これぞシーソーゲーム


2000.5.20 Sat.
パ・リーグ公式戦
Fs-M 7回戦[東京ドーム]
×5-11
W小林雅2勝4敗 L岩本1勝3敗 HRボーリック8(2)・9(3) オバンドー13(2) 3(満) 


前日の片岡のサヨナラHRの勢いで楽しい夜を過ごし、そのノリで再びドームへ。

先発は土曜の男・今季とにかく調子の悪いガンちゃんこと岩本ツトム
相手の先発がルーキー・清水直ということもあって、なんとか勝たせてあげたい。

1回。今季のガンちゃんにしては珍しく立ち上がりが良い。
ストレートが走っている。ポンポンと2アウトをとる。
…が、大塚に二塁打を浴び、ファンから「やっぱりか」のタメ息。
この回は抑えたものの、2回もピンチを招くと小坂にレフトに流されあっさり1失点だ。

ストレートの走りはいいものの、先週同様、カーブも走ってしまっている(笑)。
いつもはブレーキの利いた100km/hひとケタ台のカーブが10km/h速い。

2回裏、エラーにつけこんだチャンスから小笠原のタイムリーで3-1と逆転。
ちょっと早い気もしたが、清水直はこの回いっぱいで降板となった。

しかし、せっかくの援護もムダ。ガンちゃんはよくならず、
直後の3回表・ボーリックに完璧な当たりの2ランを浴びる。
さらにその後もランナーを貯めて押し出し。3-4と再逆転を許す。
最後のフォアボール目はフォークだった。小さな小坂は手が出かかったが、見送った。
押し出しになる1球をフォークで、ってのはあんまり見たことがない。いつもと違う…。

何が違うかっていうと、キャッチャーが違うのだ。
前日に続き、田口がスタメンマスク。
現在正捕手の野口が移籍してきて活躍し始めても、ガンちゃんのときは田口がマスクを被っていた。
そのノリで行ければよかったのだが…。もはや田口のリード感も鈍ってしまったか?
出番の少ない二番手捕手として通年一軍にいるがために、二軍にいるよりも逆に試合の感覚が弱まっている。
捕手は特殊なポジションなので三人はベンチにほしいところだが、
野口ほど一番手がガチガチだと、控えの実戦感覚が遠ざかってしまうのが難点だ。

4回表、マスクを被って出てきたのは野口だった。
すると、不思議なもので、4・5回をガンちゃんは三者凡退に斬ってとった。
打撃面でもチャンスに打てなかった田口の株は下がるばかりだ。
この流れでは今後、首脳陣があまり使う気にはならないだろう。

ガンちゃんが良くなってくると、打線も応える。
5回裏・オバンドー川井からバックスクリーンにリーグトップの13号逆転2ランを叩き込む!
再々逆転で5-4。試合が俄然面白くなった。

6回も無難に切り抜けたガンちゃんだったが、7回、ついにスタミナが切れて満塁のピンチを迎える。
バッターは「イチローを意識している」打撃フォームで打率.315を残し絶好調の福浦
帽子を取ると惨めな薄毛なのだが(笑)、体型や横顔もイチローの雰囲気が確かにある。

ヨレヨレのガンちゃんを生かす手はなく、当然左のリリーフエース・原田の出番だ。
今季、数度のイチローとの対戦では、完璧に抑えている。
カーブがまったくタイミングが合わず、腰を抜かすイチローを何度見たか…。
一緒に観戦した友人と「イチローのマネをしてるなら打てまい」と笑いながら話していると、
山本監督登場。代打・を告げた。
このところ、酒井にセカンドを獲られ、ずーっと控えに回っていた。
前日も代走の出場。非常に影がうすくなりかけていたところだった。

直後、悲しい結果が出た。
2球目をフルスイングしたの打球は、レフトスタンドに突き刺さった。
再・再々逆転で5-8。精神的に3点差以上のダメージだ…。
後から聞いた話では、は5/9以来、スタメンから遠ざかっていたらしい。不調が理由。
3割打者を押しのけてまで起用されたこの場面。監督の男気を感じたのか。最高の答えを出した。
 

この両チームに共通する点、それは世間から「チームリーダーとして」と扱われている選手の不調である。

片岡田中幸初芝の4人である。
ユキオ初芝はともに打順を下位に下げられている。背番号も同じ6。
初芝は.210台、ユキオは.190台であえいでいる。

いくら周りが良くても、このあたりが打ってないと、イマイチチームのノリが悪い。
ユキオはいつになっても良くならない。
そろそろ奈良原をスタメンで使って、ユキオの再燃を期待する形にもっていった方がいいのではないだろうか?

はこの試合では結果を出したが、簡単にスタメン復帰はできない。
山本監督は「実績と名前では起用しない」というスタンスを貫いているからだ。
誰にでも均等にチャンスを与えるのがやり方。いま、にとってはいちばん苦しい時期かもしれない。
 

そんな余韻に浸っている中(笑)、8回にはビハインドの登板では力が出ない黒木が、
ボーリックにダメ押しの3ランをバックスクリーンに運ばれる。

5-11。万事休す。
 

9回裏・前日登録された實松の出番が、大量点差ということで回ってきた。野口の代打だ。
あわやホームランという当たりをレフトポール際に放つ。なかなかパンチ力がありそうだ。
結局中飛に終わったが、これもイイ当たり。
6連戦が始まると先発投手の枠を確保するので、實松は落とされるだろう。
しかし、一軍にいる間に、何度か代打で出番がありそうな感じだ。期待は大きい。
 

ガンちゃんは自分の撒いたランナーが満塁弾で返されたために、
負け投手になってしまった。
いったい、いつになったら目覚めるのだろうか…。
打線同様、ガンちゃんがしっかりしないと、チームも昇ってこないのだ。
 

おまけ(笑)
この日も、河野が1イニング登板した。
大量点差の余裕か、三者凡退。直球は130km/hそこそこしかスピードが出ない。
そのぶん、スライダーとカーブで翻弄していく。
1イニング限定なら、結構使えそうだ。緊迫した場面での登板が増えるといいなぁ。

●●●今季観戦通算 3勝7敗 勝率.300●●●



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