。
その裏・金子の犠飛で1点追加したあと、オガの2ランがライトに突き刺さった。
29号が出てから久しくなかった一発は12日ぶりだった。これで2年連続で30号クリア。すごいバッターだぁ。
この回もやっぱりポコポコ投げるミンチーだが、淡々と投げる姿とは裏腹、5-0と大量リードを奪った。

6回表、モリシゲ投手コーチ登場。何? 代えるの?
ま、それはいいとしても、マウンドに上がったのが14番じゃないか! なんで5点リードの6回に井場が出てくんの!?
私のいたライトスタンドの常連客が異口同音に不思議がっている。
井場は未だ抑え投手にしてもらえないのだ。
後で知った話、立石は故障降板だったらしいが、それにしてもリリーフの人選がねぇ。
この日上がった(夕方会社でチェックしていた)生駒なんか、ちょうどいいと思ったけど。
井場は6回を抑えたが、7回に一死二塁から酒井にライトへヒットを打たれる。
これを処理を焦ったライトのジャイ、ショートバウンドでキャッチしたつもりが、
ボールはグラブに入らずにショートバウンドをした地点に置いてきてしまった。
一閃、ライトからのレーザービームで本塁補殺…を思い描いたが、タイムリーエラーとなってしまった。5-1

さらに、小坂のヒットの際に井場が足を負傷。ベンチへ引っ込んでしまった。無理して投げさせる必要はない。
後には松本福浦、スイッチのボーリックメイと続くだけに、代えるんだったら左のノリあたりを出すところだ。
そんな予測をしているとき、突然ライトのジャイがピョンピョンとケンケンをしながらベンチへ飛び込んで行った。
打球処理には関係ないところで、足を痛めたようだ。ケガは可哀想だけど、なんとも不可解で周りの客も笑っていた(笑み)

結局井場は応急手当をして登場。ジャイひちょりに交代となった。

ロッテは「左右関係なく調子のいい選手を使う」采配で、左の松本を引っ込めて勝負強い代打・を送った。
しかし井場をショートゴロに斬ってなんとかエラーの1失点のみで7回を終えた。
 

8回表からノリが登場。んなら早く井場を代えてやれよ、って感じ。
そのノリ、このカードではいつも怖いイメージのあるメイにライトスタンドへ一発を打たれて5-2とされる。
この後新谷が抑えて8回表終了。

ミンチーは8回裏を三者凡退で終えた。5点獲られても飄々と投げている。
その機械ッぷりには感心する。
 

9回表・またもやモリシゲ投手コーチ登場。ユニフォームを着ていない人を伴っている。
通訳… 演出家・ミラバル様の登場である。
3点差でミラバルはファンにとっては怖いところ。ライトスタンドの常連は私以上に信頼をしていない。
まぁ、口々にいろんなことを言っておられました(笑み)

ところが、先頭の代打・初芝大塚とあっさり討ち取って早くも二死。
小坂も2ストライクに追い込み、あと1球! どうやら今日は演出はないようだ…

…と思ったら、やっぱりヒットを打たれてしまった。
続く椎木を2ストライクに追い込み、あと1球!

…と思ったら、今度は金子が捕るのが精一杯の当たり。一塁への無理な送球が乱れ、これは内野安打扱いに。

やっぱり演出家の肩書きはダテじゃなかった。
バッターは恐ろしい3割打者・福浦。一発なら同点の場面を作ってしまった。
そして、福浦から2ストライクを奪い、三たび「あと1球」の場面に。

三度目の正直とはよく言ったもんで、福浦はファーストゴロ。
結局、9回はハラハラドキドキの無失点イニングとなった(笑み)
5-2で勝利。ロッテ戦ってやっぱり勝てるわ。
バタバタしたけど、ミラバルのセーブは久々かも。
家がテロのあったニューヨーク市街からほど近く、家族もその辺りに住んでいて、夜も寝付けず結構ストレスがたまっていたらしい。
なんとか結果が出て、少しはラクになっただろうか?
でも、うちらファンは投球をラクに見ることはできない事実が悲しいが。
 

さて、9回裏がなかったので、ミンチーは8回完投ということになった。
勝ち投手となった立石は故障で先発勝利投手の規定イニングを投げて消え去った。
思うに、立石もあちこち痛めて降板する姿をよく見るなぁ…。
でも、あのダイナミックなフォームを見る限り、一生懸命やっている感じが伝わってくる。

思いっきり投げて行けるところまで行く立石と、いくら失点してもペースを崩さずに完投するミンチー
それぞれの味が出た。

【●●●今季観戦通算 7勝15敗 勝率.318●●●】



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