大ちゃんと熱い男たち


2001.7.29 Sun.
イースタン・リーグ
Fs-M 13回戦[鎌ヶ谷ファイターズスタジアム]
5-4
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
M
1
0
0
1
1
0
1
0
0
4
F
0
0
3
1
0
1
0
0
X
5

W伊藤2勝2敗 L後藤2勝5敗 HR原田政6号(3) 早川5号



-STARTING MEMBER-
Fs
 
M
1
小 田
2
石 本
於 保
3
原田政
天 野
4
西 浦
信 原
5
阿久根
大 村
6
田中聡
椎 木
7
大 貝
早 川
8
荒 井
澤 井
9
藤 崎
青 野
P
櫻 井
後 藤

27日にグッチーが故障で登録抹消、代わりに實松が昇格。さらにシンジも上にいる状況で、ファームの捕手は手薄になった。
荒井が野手扱い、中山は相変わらずのブルペン捕手扱いということで、
2年目・藤崎とルーキー・駒居の高卒組のふたりが試合にコンスタントに出るチャンスを手にした。

ってことで、この日のスタメンマスクは藤崎大輔・大ちゃんだ。
私は球場に来てスタメンを聞くまでこの捕手の現況をイマイチ把握してなかったので、
「9番・キャッチャー藤崎」のアナウンスを聴いてちょっと驚いた。
なにしろ今まで出番があまりにもなかった藤崎。打撃の方はこれまでヒット1本しか打っていない。
昨年も7試合出場、7打数無安打の成績。今年のヒットがファームながらプロ初安打なわけだ。

大ちゃん太ってるからキャッチャーやんなよ」
こどもの頃の草野球でそういう形でキャッチャーをやらされて以来、そのまんまプロまで来てしまった…
…そんなイメージの(爆み)大ちゃんだ。あくまでも想像だが、ハマってる(笑み)

185cm・95kg。選手名鑑のスペックは昨年と変わっていないが、どうもこのところ絞られてカラダが締まった感がある。
少なくとも95kgってことはないだろう。
 

先発投手はつくし似の櫻井棋士似の後藤だ。
昨年のキャンプの紅白戦で一軍組で登板した櫻井は二軍に打ち込まれ、反省の意味で頭をぼうづ(「ぼう」@吉田戦車)にした。
そのぼうづ頭が少し伸びた頃、開幕後も一軍にいたその彼を東京ドームで試合前に発見。
「つくしっ!」私の第一印象だ。もともと細身の体型にあの一見気弱そうな顔と伸びたぼうづ頭。
ヒョロヒョロしたそのバランス感、つくしそのものだった(笑み) またはマイク(爆み) タモリが使ってるやつ。

そんな(どんなだ)つくし投手。7月2日に一軍に昇格するも、まったく登板なく25日に抹消されて鎌ヶ谷へ帰ってきた。
この日はその抹消後初登板となる。
同じ2日に昇格した立石もまったく出番がないまま、ひと足先の12日に抹消されている。
この間も佐々木井場芝草ノリといった中継ぎ陣が大車輪の登板。
つくし立石がなぜ出番がなかったのか、さっぱりわからないところだ。

上ではブルペンに入ることすらあまり見かけられなかったというつくしは、ひさびさの実戦登板だ。
大ちゃんとのバッテリー、私にとってはおもしろいコンビ。どんな試合になるんだろうか。
 

1回表、一死一・三塁。四番・信原の打席でつくしのワンバウンドの球を大ちゃんが逸らす。これはパスボール。
三塁からセンター前ヒットで出ていたが生還して先制点を与えてしまう。
やっぱり、なんか不安なこのバッテリーだ(笑み)

