新シリーズ ニュージャージーの野鳥

2002.5.7-19 Marcer County Park

  夏鳥を探せ!

  昨年やり残した課題は「夏鳥」でした. NJはアメリカでも北の方に位置し,夏に渡ってきて繁殖する夏鳥には色々な種類がいます. 昨年は,日本と同じ感覚で北の方の丘陵地帯を探してみましたが, どこへ行っても留鳥ばかりで,日本で言えばオオルリキビタキのような綺麗な鳥には出会えませんでした.

  ところが,ひょんなことからぶらりと訪れた近所の公園, と言っても中央に湖をかかえた東西7kmにも及ぶ大きな公園ですが, ここに綺麗な夏鳥がいたのです. 今年の4月に引っ越しをしましたが,どちらの家からでも車で5分で行ける距離にあります.

  近所の奥様から 謎の動物・ウッドチャック がたくさんいるというので, それを撮ろうと出かけたのがきっかけでした. この動物,草むらから立ち上がって周囲を見回すしぐさが可愛く, 車を運転中には道路わきでのろのろ歩くどんくさい姿を良く見かけるのです.

【観察スポット】
  入り口は東西南の3ヶ所あり,道路は中央でつながっています. ウッドチャックは東西それぞれの入り口から続く道路沿いの 芝生エリアに良く出没します.芝生エリアの両側には雑木林があり, 林縁ではシカ(White tailed deer)が見られることが多いです (南の入り口付近は,テニス,サッカー,野球等のグラウンドやスケート場があります).
  3つの道路の中央に湖につながる道があり,その先には貸しボートもあるハーバーがあります. そこの駐車場に車を停めると付近には越冬または繁殖して子連れの ギースマガモがいます. 駐車場西側の広場のさらに西に小さな川があり, それを渡って湖沿いの道が夏鳥の多い場所です. 前半の両側草地の所ではツバメ類, 中盤の森との境目付近〜雑木林で小鳥類が多く見られます.
  大きな湖なので冬のカモ類も期待できそうですが,あまり見られません. 一方で,毎回ではありませんがアメリカヤマセミが見られます. 人気の少ない湖岸の木に鳴きながら飛んできてとまりますので「キィ〜」という鋭い声に要注意です.

No.037 オオクロムクドリモドキ(Quiscalus quiscula
英名:Common Grackle
  日本で言えばヒヨドリのような鳥で,夏鳥ではなく留鳥です. ここの公園では,ハーバー横の小川の周辺で良く見かけます. ここにはバーベキュー場があるので残飯をあさっているのかも知れません. この鳥には,内陸系の茶色型と沿岸系の紫型があるようですが, ここでは紫系です. 遠目には真っ黒の鳥に見えます. (CHINO)

No.058 キヅタアメリカムシクイ(Dendroica coronata
英名:Yellow-rumped Warbler
  以前紹介したのは冬羽でしたが, 今回のは,胸などの黒がハッキリしており夏羽(4〜8月)のオスだと思います. NJでは基本的に冬鳥で,この時期は渡りの個体が見られるようです. 湖沿いの道から水際のブッシュで見ました. ちょっと鳥が小さいのですが,もう撮れそうも無いので出しておきます. (CHINO)

  ここからは夏鳥,かつ新らしい種を紹介します.

No.070 ネコマネドリ(Dumetella carolinensis
英名:Gray Catbird
  日本には無いマネシツグミ科の鳥で, 西海岸を除くアメリカほぼ全域で普通の夏鳥です. ここの公園では,バーベキュー場近くから湖沿いのブッシュに巣を作っています. 全身グレーかと思いきや,お尻の下(下尾筒)が赤く,頭のてっぺんが黒いのが特徴です. NJの夏鳥ではツバメに続いて良く見る鳥かも知れません.
  姿は地味目ですが,さえずりの方はキビタキに似た感じで美声を発します. 初めて聞くと綺麗な鳥を思い浮かべがちですが,毎回裏切られることになるので早めに覚えた方が良いです. 普段の鳴き声は,名前の通り「ニャ〜」っとネコのように聞こえます. (CHINO)

No.071 キタオビナシショウドウツバメ(Stelgidopteryx serripennis
英名:Northern Rough-winged Swallow
  背面が茶色のツバメの仲間で水辺で見かけます. 全米で普通の夏鳥です. 地味な鳥でどこにでもいる訳で無く,かといって珍しくも無く, という存在感が薄い鳥かも? (CHINO)

このページでは地味な鳥ばかりでした.もう一ページあります.(CHINO)