勝ったんだけど…


2000.9.10 Sun.
パ・リーグ公式戦
BW-F 24回戦[グリーンスタジアム神戸]
◎17-6
W高橋憲3勝1敗1S L木村1敗 HRアリアス21(2) 葛城1 小笠原29 


ホテルの朝食はバイキングだ。
当然、Fsの選手も一緒の場所で食べる。
私服姿の選手をみているのも結構面白かった。

さぁ、きのう負けた時点で、優勝はかなり遠のいた。
なにしろダイエーがまた勝ってしまったので。
坊西柴原のソロ2発で逆転勝ちしたっていうんだからすごい。
ここにも何度も書いてるように、ああいうエクストラな働きが出ると、優勝は近くなるのだ。

と、いうわけで、きょうは気楽に観たい。きのうのようなシケったFsじゃなく、
ボカスカとホームランの出る「攻め」の試合を観たいなぁ。

気になる相手の先発・木村
19番をつけていて191cmという長身、とスタメン発表のスクリーンに出た。
ブルペンを見ると、たしかに大きな投手が投げている。

19番かぁ。いい番号付けてるわりには聞いたことないなぁ。
どんなピッチングをするのか、抑えられちゃうのか?
それとも、打てるのか? とっても興味があった。
 

ところが、フタを開けた途端、木村はいなくなっていた!
まるで『キン肉マン』で、ラーメンマンに棺桶に入れられたはずのウォーズマンが、
棺桶を開けたらいなくなっていた時のように! え? わかりづらい? あ、そう。

試合開始早々、1番・奈良原に投げる球、投げる球すべてボール。
結局収集つかず、4打者に対し3四球1安打と一死もとれないまま降板となった。
…ひみつへいきがひみつのままおわった… そんな感じ(笑)。

すぐさま出てきた二番手・カルロス井出の犠飛で一死を獲るのが精一杯。これもKO。
早くも1回で3人目・高橋功が出る始末。
この回は4安打4四球で打者11人の猛攻。7点を先取して、相手の戦意をなくしたはずだった…。

1回の表で33分。その間、先発・立石はマウンドに上がってないわけだ。
最近の不調に加え、この長い間。ある程度はやられるのを覚悟した方がいいか?
と言ってるうち、1番・塩崎が快足を飛ばして二塁打。
藤井がタイムリーで返したあと、5番に上がったアリアスが2試合連続の一発。
レフトポールを巻く、見事な一発だった。

2回には、前日三振三昧だったルーキー・イクローこと葛城育郎にプロ初安打となる1号ホームランを浴びる。
4回さらに1点を追加され7-5
2回から5回までFs高橋功嘉勢に抑えられ、だんだんイヤなムードになってくる。
 

この流れを変えたのが、ひと味ちがう男・小笠原だった。
6回・アリアスに負けじとこちらも2試合連続の一発をレフトへ流し込んだ。
1回に7点獲ったっきりの「スミ7」状態にケリをつけた。

しかし、本当に流れを変えたのは、やっぱり前日の試合の観戦記で出てきたびっくり仰木マジックだ。
嘉勢を1回2/3で引っ込めて、出てきたのが木田
未だ、抑え投手に復帰していないのだ。ビハインドの登板が多い。
この木田が、この小笠原の一発をきっかけに崩れる。

1回と同じくして、島田野口が二塁打を放つなど6回は6失点。
8回は片岡ウィルソンが二塁打で4失点。
木田は合わせて10失点の失態となった。コントロールが甘く、ストレートがまん中に入ってしまうのだ。

不運も多い。前日の試合もそうだったが、ウィルソンのときは、サードがショートの位置に、
一二塁間にショート・セカンド・ファーストの三人が来る、極端な「ウィルソン・シフト」。
外野もレフトが左中間のセンター寄りにいる。左側はガラ空きなのだ。
そこへ、木田の球を打ちそこねたウィルソンのショボい打球がコロコロ…。
ヒットを凡打にする布陣は、逆に凡打をヒットにしてしまうこともあるわけだ。
また、満塁で前進守備をしても、狭くなった一二塁間のいちばん通してみたいところに井出のヒットが抜けて行き、
島田の打ち損ねも高いバウンドで前進アリアスのアタマを高々と越えた。

どこへ投げても打たれるし、どこへ飛んでもヒットになってしまう。17-5
もう、オリックスのやる気は完全に失せた。
 

立石を4回途中であきらめた後すぐに出したノリが絶好調。
ノリにしては登板間隔が開いていたのもよかったんだろう。
3回2/3をパーフェクト! 7回裏まで投げきった。

そして8回にはガンが登板。ことし初のリリーフだ。
しかし、コントロールが悪く、ピリッとしない。
大量点差で滅入っている相手だけに、1イニング1安打で済んだものの…。
さらに9回はお休みが長かった守護神・ミラバルが登場。
ピシャリと3人で…と思ったら、一死も獲れないうちに1失点。
さらにイクローにも脳天に死球。幸い、バックネットまで球が飛ぶほどで軽い当たり方だったようだ。

結局1点で抑えたものの、この先発・抑えの「エース」たる二人が通年ピリッとしないのが、
優勝できるはずのFsにとって、いまひとつ足りない点なのだと思う。
 

勝つには勝ったものの、スッキリしない。
野口は5打数3安打で.295。3割目前になった。
ウィルソンは80打点に達し、史上初・1チームで4人が80打点を超えた。

しかし、打つだけではダメなのだ。いまは投手の柱になる人間がほしい。
それがガンであり金村であるはずだったんだが…。

優勝って、ほんとに難しい。こんなゼイタクな打線があるというのに…。
 

●●●今季観戦通算 13勝15敗 勝率.464●●●



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