続 「生きる〜不良少女風典子の場合〜」
宮田 達夫
昼間はレストランで働き、夜はバーで働くという生活をしていると、結局何も自分の事が出来ないので、パチンコ店なら夕方から働けて昼間他のことができます。落ち着いたら連絡しますと言い残して典子から連絡が途絶えた。
電話をしても呼び出し音は鳴るが出ない。
イーメイルを出したら戻って来た。イーメイルアドレスを変更しているのだ。どうして変更したのか理由は定かでない。
半年ぐらい経ったある日、私たち夫婦は久々に薄暮になる前ぐらいの時間にいつもの店にワインを飲みに訪れた。
この日は、すいている時間帯のはずなのに、何故か店の中はおばさん連れで満席だった。ドリンクバー250円でエスプレッソ、紅茶、ジュースなどが何杯でも飲めるのが、お喋りおばさんにとっては居心地がいい場所なのだろう。
すぐに席が空きそうにもないので店を出ようとしたとき、後ろから聞きなれた声で呼び止められた。振り向くと、典子だ。
「また戻ってきたんです」
「イーメイル出しても戻ってくるよ」
「連絡します」
イーメイルアドレスを変えたことには一言も触れないが、心なしか典子の嬉しそうな顔の化粧が前より薄化粧になっている気がした。しかし、剃りこんだ眉毛の形は変わっていない。
その夜遅くに、早速、典子からのイーメイルが届いた。
「ずっと連絡できなくて
ごめんなさい〈涙〉
ちょっと、いきなり環境が変わったから
慣れるのに大変で、さいきんやっと
落ち着いてきました」
相変わらず変換出来る字もひらがなだった。
「昨日は嬉しかったです!!
またごはんにいきましょう。てんこ」
遅い時間帯に又、典子からイーメイルが届いた。
自分の言い分だけ書いてほかのことは相変わらず触れてない。ただ何故か自分の名前を、典子やのりこと書かずに、〈てんこ〉とあるのが愉快だ。
数分後に更にイーメイルが届いた。
「シフトが出たら連絡しますね。
楽しみにしています」
イーメイルの文面からでは、何で又もとの職場に戻ったのか、レストランでは何時まで働いているのかも不明だし、夜は相変わらずパチンコ店で働いているのか生活の状況は窺えなかった。
「普段は朝から3時ぐらいまでいます。
遅くて6時ぐらいです。
日にちはバラ2なんですよ」
バラバラをバラ2と書くなど典子からの断片的なイーメイルでは、相変わらず生活状況は判らない。イーメイルは断片的に深夜に送られてきた。
「夜のパチ屋さんを13日にやめて
今から次の仕事を探して行こうと
思っています。
ちょっとパチ屋さんとは掛け持ちは
ちょっと体力がもたなくて」
数日して急に典子からイーメイルが来た。
「明日7時過ぎに終わるので7時半ぐらいに
なるかもしれないけど、いいですか?
わがまま言ってごめんなさい。
あたしも楽しみです」
約束の午後7時半に典子は現れた。
服装は茶色の地味なマフラーを首に巻いて、かつてのキンキラキンの面影はなかった。茶髪の髪の毛は黒色に変わっていた。
昼のレストランの仕事から、時給1100円のパチンコ店に勤めることにした典子には思いもかけない難題が待ち受けていたのだ。
典子は、半年間のご無沙汰の挨拶をすることなく、私たちに話し始めた。
「私って学校に行ってないから計算が出来ないでしょう?カウンターの仕事をするには計算するという能力がいるんですよね」
典子はろくに中学も出てないだけに、計算も出来ないらしい。
「いくら教えてもらっても、基礎となる勉強をしてないから、どうすることも出来ないんです」
その上、典子はすぐ友達を作りたがる性格で、店ですでに働いている2歳年上の女性と親しくするようになったらしい。
「私って、すぐに友達を作りたがるんですよね。店に前から働いている女性と親しげにしていたら、店のマネージャーに、君はもっと人を見る目を養わないと生きていけないよと注意されたんです。私、初めは判らなかったんですけど、その女の人は表ではいい事いうけど裏に回るとその人の悪口ばかり言う人だったんですよね。陰で見ていた店のマネージャーから、誰かれなく付き合うのは良くない、典子は人を見る目を養わなくてはいけないと、懇々と説教され、人を見る目はどうしたら養えるのかが判らないんです。そんな事言われると不安な気持ちが先走るんです」
「典子、それは社会での処世術というものだよ」
「処世術って?何ですか?」
「社会の中での生きる方法だよ」
語彙の乏しい典子の頭では理解できない言葉だった。
「典子、前にあげたろう、言葉の辞典を。読んでいる?」
典子はそれには答えはなかった。
カウンターの仕事は計算が出来ないので、ホールの仕事へ変わった典子は掃除や重たいパチンコ玉を運ぶだけで腰を痛め、体力の限界を感じたらしい。
それにもう一つ、人に言えない、言わない理由が典子にはあるのだ。それは耳が不自由だということだ。これに関しては、典子は絶対に人には明かさなかった。それによるペナルテイを極度に恐れたからだ。そのためパチンコ店の中の騒音では典子の耳では客が喋ってくる声がまったくと言っていいほど聞こえないのだ。
