今、ヨーロッパは 2011年


久々にパリを訪れて驚いた事がいくつかあった事をお知らせしよう。

美術ファンならではなくても誰でも自由に写真が撮影できる「オルセー美術館」
「オランジュリー美術館」で一切撮影は禁止された事だ。何でだ?
美術館の中で様子を見ていたら、撮影可能なコーナーでは日本のギャルが
携帯電話のカメラでキューンという音をたてて撮影している。

それも、やみくもに絵など見ている風情はなく、意味なくただ撮っているという感じを受けた。
うるさい、実にうるさい、その音が。これでは周辺から文句が出てもしかたがない。
なのに、日本のギャル、監視の人に静止されるのにキャメラ、キャメラとしつっこくせがんでいた。
この手の日本のギャルは芸術というものを知っているのだろうか?
その傍で幼稚園児が先生から一つの絵について細かく説明を受けていた。
教育とは恐ろしいものだと感じた。

日本の馬鹿ギャル共、君達の国ではないのだ。芸術の国フランスだ。礼儀をわきまえろ!

ヒルトンホテルが誇る、HIlton Arc de Triompheに宿泊。
さてインターネットをとみるとADSLがない。何でだ?
今時、日本のホテルでも使い放題、せいぜい1000円取るかだ。
この大ホテルにADSLが設備されていない。
i BAHNというインターネット会社にいちいち申し込んで、30分5ユーロ、60分8.5ユーロ、
24時間21.99ユーロを払わなくては使えないのだ。
何たるホテルかと言いたい。

理由は、その後に泊まったモンパルナスのアパートホテルCitadinesでは
ちゃんとADSLが室内に設備されており、使用料は取らないからだ。

ヒルトンホテルでチェックアウトの時、満足でしたかと女性が聞くので、
頭を少し傾げたら不思議そうな顔をした。

最近聞くところによると、ヨーロッパでは、アパートホテルやコンドホテルが増えてきて
ホテルの場所も便利なところにあり、使いやすいので、
今までのホテルというドンと構えたホテルは敬遠されがちらしい?

これからのホテルの姿としては、好きなように泊まり自分で時には料理をして
時には近くのレストランへという姿に変化していくだろう。
コンドホテルが増えているのはその現われではないだろうか?

かつてのヒルトンホテルはエッフェル塔のすぐ近くで、周辺にはカフェはじめ
沢山のお店が点在しており便利な場所であった。
現在のヒルトンはシャンゼリゼ通りから15分ぐらいの場所で近くに日本国大使館がある。
ホテルの周辺は何もない、不便。

サービスも宿泊の翌日コーヒーカップもグラスも新しくなっておらず、
バーでワインを飲んでもいい加減なものを平気で出すので、
現地の友人がフランス語できつく支配人あてに文書を書いて渡したら
態度がころっと変わったのはいやらしい。

オペラ座の正面左側にアメックスカードのサービスセンターがある。
アメックスのTCは現金に換えるとき、世界何処のアメックスのサービスセンターでも
手数料が取られないので換金はここが一番と考えていた。

今回、換金をと言うと、手数料が2.6%だと言う。
勿論、今では現金をその国の通貨に換えるときでも、
世界中どこのアメックスセンターでも手数料をとらなかったが、今は手数料を取られる時代だ。

以前と同じようにミュージアムパスとか空港へ行くバスの切符は販売しているが、
世界的に不況のせいかドルからのチェンジはかなり低いし、勿論手数料も取られた。
世界の不況が、こうしたカード会社の顧客へのサービスへまで影響してきているのだ。

食に関する専門家に聞いた話だが、最近のパリでは労働時間が週35時間と短くなり、
その関係で人を雇うと更に人件費がかさむ関係で、
食材に関しては自分の所で調理するという事は少ないらしい。
つまり食材を購入、それを使う、そうだ。

現実に、あるレストランで食べたサラダの中にビーツの漬物が入っていたが、
その日の朝、その店の近くのスーパーマーケットで購入したビーツと同じ大きさだった。
ターターステーキにしても大半が出来ているものを使っているという話を聞く。
そうした話はフランスのテレビドキュメンタリー番組で紹介されたそうだ。

懇切丁寧に食材を調理するパリのレストランは存在しなくなってきているらしい?

そういえば、パリで日本料理店として箸のマークももらい、ミッシェランの星ももらったという
かの有名な鉄板焼きの「あい田」を初めて訪れた。
予約しないと入れないほど狭い店と共に有名だし、値段の高さも有名で
おまかせ料理で一人160ユーロと210ユーロだ。
料理は小さく切った魚を鉄板で焼いたものとか、肉とか、とにかく総て鉄板での料理。

かつてあい田は日本のテレビが取材して放送したのをチラッと見た記憶があるので、
ワインを飲みながら、神戸に一夜一干と言って、自分で炭火のコンロで
魚を焼かせて食べられるご婦人好みの店とか?
名古屋にある鉄板で上手に珍味を作り出す店など思い出して何か味気ないものを感じさせられた。
間違いなく食材は目の前で調理されたものなのだが。
次第に何を食べたか忘却の彼方に。

何事もテレビなどあてにせずに高い授業料を払ってこそ意義があることを実感した。

この「あい田」、便所に行って驚いた。
男便所の設備が通常の座ってする形式でなく、立ちしょんの便器だけには、えっ!何?
帰りにコートと共に預けた品物を、当方も酩酊していたが、
店の人が渡してくれなかったので再度取りにいく羽目に。
日本人の店なら、その辺りまで気を使って欲しい気がした。

食の大切さは、最後まで客を満足させる事だ。
参考までに、「あい田」に支払った値段はブルゴーニュ2本含めて794ユーロ也。
食に対しての執念は怖い!

