メジャーがやってきた。そしてレオン


やっと書く時間ができたので、書いてみる(笑)
当日すぐ書いているわけでないので、どっか間違いがあるかもしれないが、
ただの「日記」なので、気にしないのだ。

3月29日・日本で初のメジャーリーグ公式戦Mets-Cubs戦が東京ドーム行われた。
なんとか、チケットを確保できたが、平日のナイター。
19時開始だが、試合前の練習も見たい。
また、仕事をしてると、18時の定時ですっきり上がれるわけではない。
と、いうわけで、休暇をとって観に行くことにした。

16時前頃、東京ドームに着く。
さっそくグッズを購入。試合後では混雑するのが間違いないので、早めに買っておくのだ。
けっきょく、記念ドラムバッグ・記念Tシャツ・記念キャップ・Vメガホン・オフィシャルガイドを買う。
こういうの結構好きなので、イベントがあると、なにかと買ってしまうのだ。
Vメガホンはメッツカブスの両チームのロゴがついているもの。
日本のプロ野球の応援に使われている、あの2つ割れのメガホンだ。
もちろん、これもMLB公認グッズ。本場では手に入らないこのメガホン、何年もすると、価値が上がるか?

チケットはすでに完売・平日ということもあって、開場待ちの列もそう長くない。
川崎みたいに、入り口がひとつなんてこともないし(笑)。
入場前のチェックはいちおう厳しく、女性係員によるボディーチェックまであった。
バッグの中はいつものFsの試合でも見られるが、
ボディーチェックはひさしぶりだ(いつだかもやってた)。
しかし、係員もバイトなので、口を開けさえすれば、中は大して見ない。
じっさい、奥にピストルのおもちゃを入れていても気づかないだろう。あんまり意味ないな。

中に入ると、この日の主催チーム・メッツが練習をしている。
ホームである意味の白ではなく、練習用の黒い上着・「プラクティスジャージ」を着ている。
MLBでは練習と試合とでユニフォームを使い分けるのが常識。
でも、プラクティスジャージもデザインが違うだけで、試合でも使えるしっかりしたものだ。

また、全チームではないが、MLBには「オルタネイト・ユニフォーム」を持っているチームが多い。
何かの記念ゲームとか、曜日やデーゲームかナイトゲームかの違いなど、
いろいろな条件で、基本のホーム・ビジターの他にも試合で使うユニフォームのバリエーションがあるのだ。
メッツも黒の上着で試合を行うことがある。
マーリンズはノースリーブとか緑の上着とか、
キャップの種類もいろいろあって、バリエーションはかなりのものだ。
また、昔使っていたダボダボの復刻ユニフォームでやったりもする。

バッティング・ケージでは、ピアザがフリーバッティングを始めた。
さすが、もの凄い当たりを連発。ストレートばっかりだから当然だが、飛距離や打球の速さがちがう。
レフトの広告看板に2発当てた。

さて、チームが変わってカブスの練習。

両チームには日本でプレーした選手がいる。
アラン・ジンターブライアン・ウィリアムスパット・マホームズだ。
ジンターは昨年西武に、ウィリアムスはおととしダイエーマホームズは97・98年横浜にそれぞれ在籍した。

カブスの練習で私が目撃できたのが、ジンター
西武が昨年6人在籍した外国人のうち5人が結果を残せずクビになった。その中のひとりである。
途中入団・初登場の試合で本塁打を放ったが、結局話題になったのはそれだけだった。
カブスではもちろん控え。本職は捕手だが、サードでノックを受けていた。
出番を増やすためだろうが…。はたして、出番は?

カブスのフリーで目立ったのが、グレースソーサの3・4番コンビ。
とくにソーサピアザよりさらに高い所にぶつけていた。
こちらも、ストレートならいくらでも打てる、といった感じ。生で見た迫力はものすごかった。

記念の試合。試合前のセレモニーもいろんな人が出てきた。
ダンスパフォーマンスのバックバンドはスカパラ。日米国歌斉唱はドリカムの吉田美和。
始球式はMLB歴代本塁打王・ハンク・アーロンだ。
このアーロン。めちゃくちゃふつうの恰好。黄色いビルに馬券買いに来たオヤジみたいな服装。
しかも、マウンドまで行かず、大分手前で立ち止まって、いきなり投球。
紹介のアナウンスが終わるか終わらないかのうちに、始球式が終わってしまった。
試合中の「Take me out to the ballpark」の合唱では往年の名プレーヤー、アーニー・バンクスが登場した。

また、皇太子ご夫妻も観戦。東京ドームのロイヤルボックスが使用されたのを初めてナマで見た。
皇族をナマで見たのも初めて。まぁ、席が内野の奥のほうだったので、米粒程度にしかみえなかったが(笑)。
 
