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デジタルネット時代の著作権


FM802の放送を簡単にインターネット放送やCS放送にできないポイントに著作権の問題がある。
我々、リスナーはその現状を把握した上で、今後の活動を推進していきたいと考える。【わんたん】
(以下、2001/04/10付 朝日新聞大阪本社 夕刊より抜粋)

ネット放送

メジャーな楽曲流せない

 月曜の夜。お笑いタレント「ロンドンブーツ1号2号」の軽快なしゃべりが、パソコンから響いてくる。
 ニッポン放送(東京都港区)の「allnight nippon SUBER!」。ロンブーやネプチューンたちが日替わりで パーソナリティーになる、若者に人気の番組だ。99年春、番組改編に合わせ、ラジオと同時にインターネット でも生放送を始めた。
 トークがひと区切りして、音楽に切り替わったときのこと。 ネットでは「許可されたもの以外は流すことができません」というコメントと、 ラジオ放送とは別の音楽が聞こえ始める。大手流通網に乗らない「インディーズ」と呼ばれる曲やBGMだ。 著作権の問題から、放送音声が長時間中断する事故の際、自動的にBGMを流すシステムを活用している。
 ここ数年、ラジオ番組をネットでも流す放送局が増えてきた。しかし、内容をトークに限ったり、 編集して音楽部分を取り除いたりするケースが大半を占める。
 テレビやラジオに比べ、ネットでCDなどを使うための面倒な手続きが大きな原因だ。 1回ごとにレコード会社などの了解が必要で、日本音楽著作権協会(JASRAC)にも曲名や 使用期間などを細かく報告しなくてはならない。定められた著作権料も必要だ。

「透かし」に期待

 「ラジオ電波が届かない地域から、聞きたい番組をネットで放送して欲しい、と署名を添えた嘆願書が 届いたこともある。ネット放送は今後も利用者が増えると思うので、音楽もそのまま流したいのだが・・・・・・」 と、ニッポン放送デジタルコンテンツ部の永渕啓部長は残念がる。
 今ではプロ野球もネットで生中継される。その場合、放送局は細かい点で音楽や映像の著作権に気を使う。
 毎日放送(大阪市)は、新外国人選手の活躍で盛り上がる阪神タイガースの試合のネット中継を、 8日から有料で始めた。昨年、球団と契約して約20試合を中継。今年は、対巨人戦を除く甲子園球場での 約50試合を予定している。
 基本的にはラジオ放送の音声を使うが、応援団のトランペット演奏などが入らないように、スタンド付近 に置いた集音マイクの音はカット。代わりに、アナウンサー実況のバックには、事前に球場で録音した観客の ざわめきを流している。また、カメラが観客席を映す時にディズニーのキャラクターなどがアップになるのを 防ぐため、映像を配信する球団関連会社には、「長時間のアップは避けて欲しい」と依頼している。
 JASRACなどは、音楽の新しい著作権保護技術とされる「電子透かし」を開発中だ。 作品番号などのデータを音源に加えると、どこでどの曲が使われたかを追跡し、管理できるようになる。 放送局が音楽の使用をいちいち報告する必要もなくなる。
 だが、実用化されても費用負担の問題があり、流通している音源すべてに導入するには時間がかかると みられる。インターネットによる放送は手探り状態が続きそうだ。

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