ただでは敗けん。


2000.8.6 Sat.
パ・リーグ公式戦
F-H 21回戦[いわきグリーンスタジアム]
×2-9
W斉藤和2勝1敗 L立石6勝3敗 HR松中23 


あづま球場の試合後、郡山経由でいわき入りはしていた。
なにしろ、前日の朝に決まった遠征。しかも、いわきには行くつもりがなかったので宿も予約してない。
最悪、車中泊も考えたが、意外にもいわき駅前のビジネスホテルが空いていたので、そこに泊まった。

しかし、いわきに着くまでが怖かった。
とにかく眠気が襲う。試合前に3時間半の運転。そして、また試合後運転。
日付が変わって午前1時を過ぎてもまだ運転している。

郡山から東北道とつながっている磐越道でいわきへ向かう。
同じ福島県でも、「中通り」から「浜通り」へ移動するわけだ。
盆地から山を越えて海へ出る感じ。

この磐越道、高速道路としてはまだ完成していない。
予測される交通量から、上下線両方つくるのではなく、片方分だけつくって、当面は上下1車線ずつの対面通行になっているのだ。
これは全部ではなく、部分部分で追い越しができるように2車線の部分はある。
しかし、大半が1車線。対面通行といっても、上下線はガードレールで仕切られている。
つまり、1車線の両側がガードレールで仕切られていて、とっても息苦しい。
まわりは全く建物がない。そのため、道にも照明灯はない。
見えるのは自分の車のライトがとどく所だけ。ああいう道は夜は走りたくない。

さて、朝起きると天気も良く、夜の試合観戦も行く気が出てきた。

いわきは海水浴もできるし、スパリゾートハワイアンズ(旧・常磐ハワイアンセンター)もある。
ひまつぶしにも事欠かない。

さて、4時半に球場の駐車場着。チケット(ネット裏)を確保して車内で30分ほど寝て、5時に中に入る。

「21世紀の森公園」という運動公園内にあるいわきグリーンスタジアム。
まわりは新興住宅地。まだまだ、空き区画が多い。
公園内はだだっ広い。ムダに。あんなに整備しなくてもいいのに。

スタジアムのつくりは、あづま球場に近い感じ。
ただ、スコアボードはフル電光で、アナウンスも聴きやすい。
その分、いわきが一歩リードか。
 

先発は立石斉藤和巳
ともに、速球派ではあるものの、元来ノーコンという共通点を持っている。
ふたりの予想される負け方は、四球で崩れてストライクを獲りにいった所をドカーン、だろう。

斉藤和が高卒で入団した時、すでに斉藤学斉藤貢の2人の斉藤がいた。
そこで、当時ブームになってしまっていたカタカナ名、カズミを背負うことになった。
が、泣かず飛ばず、ケガもあり、背番号も10台から60台になった。
登録名のカタカナもやめた。
今年ようやくローテーション入りし、最近は好投を続けている。

先に落ちたのは立石だった。
悪いときの立石のパターン。球が上ずっている。
4回途中までで6失点。2番手・高橋憲はワンナウトも獲れず。
3番手・芝草がなんとか抑えて、4回終了で1-7
この時点で試合は決まってしまった。

斉藤和はヒットを浴びるものの、Fsの不注意な牽制死や走塁死も絡み、5回を1失点で切り抜けた。

さて、Fsの勝ちが薄らいだ時点で、この試合の注目は別のところへ移る。
8/1に一軍に初登録されつつも登板のない期待のドラ1ルーキー・正田が、3回頃からブルペンに入ったのだ。

4回裏・この日から定位置・8番に戻った野口に代わり、昨年度のドラ1捕手・實松が登場した。
未だブルペンで投げ続けている正田とのドラ1バッテリー誕生を匂わせる演出だ。
ここで實松はライトへヒット。これがプロ初安打となった。
この後、チェンジ後に備えてベンチ前でキャッチボールを行っていた芝草がベンチへ引っ込んだ。

そして、4回が終了。大島監督が登場して、ついに正田の初登板が告げられた。
将来のエースと目される投手。そのデビュー戦を生で観られるだけでも、いわきに来た甲斐ができた。

立ち上がり。2000本安打を間近に控えるベテラン秋山がプロ最初の相手となった。
が、あっさりレフト前に打たれる。
続くバンクスにも安打され、いきなり無死一・二塁のピンチ。
しかし、後続をなんとか抑え、この1イニングで初登板は終了した。
甲子園で見せたコントロールはなく、イマイチの出来。三振もなかった。
ただ、ピンチにも落ち着いた投球。美しい投球フォームからも大物の風格は十分に漂っていた。

もうひとり、注目の選手がいる。やはり最近一軍に上がった森本稀哲(もりもとひちょり)である。
あまり公にはなっていないようだが、病気を患った過去から、頭髪が全くない。
まず、そのビジュアル面で、ベンチにいてもとても目立つ。
帝京高校でキャプテンとして活躍。甲子園にも出場した。
もともと内野手だが、出場機会を得るため、今年ファームで外野についた。
まだ線は細めだが、俊足で打撃センスもいい。将来はオールラウンドプレーヤーになりそうだ。

この日1番を打っていた石本は前日のあづまの試合で送りバントを捕飛にして失敗。
つづくこの試合では、3回裏の2打席目にセーフティーバントを試みるも、バックネットを越えるファウル。
結局見逃しの三振と、まったくいいところナシだ。
私は見ていて腹がたったので「ひちょりに代えちゃえばいい」って言ってたら、
ホントに4回表・ひちょり石本と交代でレフトに入った。

實松初安打、正田初登板と合わせ、ひちょりの「初」安打で「『プロ初』三冠」を期待したが、四球での出塁→得点にとどまった。

が、これからもこの3人の出番は多いはず。この夏は、3人の若い戦力に注目だ。

試合は篠原が6・7回を締めるなど、ダイエーペースのまま。
9回は黒木松中に目の覚めるような場外弾を浴び、ダメにダメを押される。
9回裏は懐かしいダイエーの過去の抑えのエース・岡本が抑えてジ・エンド。

結局、せっかくの遠征も2戦2敗。
正田の初登板が最大の収穫という半端な結果となった。

帰りは常磐道をスイスイ。午前0時30分には地元に帰れた。
いわきは東京から結構近いことがわかった。
 

●●●今季観戦通算 7勝13敗 勝率.350●●●



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