Vol.44 アビとカイツブリの仲間
(アビ目アビ科5種、カイツブリ目カイツブリ科5種)

写真リスト
カイツブリ ハジロカイツブリ ミミカイツブリ アカエリカイツブリ カンムリカイツブリ


「みてはいけないもの@カイツブリ」

世の中には見てはいけないものがある、
というのは周知のことと思う。
それは、“物”そのものだけではなく、
“物”の別の側面もそうである。

カイツブリはお尻がふわふわしていて、
毛糸玉が水に浮いているような感じがしていて、
自分の中では結構好感度上位の鳥であった。

かなり昔のある日、
私は、いつものフィールドをいつものルートをたどりながら鳥をみていた。
小さな水路に差し掛かったところ、目の前からいきなり何者かが“飛び出した”。
飛ぶ姿がえらい不格好で、よくみたら尾っぽがない!!
そして、そいつがカイツブリだと解ったとたん、自分のなかで何かが崩れていった....。

さらにこの間は、カンムリカイツブリまでも...。

水に浮いている間はあんなにツンとしているのに、
飛んだとたんに“しっぽ”の短い悲しさで、
「育ちのよいお嬢様(と思った)のスカートが風でめくれたら、
   毛むくじゃらのすねが出てきた」

みたいな感じで、
見ている方は裏切られたような
なんとも言いようのない気持ちにさせられる。

んなこと言ったって、
「ふわふわなお尻=しっぽが短い!!」ということで、
それは解ってるんだけど、
世の中、理屈では分かってるけど納得できないことって結構ある。

(SASAKI)


●カイツブリ(Tachybaptus ruficollis
 さて,カイツブリ科の1番目はカイツブリです. 仲間の中では最も小さく,本州では一年中見られます. アビの仲間と同じく,水の中にダイビングして小魚などを獲ります. 大きさは26cm.通称「タダカイ」. (CHINO)
【撮影者】 Y. CHINO
【データ】 1992年
Nikon F801S Nikkor ED500mm F4P SHR400
【コメント】 500mmのレンズを買って間もない頃の写真で,どこで撮ったかフィルムケースをひっくり返してみないと分かりません.この時はまだネガフィルムを使ってました.


●ハジロカイツブリ(Podiceps nigricollis
 2番目はハジロカイツブリ.数は少な目の冬鳥でカイツブリに比べると見難いかもしれません. これは夏羽で,黒字に黄金の飾り羽がきれいですね. 大きさは31cm.通称「ハジロカイ」. (CHINO)
【撮影者】 M. FUKAGAWA
【データ】 2002年3月 茨城県
Nikon D1H Nikkor AFS500mm F4 2倍テレコン使用
【コメント】 波崎の港も3月になるとハジロカイツブリが群れて、夏羽も増えてくる。

●ハジロカイツブリ(Podiceps nigricollis
 こちらは冬羽で,白黒のパターンになります. このハジロカイツブリと,この後出てきますカンムリカイツブリは群れになる事があります. (CHINO)
【撮影者】 Y. CHINO
【データ】 1995年12月23日 千葉県船橋市船橋海浜公園
Nikon F801S Nikkor ED500mm F4P 開放 x1.4テレコン使用 RVP
【コメント】 本当はミヤコドリか何かを探しに行ったんですけど,見付かりませんで, 堤防を越えた向こう側のウィンドサーフィンをやってる端っこに彼らがいました. 次々に潜ってしまうので,たくさん揃ったところを撮るのは難しいです.


●ミミカイツブリ(Podiceps auritus
 3番目はミミカイツブリ. こちらの方がちょっと大きいですが,ハジロカイツブリと似ているでしょう? 大きさは33cmなので2cmしか違いませんから, 並んでもらえないと大きさの違いは分からないと思います.
 識別ポイントは,1)眼のすぐ後ろの黒い部分が上に上がっている, 2)首の前側が胸まで真っ白,3)くちばしがまっすぐ(ハジロカイツブリは上に反って見える) などです. カイツブリの中では一番数が少ない種類でしょうか? 通称「ミミカイ」. (CHINO)
【撮影者】 M. FUKAGAWA
【データ】 2001年2月 千葉県
Nikon D1 Nikkor AFS300mm F2.8 2倍テレコン使用
【コメント】 幼鳥冬羽


●アカエリカイツブリ(Podiceps grisegena
 4番目はアカエリカイツブリの成鳥夏羽. 名前の通り,首の部分が赤くなっているので分かりやすいですね. 冬羽ですと,白黒になってしまうのですが, 大きさは47cmとミミカイの1.5倍ですので,頑張って見分けましょう! (CHINO)
【撮影者】 N. MATSUDO

●アカエリカイツブリ(Podiceps grisegena
 こちらもアカエリカイツブリの第一回冬羽(前の年に産まれたということ)です. 上の写真よりも首の赤が少し薄めですね. 北海道では夏鳥ですが, 他では一般的に冬鳥で, 北へ帰る直前やたまに遅くまで残っているものなどでは夏羽が見られます. (CHINO)
【撮影者】 M. FUKAGAWA
【データ】 2003年4月 千葉県銚子港
Nikon D1 Nikkor AFS500mm F4 1.4倍テレコン使用


●カンムリカイツブリ(Podiceps cristatus
 5番目は,最大56cmのカンムリカイツブリ. 埼玉県では,狭山湖で毎年群で越冬していたためあまり珍しいという感覚はありませんでした. 夏羽ではご覧の通り,頭に見事な飾り羽が出ます. (CHINO)
【撮影者】 N. MATSUDO


次回は、まとめて追加・第7弾の予定です。

お楽しみに!

(CHINO)