焦り


2000.9.9 Sat.
パ・リーグ公式戦
BW-F 23回戦[グリーンスタジアム神戸]
×1-2
W6勝1敗 L関根9勝5敗 HRアリアス20 小笠原28 


前々から決めていた神戸遠征。

夜行バスで金曜の夜から向かうも、東名高速で18台の玉突き事故。
途中、富士と清水だかの間を一般道で迂回、しかも外は大雨でクーラー効きっぱなしのバスの中は冷え切っていた。

ま、事故に加わらなかったのでよかったが、何か波乱の予感が…。
ダイエーに直接対決で連敗した後だけに、なんとしてもこの2連戦は連勝したいところだが。

ホテルはなんとFsの宿舎、西神オリエンタルホテルだ。
14:00からのチェックインなので、ホテルに入るのは試合後だ。
 

さて、ことしの5月3日に行った時は長蛇の列ができていた券売所は、
13:00の試合開始寸前にもかかわらず、全く列がなかった。窓口が余ってるくらい。
なにしろ、イチローが3年連続の終盤リタイアになったのと、オリックス自体の不調も大きいのだろう。

A席のチケットを買って入場。やっぱりスタンドもガラガラだ。
マウンドにはすでに先発の戎(えびす)が上がっていた。

何年か前、イチローシアトル・マリナーズのキャンプに招待されたとき、は現・阪神星野伸と一緒にくっついて行ったのだ。

イチローはもちろんのこと、向こうにはあまりいないタイプの星野も注目を集めていたのに比べ、はまったく目立たない。
イチローが出るということでNHK BS1で中継されたオープン戦にも中継ぎで登板したが、ボコボコに打たれてしまった。
日本の一軍にも上がれない選手を、なぜ送ったのか? という疑問が私の中にはあった。

高校時代は甲子園で注目された投手。しかし、そのという珍名はなかなかマスコミに現れなかった。
それが、今年のシーズン途中に一軍昇格した途端、先発完投型で投手陣の柱になる選手に化けてしまった。

ことしは彼の他にも斉藤和細見など、「そういえば、今まで何してたの?」組の健闘が目立つ。
 

始球式を終えて試合開始。
はフォームが変則なわけでもなく、球速がズバ抜けて速いわけでもない。
ただ、「ベロ〜ン」と沈んでくるカーブやフォークがいいようだ。

さっそく2番・小笠原がヒットで出るが、続く片岡は引っかけて併殺に斬られる。

Fsは9勝している関根が先発。
なんとか勝って、チームの連敗ストップと自信の2ケタ勝利をモノにしたい。
が、さっそく悪いクセ「一発病」が出てしまう。
2回裏・打率.250、一日一善でしかも打撃面は一発だけしかウリがないアリアスに、レフト上段へ打たれた。
一発病の投手は、こういう選手によく打たれる。井口とか吉岡とか藤井なんかだ。

で、2回は塩崎に左中間二塁打、大島に内野も芝のGSならではの、打球を殺したセーフティーバントヒットを決められた後に、
その藤井に犠飛を浴びて0-2とされる。

ここから関根の投手戦。
高めが多い関根はフライで、低めのコントロールがいいはゴロでアウトの山を築いていく。
両投手の持ち味がじゅうぶんに出ている。

5回・五輪代表・田中幸が左腕に死球を浴びる。かなり痛そうで、そのまま奈良原に交代となった。
五輪前になって、やっと調子が上がってきたユキオだが、この人は常にケガと付き合っている。
そして、その都度そのケガを押してまで試合に出るのだ。
しかし、今回はどうなんだ?うずくまったままベンチに下がっちゃったからなぁ…。
五輪どころか今シーズンもどうなんだ? って感じだった。

6回・小笠原が右中間に一発!1-2。 関根の好投をムダにはできない。
今のビッグバン打線は他球団にくらべ、一発の出る可能性が非常に高い。
1点なんかすぐに獲れるだろう、そう思いながら観ているんだけど、に討ち取られたFsの選手がみんな怒って返ってくる。

たしかにはシロウト目には簡単に打てそうな球ばかり投げてるように見える。
プロの選手ですらそうなのか?
あの控え目な井出が三振すると、いつだかのデーブ大久保のようにバットを両手で思いっきり地面に叩きつけて折ってしまった!
片岡もバットを捨て、ヘルメットを投げて帰ってくる始末。

優勝争いから取り残されそうな立場にあって、このもどかしい投手戦。
ユキオはぶつけられて退場するし、
今まで打力で勝ちをもぎとってきた選手達には、明らかに焦りの色が見えていた。

唯一冷静に見えたのが小笠原
出塁して二塁上で相手バッテリーとサード・アリアスのスキをみるとすぐさま三盗を決めた。
 

関根は3回までに3安打2四球だったが、それ以降、まったくランナーが出ない。
結局、4回から8回まであれよあれよのうちにパーフェクトに抑えてしまったのだ。
もまったく譲らない。びっくり仰木マジックでも飛び出して、リリーフ出して失敗しないかなぁ…。
意外とこういうときって、抑え出すと流れが変わって打たれるんだけど…。

9回表・二死。小笠原を背に置いて迎えたのはオバンドーだ。
追い込まれても鋭い当たりのファウルで粘るオバンドーだったが、結局はバットを投げ出す程のキレのいいフォークで三振。

試合終了。最後までは代わらなかった。
ま、あれだけの調子の投手を代えて逆転されようもんなら、大変な批判を浴びるだろうけどね(笑)。

えびすっていったら「福の神」のはずなのになぁ。まったく、疫病神め…。
 

試合後すぐに地下鉄で西神中央駅へ出て、ホテルに入ると、すでにバスで帰ってきたユニフォーム姿の選手でごった返していた。
みんな暗い顔をしている。しかし、やっぱりサインを求める輩はいるわけで、
私も悪いと思いながらも、オバンドーガン小笠原の3人にサインをもらってしまった(爆)。
ガンは不振のため中継ぎとして、本来来る予定ではなかった神戸にやって来ていた。
でも、サインをする相手にですら、リップサービスを怠ることはなかった。
さすが、ガン。試合でもその調子で!

その後チェックインを済ませ、部屋に向かうべくエレベーターに乗ると、小笠原と一緒になった。
「三盗、おみごとでした。スキだらけでしたね」って声かけたら、ニッコリしてうなずいてくれた。
手にはマスコットバットを持っていた。部屋で振るんだろうか? やはりプロだなぁ、って感心した。

夜、夕食をとりに行こうとエレベーターへ向かうと、先に乗っている人が止めて待っていてくれた。
その人は金村だった。部屋が同じフロアだったのだ。
コンビニの袋を持って、ひとつ下の階の選手の部屋に遊びに行ったようだ(笑)。
ちなみに私の部屋の隣には古屋コーチが泊まっていた(笑)。

金曜のおーけん氏の情報で金村が日曜の先発かもと聞いていたので、彼が神戸にいたこと自体はびっくりしなかった。
食事から帰ってきた時にみたスポーツニュースで、
金村は登録されていないが、一軍に帯同している。この金村の復帰がカギ」と言われてるのを聞いたとき、
「そのキーマンとさっきエレベーターでいっしょになったんだよなぁ」と変な感動を覚えた。
 

さて、日曜は金村じゃなく立石が先発になった。
最近不調なのになぁ、立石。大丈夫だろうか?

そして、もうひとつ気になるのが相手の先発・木村
お前、誰やねん(爆)。
 

●●●今季観戦通算 12勝15敗 勝率.444●●●



2000年トップへ 観戦記メニューへ Top