入ってすぐに辞めるのは癪に障るので、半年は我慢しようと考えたと典子は話した。
もともと心の中は優しい典子だけに、常に寂しさは心の中に充満しているのだろう。人と話したい、でも生活を考えるとそんな暇はないし、相手もいない。45歳の母親に愛情を求めても、相変わらず仕事もしない継父に目線が向いて身を粉にして尽くしている。暖かい愛が欲しい、が何処でその愛は見つかるのだろう。愛だけ求めていたら生きていけない、稼がなくては生活が、アパート代が払えない。ジレンマの毎日が典子の気持ちを時には不安に、時にはいたたまれなくする。
典子はもともと家庭での愛情とは程遠い生き方をしてきているのだ。祖父に育てられて、でも食事は総菜屋から買ってくる品だった。家庭の味など知るはずがない。母親は勝手に生活していたのだから。温かみのある家庭とはどんなものか知らない。それでいて、典子にはわがまま勝手なことを言ってくるのだ。今、典子が住んでいる家でも、出て他の場所に変わりたいのだが、母親が抽選で当たった市営住宅だけに自分たちは他のところに住んでいて、典子に留守番代わりに住まわせている、勿論、家賃は典子が払わされているのだ。そんな母親でも典子にしてみれば、嫌いな母親ではない。早くから母親に見切りをつけて、年上の男と一緒になるため家を出てしまった妹の代わりに、母親の顔だけは見に行くようにしている、殊勝な心をもっているのが典子だ。
典子が以前に送ってきたイーメイルで、
「ちょっと、いきなり環境が変わったから慣れるのに大変で、さいきんやっと落ち着きました」
という文面は、そんなことを言いたかったのだろう。でも典子は自分でも自覚しているとおり、勉強してないから、自分の今の状態を言葉で上手く表現するという手段がわからない、言いたい書きたい言葉の語彙が不足しているので、結局簡単な言葉でしか表現が出来ない、そこが本人は気がついていない心の葛藤につながるのが現実かもしれない。
典子の心の告白は続く。
「私はさびしがり屋なので友達が欲しいのです」と。
マネージャーに人を見る目を養えといわれても、どうしたら良いのかわからない、処世術といわれても意味がわからない、聞く人もいない、一人で生きるためにだけ、ウェイトレスやバーで働いてきた20歳の女の子には、解決するその術がないのだ。典子にとっては、生きるということが先決だから、今の自分を使ってくれるところを見つけないと、アパートの家賃も払えない。20歳の典子の頭の中は常に不安で渦巻いていた。その為、時にはパニックに陥る自分が情けないが、どうしようもないのだ。14歳で子供を堕胎した典子は、男はもうこりごりですと話していたが、実は今、男といるんですと、さりげなく口にした。
「男はもうこりごりではなかったの?」
典子はその問いには無言だった。
「子供堕胎した時の彼?」
「その彼とは違うんです。同時期にもう一人彼がいたんですが、私がその彼に冷たくしていた人なんです」
「幾つなの?」
「28歳です。いのししです。彼は子供おろしたことも総てを知ってて、私が何も出来ないこともわかったうえで、そんな自分で良いというので」
典子の言葉には悪気も何もなく、喋っていた。
「仕事は何をしているの?」
「彼はマージャン店で働いているのです。客の面子がそろわない時、客とマージャンをして、いくらまでは負けても店でもってくれるが、それ以上は負債になる?でも5万円はくれるんです」と、そのあたりの状況説明は典子自体がよく理解していない口ぶりだった。
「夜パチンコ店で働いて、昼間は勉強したいと思います。今まで何も出来ていなかったので、何か身につけなくちゃと思うんです」
あの時の典子は、不良少女風から少女へ再生?生き返ろうという感じが受け取れた。しかし、十代から生きなくちゃいけないというだけで、社会の荒波の中だけで生き続けてきた典子にとって、孤独は最大の敵であったかもしれない。世の中で出会う人は運悪く、皆良い人ばかりではなかった。常に裏切られる社会の中で、耐えて耐えてかろうじて持ちこたえてきた気持ちの線が、金属疲労を始めていたのかもしれない。そこに昔、自分が冷たくあしらっていた男が現れて今の典子を見て、君の総てを知った上で典子といたいといわれたら、その言葉はひょっとしたら、柔らかな羽根布団に感じたかもしれない。虐げられてきた不良少女風にとっては、そこに落ち着くのが、不良少女にならずに不良少女風で留まることが出来ると思ったのかもしれない。
男はもうこりごりですと話した典子だが、矢張り男の存在は必要だったのだ。が、典子の心の中に一抹の不安はある。
半年振りに、典子と食事をしながら近況を聞いて家に帰ると、典子からイーメイルが来ていた。
「今日はありがとう
ございました!!
