キンキン


2000.10.1 Sun.
パ・リーグ公式戦
F-BW 27回戦[東京ドーム]
×0-7
W金田6勝5敗 Sカルロス5勝4敗3S L金村9勝4敗 HR小川5(3) 


早いもんで、今年最後の東京ドームの試合となった。

本当なら、この日も優勝目指して頑張りたいところだったが、もはやダイエーのマジックは4。
可能性は計算上ほんのちょっぴりだけ残っているが、気分は消化試合である。

ま「優勝しないからファンをやめる」みたいなバカも世の中多いようだが、私はそんなことはないし、この日のライトスタンドも大声援だった。

こういうときにでも観に来るのが、ほんとの野球ファンだと思う。
 

先発は共にシーズン途中脱落していたキンキンコンビ、金村金田だ。
球がそんなに速くない、線が細い、エラが張っているなど、左右の違いはあれど共通点は多い。

試合開始早々、金村はポンポンと2アウトを獲ったが、を歩かせる。
4番はアリアス
イチローニールがいない今、開幕から長らく7番・サードが定位置だった男が4番に入っている。
イチローリタイアの直後は藤井が4番だった記憶があるが、この日左の藤井は6番。
右相手なのになぜかその位置で、5番に右の小川が起用されていた。
「5番と6番は逆だろうに…」そう呟いていると、アリアスも四球。小川に回った。

しかし、すぐに仰木マジックの恐ろしさを知る結果になった。
金村の投じた高めのストレートを、いつもパカパカ打ってる男のような打ち方で、小川は左中間に130mのアーチをかっ飛ばした。

この試合に2ケタ勝利を賭けた金村だったが、見事に出端をくじかれた。
 

いっぽうの金田。得意のスローカーブを効果的に使い、決して速くないストレートが打者のタイミングを外していく。
3回まで無安打。凡打はゴロがほとんどだ。

そんな中、4回表には金村のワイルドピッチでまた失点。0-4

4回裏・オバンドーがやっとチーム初安打を放つ。
レフトポール際手前に落ちた、あわやホームランかという二塁打だ。

5回はウィルソン野口の連続安打でチャンス発生。
2000年シーズンも終盤となった今頃に始めた、順番はパ・リーグ応援団どん尻となるチャンステーマがライトから流れる。
以前、昔の曲を流用するならデイエットのテーマを…と書いた。
結局、流用は当たったが、森範行橋上に使われたテーマが選ばれた。
「ワッショイ! ワッショイ!」の掛け声が入るこのテーマは、確かに合ってるかもしれない。

Fsの関西の応援団が始めた「選手テーマの1回目はア・カペラでやる」風習も他の地区でもやるようになった。
12球団でいちばんおとなしいイメージのあったFsの応援スタンドは、
この風習で歌詞を大声で歌うようになってから、かなり声が出るようになってきた。
片岡のファンファーレもかなりの声量が出る。
ただ、外野と内野のスタンドの密度の差が大きいため、外野から放たれた声は、
内野の人がいないところでかなり反響している。そのせいもあるのかもしれない。

…が、このチャンスも生かせず。

7回にも一死からユキオウィルソン野口の3連打で満塁。
ここでふたたび仰木マジック。9番・右の金子を迎えて金田に代えて出したのが、左のカルロス
右のリリーフもそれなりにいるのだが、あえて登板過多のカルロスを出してきた。

ナメられた金子だったが、見事に引っかけて遊ゴロ。ゲッツーで一瞬にしてチャンスは終わった。
2割3分台で低迷する打率。西あたりを代打として起用してもよかったと思うが…。
策のないまま終わってしまった。

8回表、2番手・私が行くといつも見る高橋憲がつかまり、3番手・芝草に託すも、またも小川に打たれる。
二塁打。小川はこの日5打点となった。0-6
年々出番が減ってきた小川もクビがかゆくなってきている頃だろう。
それだけに、この日の活躍はまだまだイケるところをアピールした恰好になった。

9回表・ルーキー佐々木がプロ初登板。高卒の左投手だ。
清水に似た投球フォーム。球は清水よりも少し速いか。
しかし、フォームだけでなく、コントロールもそっくりだった(苦笑)。

先頭・松元をストレートの四球でいきなり出す。
その後、暴投と野口のパスボールもあって松元は三塁へ。
塩崎には簡単にレフトへ犠飛を浴び、失点。0-7
その後、田口・代打福留を連続三振に斬ってとって、なんとかいいところも見せた。
これからの飛躍を期待しよう。

さて、最終回のFsはなぜか先頭・島田のところで代打・西
「7回に使わないでおいて、無走者のこの場面でなぜ5番に代打?」
その意図がよくわからないまま、凡退。ユキオウィルソンもなすすべなく、あっさり試合終了。
2安打を放っていたウィルソンだったが、最後はちょこっとバットを動かしただけでの見逃し三振だった。

締まらない終わり方だ。試合後に選手・コーチが全員整列して東京ドーム今シーズン終了のあいさつ。
しかし、アナウンスだけで、監督のコメントもなかった。ちょっと物足りなかったなぁ。
 

試合途中、経過でリードされていたはずのダイエーは結局逆転して勝ってしまった。

帰宅後、スポーツニュースを観ると、なんと今日のダイエー勝利・Fs敗戦で、
Fsの優勝が消えてしまったとのこと!
なんともいいがたい…。ムリなのはわかっていたが、計算上もなくなってしまったとは…。
チームも三連敗。のこりの5試合、チームは2位を目指して頑張るしかなくなった。
ま、3位は堅いから、来年の東京ドーム開幕は間違いないだろうが…。

しかし個人成績の興味は尽きない。
ノリに2本差のウィルソンの本塁打、小笠原片岡の100打点、
野口片岡ウィルソンの打率3割と、野口のチーム5人目の80打点などだ。
野口は三塁打も松井に1本差で追っている。
小笠原は最多安打・得点で現在トップ。
とくに得点はこの日現在で122とリーグ新記録を更新中だ。

そんなビッグバン打線。しかしそれに支えられる恰好のはずの投手陣はメロメロだ。
規定投球回数をクリアしているのは関根ガンだけ。
しかも、10勝・防御率9位ながらも関根は5.04、11位のガンは5.21と期待を大きく裏切っている。
真のエース・金村が年間通じて働けば、ココロのエース・ガンがもう少しハッスルできれば…
そう言いたくなる1年だった。

こんな投手陣でよくも優勝争いができたもんだ。数字を見直すと、改めてそう思う。
数年前まで「投手のチーム」だったFsだが、この3年ですっかり変貌してしまった。
ひとり、トレードでベテランでありつつ成績も残せる投手を獲れないものか?
工藤のような。いま不調の桑田なんかを連れてくると、環境が変わって復活するかもしれない。
斎藤雅あたりもいい感じだけどなぁ…。
でも、なんで巨人ばっかりなんだ? ま、しょうがないか(苦笑)。
 

●●●今季観戦通算 14勝17敗 勝率.452●●●

今季の観戦は、これが最後になりそうだ。



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