エクストラな奴


2000.8.26 Sat.
パ・リーグ公式戦
F-H 22回戦[東京ドーム]
◎15-0
W下柳6勝2敗 L田之上7勝4敗 HRオバンドー21(2) 小笠原23(3)・24(2/ランニング本塁打) 上田6 


Fsは北陸でのBW主催の地方3連戦を3連勝して帰ってきた。
シーズン当初分の悪かった、目の上のタンコブ・BW戦を8月の6戦では5勝1敗と大きく勝ち越した。

その勢いに乗って、Fsが東京ドームに戻ってきた。
こんどはさらなる大きなタンコブ・FDH戦である。

先発下柳は古巣相手に投げることになる。
いっぽうの田之上には、5日の福島で捻られている。
ともに、プロに入って初めて先発ローテーションに定着した年になった投手だ。

FDHは職場放棄で二軍に落とされていたニエベスが戻ってきて3番に入っている。
その影響で、この日は左相手なので、2番に大道が入った。
大道はそこそこ長打力があるイメージだったが、今年はそれを捨てた感じ。
バットを短く持って、オープンスタンス。
年々エスカレートしてきたそのクシャクシャしたフォームは、明らかに大きいのは狙わないフォームになった。
今年はここまで本塁打0だが、打率は3割でチャンスに強いイヤなバッターだ。
いろんなことを考えた結果、入れるべき打順として2番が残ったのだろうが、やはり、怖い打線だ。

1回表、さっそく一死からその大道がレフト前へ快音。
イヤな予感が的中するかと思ったが、下柳は何とか後続を断った。
とりあえず、カウンターパンチはなかった。

その裏、1番・井出がさっそく出塁。
小笠原片岡がともにレフトへいい当たりを飛ばすも、ニエベスの正面に飛ぶ不運。
この日は小笠原が親善大使を務めている小笠原村のPRデーで、村の人たちが観光宣伝に来ていたが、ここではいいところを見せられなかった。

しかし、オバンドーが左中間へドカーン! とりあえず2点先取。

下柳はリリーフのときとは違い、ランナーがいない時はワインドアップで投げている。
球速も直球は140km/hを超え、先発に回ってから格段によくなったコントロールも相変わらずいい。
2回、3回とランナーを背負うも、ことごとく抑えていく。
とくに、落ちる球がキレていて、三振もとれる好調さだ。

3回裏、ここで早くも試合は決した。
まずは先頭、親善大使・小笠原が村の人たちに魅せる。ライトフェンス直撃の二塁打だ。
片岡ヒットのあとオバンドーがまた二塁打。
島田はいつもの通りで、ランナーがいるとライト前におっつける。
この島田のタイムリーで6-0
昔に戻った、大したことのない田之上をKOした。

ウィルソンも代わった渡辺正から二塁打。
さらにユキオ凡退後、いつもできないはずの野口が送りバントを決めた(笑)。

奈良原井出はどうしたっけ? なんだかわすれちゃった(爆)。
で、小笠原がドカーンと3ラン!村の人たちも大喜びだったろう。
ついに3回で10安打・10-0と九分九厘勝ちモードになった。

この間、ライトの秋山に目をやると、仕草がとってもダルそう。
腰が悪く、じっとしているとかえってつらいらしい。
4回表に回ってきた打席のあと、予想通り早々に大越に代わってしまった。
柴原がセンターからライトに回って大越がセンター)

この長い攻撃で下柳の体も休みすぎて調子を崩してしまうのが心配だったが、それもまったくなかった。
4・5・6回と9人パーフェクト。なにしろコントロールがバツグン。変化球のキレも変わらない。

そして小笠原もサービスを怠らない。
6回・左中間フェンス直撃の当たりを放ち、二塁打…と思いきや、大越が深追いしてフェンスに衝突。
大越って毎年フェンスに激突している。それが原因の長期離脱も何度かあったし。
クッションボールの処理をもうちょっと考えて動けばいいのに。とくにこんな点差なんだし…。
ノビているうちにボールは外野を転々とし、小笠原はホームに帰ってきてしまった。ランニングホームランだ。

Fs打線は毎回安打で7回に20安打に達した。
この回はオバンドーの守備固めで入っていた上田がライトへ完璧な一発(6号)を放った。
この前のホームランの5号も、大差で出た「ウィルソンの代打」という変な登場の仕方で放った。
「代わり」といえど、負けず劣らずの仕事をしている。

この上田、「守れる・走れる」上に、長打力が出てきた。
一時期は規定打席に達して3割を打ったこともあったが、最近は飼い殺し気味。
今の恐ろしい「復活ビッグバン打線」ではスタメンに入る余地がない。
左相手専門だった島田が成長して完全レギュラーになった。外野が空かないのだ。
ことしは「代打の切り札」的存在だが、他に「使える代打」というのも実際いない。
と、いうより、使う必要がないのだ。
奈良原も一昨年の打撃が甦ってきて、金子がいないことも全く気にならない状態になっている。
野口も勝負強さが安定してきちゃったし(笑)。

強いて言えば、このところユキオの当たりが止まっている。
ほとんど相手のエラーに見える内野安打が数度出て、数字上は結果を残しているように見えるが…。

さて、8回に小笠原が内野安打で21安打目。
6打数4安打5打点と大盤振る舞い!
『(撮影場所・父島)』とキャプションがつけられた小笠原諸島のクジラの映像も2度出たし、村の絶好のPRになった。

この21安打目でFsの打撃ショーは終幕。
下柳は最後まで好調のままで、5安打完封。プロ初完封だ。
四球もわずか1個、三振10。もう完全にローテの一角を担う投手になった。
恐ろしいダイエー打線も、きょうはあきらめムードだった。

これで上位相手に4連勝。一時期あきらめかけていた「優勝」の文字が、ほんのうっすらと見えてきた。
優勝するチームには予定外に活躍するエクストラな選手が必ずいる。
ことしの下柳は、そんな雰囲気がムンムンしているのだ…。
 

●●●今季観戦通算 10勝14敗 勝率.417●●●



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