前みたいに
もうご飯は
いけなくなると
思うんですけど
今まで
楽しかったです
ありがとう
ございます」
唐突な自分勝手な言い分だけ送信してきた。が、何かこれでさようならを言っているみたいにも取れる文面だった。そうか、彼との生活が始まったからなのか。彼に遠慮して、彼に尽くそうと考えているのか?
年が明けて、「おめでとう、時間が出来たらいつでも食事をしよう」とイーメイルを出した。
なんとなく、典子に何かの切っ掛けを、シグナルを送る必要があるのではと、思ったからだ。
案の定、意外に返事は早かった。
「あけましておめでとうございます。
連絡おそくなって申し訳ないです。
ご飯なんですけど明日はもう予定入っちゃってますか?」
もうご飯食べにいけませんという、以前のイーメイルの文面に関しては何の説明も無いままの返信だった。
突然の要望に私たち夫婦は急遽予定を変更して典子と食事をすることにした。約束の場所に現れた典子は黒いコートを着て黒いバックを持ち、髪の色は黒で、剃りこんでいた眉毛も黒色に変わっていたので、一瞬誰か判らなかった。
レストランに入り、席に座るや否や、典子は喋り始めた。
「私って、もうご飯一緒に食べれないと、誘ってもらえないと思っていたんです。なにか、私って物凄く人を疑ってしまうので、肉親でもない孫でもない私になんで親切にしてくれるのか、なにか突然人を信じられなくなったりするのです。でも考えた末、ろくに勉強もしてない私にいろいろと教えてくれたり、手紙も書こうと思ってもどう書いていいのか判らない。時々パニックになるんです。自分が自分を嫌になって。それで以前に私に下さった辞典とか、そうそう今、私、小説を読んでいるんです。矢張りいろいろと勉強しないといけないなあと、今度手紙書きます」
典子の話は唐突で、話す内容は断片的だった。典子はよく自問自答してマイナス思考に陥る場合が多い。以前に、「なんでこんな私に親切にしてくれるんですか」と私たちに聞いてきたことがある。そこで自問自答して、きっと、人なんて信用できるものではないという考えが心の中に渦巻いたのだろう。それが「もう今までみたいに食事が出来ない」という言葉になったのかもしれない。でも、更に考えてみたら、それは自分の身勝手な考えであったことに気がついて、でも自分から、もう食事は出来ないと言ってしまったので、後悔の念に陥っていたのかもしれない。とにかく常に私たちの話を理解したかと思うと、そうでなかったりで、成長するのに一人で渦の中をもがきながら浮かび上がってくるようなものを典子からは感じさせられた。
「典子、以前の典子のあの赤い髪の毛、金色の飾り物を沢山ぶら下げていたあのファッションはもうしないの?」と聞くと、典子は笑って「あれは十代の姿です」とけろっとして言った。
「彼とはどうなったの?クリスマスには何か貰ったの?」
典子はその質問を待っていたのかのように喋り始めた。
「それが何も無いんです。変でしょう?実は彼の実家にお正月行ったんです。兄弟が物凄く多くて皆結婚してるんですよね、それでその兄弟が子供たちに高価な品物を買っているんです。私にも彼のお兄さんが、今人気のゲーム機を子供たちに買ってやれと言うんです。変ではないですか?これから結婚式も自分たちでしなければいけないのに、その為にはお金も貯めないといけないでしょう。彼とはテレビなんかの話は合うんですが、彼のことを聞くと怒るんです。それでいて私のことは何でも聞いてくる、おかしいと思いませんか?そうそう、そう言えば彼はお母さんが早く死んでいないんです」
「典子、それで結婚するの?それより典子の彼は、典子のことを自分の母親と思っているんじゃない?今の若い男の子は皆〈女性〉と結婚するのではなく、結婚する女の人は母親だと思って結婚するらしいよ」
「はあーん、それで判りました。自分の母親に聞いても判らないしで」
「だって君の義理のお父さんも典子のお母さんを、自分の母親と思っているんだと思うよ。その母親に聞いても判らないよ」
典子は一人合点がいった顔をした。
「変な話だけど彼は余りセックスなんか求めてこないだろう?」
これに対しては典子は更に合点がいった顔をした。
「それで彼とはどうするの?」
「彼とは最初に会ったとき、この人と結婚すると思ったのです。フィーリングも合うしで、でも少し考えてみます」
「そういえば今勤めているお店、最近客足が落ちたんじゃない?」