 

なんだかんだで試合開始。カブスが先攻。
一番・盗塁王もとったヤングが四球で出塁後、すぐ盗塁。
二番・ビュフォードがすぐにライトへタイムリー。
あっという間にカブス1点を先取した。

あっさり点をとられたメッツの先発投手がハンプトン。昨年22勝の最多勝投手だ。
しかしこの後、なかなか点をとられないものの、5回で10四死球と大乱調。客が冷めはじめる。
5回はついに押し出しで2失点目。この回で降板となった。
いっぽうのカブスの先発・リーバーは7回1失点と好投だった。

東京ドームは、空気で屋根を膨らませている。そのため、気圧が高く、中にいるとホンワカした感じだ。
照明の位置も目線に入るところにあり、心なしまぶたが重くなる。
あまりに退屈な試合になると自然とアクビが出るのが、この球場の特徴なのだ。

日本のチームの試合では、トランペットやメガホンの音が響きわたる。
そのぶん、冷めた試合でも、耳がさみしくなることはない。
まぁ、アレがうるさいという人が世の中にたくさんいるようだが、
私はアレがあってこそ、今の日本のプロ野球だと思っている。
ま、この話は始まったらつきないので、ここではあまり語らない。

MLBの試合では、当然リーダーに統率された「応援団」なんてものはない。
だから、この日の東京ドームは、試合前の華やかさはどこへやら。
あまりに四球の多い展開に、試合中はSEが入るくらいで、「シーン」と静まってしまった。
外国人の男性が「GO! GO! Mets!」と叫びながら同じ文句の書かれた大きな紙を持ってスタンドを歩き回る。
1回からずーっとやってたが、賛同する客が少ない。かえって、むなしさが起きる。

7回、待望のホームランが出る。カブスアンドリュースだ。ヤキモキしていた客が、やっと盛り上がる。
8回には、グレースピアザが立て続けに本塁打。
8回から登板した元ダイエーウィリアムスは、
スター・ピアザの一発を待っていた日本の客に「恩返し」をした恰好になった。

この前後、レフトの外国人団体客から起きたウェーブがドームを3周。
ほんとに、ちょっとのことがきっかけで大騒ぎになる。
ピアザの本塁打の2人あと、6番・ダブダブのユニフォームを着たベルのゴロを、野手がファンブル。
おそい追い上げとなったメッツに有利になるプレーなわけだが、
このちょっとのファンブルでも割れんばかりの大歓声。
これまで客がどれだけ展開のつまらなさに飽き飽きしていたかがわかる瞬間だった。
「GO! GO! Mets!」の音頭にも、まわりの客が手拍子でノリ始め、ドーム全体に広まった。

終盤・メッツジョン・フランコカブスアギレラと、両抑えのエースが登板。さすがにゲームが締まった。

最終回・守備固めでカブスブロックという選手が入った。
これを見たメッツバレンタイン監督アギレラが登板第一球を投げる寸前に出てきて抗議。
なんとも、変なタイミングだったが、どうやら試合前に交換したメンバー表にブロックが入ってなかったようだ。
結局、交代もなく抗議は終わったが、あと1球で試合終了というところで、またバレンタイン登場。
抗議内容はともかくとして、相手のアギレラをかく乱するためもあるんだろう。
そのアギレラ、あまりにしつこい抗議に、ホームに向かって歩いて行き、バレンタインをにらみ飛ばす。
日本では相手の監督にガンを飛ばすなんて考えられないことだ。

抗議終了後、1球で試合終了。5-3カブスが勝った。時刻は22時半になっていた。
ソーサは一発が出ないまま終わったが、二塁打を含む2安打と、一応力は見せた。
また、ジンターマホームズは出番ナシだった。
 

あ、もうひとり忘れてならない日本でプレーした男を目撃した。
元・ロッテ大洋ヤクルトでプレーしたレオン・リーだ。
今はスカウトとして、アジア方面を担当しているようだが、しっかり、背番号とユニフォームも持っている。
試合前になんとバッティングピッチャーとして働いていた。
おなかが出ていたものの、すぐにわかった。全然変わってなかった。

本場の選手のプレーを東京で見られたわけで、いい経験だった。
しかし、選手サイドの評判はあまりよくないようで、来年以降も日本でのMLB開催は続行するものの、
今回の両球団の来日はないだろうとの話だ。

プロ野球は、野球をする選手と、それを観る観客が一緒になったエンターテイメントだ。
やっぱりMLBをホントに楽しむには、アメリカへ渡るしかないということがよくわかった。



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