棋士似・後藤は上でローテを経験した投手。どうみても将棋を打つ人にしか見えない風貌だが、やはりなかなかのピッチング。
1回は三者凡退。2回も無失点で切り抜けた。

んが、3回裏・口火を切ったのは先頭打者・大ちゃんだった!
デーブ大久保のように、ステップの小さい打撃フォーム。バットの使い方は駒田を思わせるコンパクトな振りだ。
この一見当てるだけのようなバッティングから、もの凄い打球が飛ぶ。
弾丸ライナーで右中間フェンス直撃。もうすこしでフェンス越えの鋭い当たりで二塁打。
トップに返って小田はエラーで出塁。石本凡退で三番・原田政に回った。
中日から緊急トレードでFsに来たものの、ほんの少しの間上で活躍したと思ったらすぐに落とされた。苦労人である。
心情的に、上でプレーしてもらいたい選手のひとり。
その原田、ファウルで粘って粘って、三塁上の大ちゃんはそのたんびにウロチョロウロチョロ。肩で息。動きはあまり機敏にみえない(爆み)
何球目だったか? 原田がガツーンと打った球はついにフェアゾーンに入って左中間レフトスタンドへ見事到達!
大ちゃんが心配していたであろう犠牲フライにならなくてよかった。私はちょっと見てみたかったが(笑み)
一気に逆転で3-1とした。

すぐ裏の4回表・すでに4四球と制球難のつくし早川を迎えて、ポンポーンとストライクを2つ獲った。
「こらこら、急にストライクが入ったからって気ぃ抜くなよ。打たれるぞ」と私がシャレでボヤいた直後、
3球目をものの見事にライトスタンドにブチこまれた。当たったら飛びそうなカラダをした早川。やはりパワーがある。ソロで3-2

4回裏・この日2安打目の田中聡荒井のタイムリー二塁打で帰して4-2と突き放すものの、
つくしは5回表に連打を浴びて降板。勝ち投手の権利を得ることができなかった。
なにしろ四球が多すぎ。ヒットはさほど打たれてないので、制球さえなんとかなれば…なのか。
安定しちゃったらしちゃったなりに打たれちゃうんだろうか。

二番手・斉藤貢が犠飛を浴びて4-3

6回裏・荒井大ちゃんの連続ヒットの後、小田のレフト前で1点追加。

6回から伊藤が登板。7回表・椎木の代打・光山にセンター前タイムリーを浴びる。
獲っては獲られ返す展開ながら、追いつかれないのがこの試合のいいところ。
この代打を出された椎木、ベンチで異常に悔しがっている姿が印象的だった。喰っていく為には結果がすべての世界。
ファームであっても常に真剣勝負なのだ。

8回裏・一死から大ちゃんがなんとこの日3本目のヒットとなるライト線二塁打! まぁ、今日はよく走ること(笑み)
小田が送って大ちゃんまたもや三塁へ。石本凡退で三番・原田政に回った。…この文、さっきもあったぞ…
チャンスにふたたび登場した原田だったが、ボールと思って見逃した球がストライクで三振。
よほど悔しかったのだろう、大声で何かを叫んでヘルメットを地面に叩きつけた。
直後、退場処分。なにやら審判に対する暴言だったようだ。
ここにも真剣勝負の熱い男がいた。奇遇にも、椎木原田ともに同時期中日でプレーしていたのだ。

9回表・伊藤ロッテを三者凡退に斬って、私の今年のファーム観戦初勝利となった。
 

試合後、グラウンド上で投手・野手がそれぞれ円陣を組んで反省ミーティング。
投手組に耳を傾けると、オオユキ(田中幸雄)コーチつくしがそれなりの評価を受けていた。
「悪いなりによくやった」旨だったか。

さらに勇翔寮の前に行くと、白井監督が「梨に向かって打て」の取材に応じていた。
一緒に観ていたゆーき・のりさんが選手のサインを片っ端からもらっていると、大ちゃん登場。
監督がインタビューを受けているそのすぐ脇で笑顔でサインに応じる。

「……でもまた試合に出すとアイツ調子に乗るから…」と部分的に大ちゃんに聞こえる声で監督がコメント。
周囲は大爆笑になった。
どうやら大ちゃんのお母さんが来ていたようで、なにやらビニール袋に入った「おかず」らしきものを受け取っていたのが印象的だった。
3安打の活躍で試合も勝利。いい親孝行ができてよかったよかった。
 

これから修羅場に突入していく大ちゃんと、プロ野球の厳しさを味わっている原田椎木
このふたつの姿が好対照な一日だった。なんか、ファームっていいなぁ。

【●●●今季ファーム観戦通算 1勝3敗 勝率.250●●●】



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