「そうなんです、お客さんが減って、90時間働くことになっているんですが60時間ぐらいにされたり、無理やり休まされたりで。こっちも生活があるんで無理やり一度やめた店に戻らせてもらったんですけど、で普通のお店に勤めようと思って、ブティックのお店に応募したんです。高卒で無いといけないというんですが、いろいろと話していたら面接に来て欲しいと言われたんです。下手したら今のお店つぶれるかも知れないし」
「そうか、じゃ、とにかく面接の時は相手の顔を見てお話しするんだね。目をそらしてはいけないよ。なるべく相手にたくさん質問してもらうように、自分からべらべら喋らない方がいいよ」
「はい、有難うございます。人見知りするんで、なかなか今みたいに誰とでもお喋りできるんではないので、やってみます」
典子の為に面接にあたっての注意を紙に書いて渡した。
親がいてもいないと同じ境遇の典子は酸素の少ない金魚鉢の中で、空気のあるところを懸命に探り、もがいている生き方をしてるなと思った。でも典子には何処に安泰を求められる酸素があるかはいまだ見つけられない。14歳で子供をおろして、もう金輪際男はいらない、でも子供は欲しいという、なんとない母性本能を持つ典子には、生まれてから一度も味わったことのない家族のぬくもり・ホームの温かさを心の何処かで求めているのだろう。そして、男なんていらないと言いつつ、今自分がフィーリングが合うという男と生活を共にしている。その矛盾はなんだろうと典子は考えたことは無い。ブランコのように典子の生活は同じところを行ったり来たりしているように見える。矢張り坩堝の中にはまりこんでしまったのだろうか?これで新しい職場が見出せなかったら、典子の生活は堂々巡りの生活となる。
面接の結果はどうだったのか、イーメイルで聞いた。
典子からのイーメイルの返信は次の文章だった。
「1週間考える時間を下さいと言われました。ドキドキ」
典子とはこのイーメイルを最後に再び音信が途絶えた。私たち夫婦は何とかして、社会の中であがきながら生きていこうとする典子の生き方に少しでも助けられればと思い接してきたのだ。時には理解するものの、時には突然自分で闇にの中に落ち込んでいく姿を見ていると、どうにかしなくてはと。でも典子がそれを理解してくれなければ何もならない。折角いい方向へ来てくれるかなと思うと途端に気持ちが変化して違う流れに入ってしまう。社会の中では、何事も高卒以上だ。中卒は列外扱いだ。典子のように心の中にまだ暖かさを持っている間に、それなりの職場に収まることが一番なのだが。
典子とはもうおしまいかと思うと、また私たちに擦り寄ってくる。擦り寄りながら、心の中には相変わらず疑心難儀がうろうろしている。たった一人で十代から生きてきた典子に、如何にして誠意というものを判らせることが出来るだろうか、私たちとってはまさにハムレットの心境といえるだろう。ただひたすら、典子に願うことは温かなホームを手に入れて欲しい事だ。
イーメイルで面接の結果を問い合わせても返信はない。
私たち夫婦は映画を見た後、ひょっとしたら典子が例の店で働いているのではないかと思い、店のドアを開けた。
店内に入ると、そこに典子がいた。イーメイルの返事をしてないので、なんとなく罰の悪そうな顔をして私達夫婦を迎え入れた。注文を取りに来た典子に「どうだったの?」と聞くと、「決まりました」という答えが返ってきた。
「典子、又、化粧が変わったね、そのほうが良いよ」
典子はいつものように一瞬テレ顔をしながら、「友達が私に合う化粧を考えてくれたんです」と答えた。目の下に入っていた黒い線も見当たらない。普通の女の子という感じを受けた。
新しい職場は大きなショッピングモールの中にあるブティックの店で、健康保険もあり勤務時間は三つのローテーションになっているという。第二次の面接で「貴方はやる気がありますか」と聞かれたと言う。「勿論あります」と答えて決まりだったそうだ。給料も今までのアルバイトとは格段の違いだと強調して言うが金額は言わなかった。
「家のほうもあれからいろいろとあったんです」と例の調子でぽつんと呟いた。
「彼とは別れたの?」
「いいえ、まだ、母親と相談しているんです」
「で、この店は?」
「明日でやめます。又、手紙に書きます」
21歳になった典子の顔は、初めて会った時の19歳の顔とは、すっかり変わっていた。あの不良少女風の雰囲気がすっかり消え去っていた。安定した職場が見つかり、健康保険もあり人間的な生活が出来る場にようやくたどり着いたのだ。不安はまだ山ほどあるだろうが、安定というホームには少し近づいた。不良少女風典子から生きる典子に脱出できそうだ。
典子からの手紙が楽しみだ。今度は本当に手紙が来るだろう。
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