最近は日本の食材が空港でストップされ、なかなか入荷しないらしい。
これも福島の原発の影響だそうだ。
そのため日本の和食店は食材確保に大変だと聞いた。

パリに行くたびに訪れる、家族で経営しているビストロのLe P'tit Troquetは
マダムが暖かく迎えてくれるので嬉しい。
前菜にしても、メイン料理にしても、ワインも美味なのが安く飲めるのが幸せだ。
28 rue de L’Expositionにある。エッフェルの近くだ。
ご主人がシェフ、マダムがサーバー、娘2名もだ。

リドをのぞくと食事つきの団体客はみな中国の人ばかりだ。
インド系が増えた気がした。
ショウ自体は以前より質が低下?タレントの技量が不足?見せ方に進歩がない。
何かパリの魅力が半減していくような雰囲気を感じた。
ヨーロッパの魅力?パリの魅力はなんだったんだろう?

シャンゼリゼにあるアルザス料理を食べさせる店、アルザスはここもメニューが変わっていた。
今やここの名物?シュークレートも影が薄い?
そんなことより、シュークレートの食材があっちこっちから集められたものが
皿に並んでいるかもと考えると、名物も名物でなくなる。

その昔は、エッフェル塔付近はジプシーがうろうろしていて危険だったが、
今回行くと、観光バスが着いて団体客が降りる場所も中東系の物売りが全くいなく、
その代わりに警官と、自動小銃を持った赤いベレー帽をかぶった兵士が
ひっきりなしに巡回しており安心の場所に。
現地の人に聞くと地下鉄の1号線とバス停の所に男女が3人ぐらいいてスリをするそうだ。

やっぱりテロには相当に気を使っているのが感じられる。

クリスマス前の為か、街中の店は大セールだが飛ぶように売れてる感じはない。
そういえば、旅行案内書に良く出ているパサージュへ。
日本で言えば商店街だろうが、これまたシャッター通りの様相で、真に寂しい。
パサージュのヴィヴィアンヌから抜けるとPassage Verdeauに、
ここにGalerie Virguinaという細工物の店がありここでてんとう虫のブローチを見つけた。
てんとう虫は幸運のしるし、値切ると5ユーロ負けてくれた。
フランス語でてんとう虫はコクシネール。

時期がヌーボーの季節で、パリで初めてボージョレー・ヌーボー2ユーロのを
スーパーで購入、飲んだ。
日本で飲むのとは大違いの味だ。美味!
聞くところ今年のヌーボは出来がいいらしい。
2ユーロ、3ユーロ、5ユーロなどあり、見ていると2ユーロあたりが売れ行きがいいみたいだ。
これが日本で買うと3000円余り?
コルクを見ると小さな穴が開いている。
ここから防腐剤を入れるそうだ。強力なのは穴が2つ開いていると言う。

ふと夜に入ったカフェ。カウンターの中はおばさんが2人。
キールを注文、飲むと物凄く美味しい。
家のは特別、という顔だ。
プロヴァンスワインのロゼとPomplemousで作るのと教えてくれた。

どうしてもポルチーニのリゾットを作るのに必要なイタリアのSTARというスープの素を探したら
7区の22 Rue Jean Nicot のLa Maison Italienneという店に置いてあった。
イタリアの惣菜の店だ。このあたりは安く美味しいイタリア料理の店が多い。

因みにイタリア総菜屋の主人から教わった店、名前がI PUPi。
場所は総菜屋から一筋違うRue Malarだ。
入り口が狭く入ると奥が広い。ピッツア4種類のが美味。ワインは白のFrascatiがいい。

この周辺は洒落た洋品店が多くあり、細かく見て歩くといいものが見つかる。

今回意外だったのは、昼食でも夕食でもラーメン屋とうどん屋が繁盛しているのには驚いた。
客は日本人以外だからだ。フランス人にはラーメンは量があるのでいいらしいのと、
味の濃いのが合うらしい。

思い出して大昔華やかな店、ル クープルへ。
驚いたのは店は時間が早いためか、がらんとしていたが
やがて日本人の美容学校の生徒の団体が入店。
入り口の席に詰め込まれて食をしている姿を見て幻滅を感じて早々に退散した。
その昔ここで食べさせていた名物料理、豚の耳・鼻もメニューから姿を消していた。
フランス経済の衰退がいたるところに感じられる。

今回初めて大韓航空で関空からインチョン(仁川)へ、ここからパリへ。
機種はB747-400ビジネス席は2階にもあるが満席近かった。
関空〜インチョン間は食事はまずいが、インチョンからパリの間は名物ビビンバが出て、
食に関しては一番だ。
帰りはコードシェア便で大韓航空、日本航空、エールフランスで機種はAFのA300新型機。
303人乗り、ワインの種類も充分、乗客も満席。インチョンから関空に向かう人は少なかった。
韓国が誇るハブ空港から日本以外に飛び立たれるのは寂しいが
インチョン空港のでっかさには驚きの一言だ。

日本人で韓国経由でパリから帰る人はそうないだろうが、中にはパリでワインなど購入して
インチョンの乗り継ぎ検査場で検査に引っかかる人もいるらしい。
このような人はかなりのアホで、パリでワインを購入の時、販売員がジャパンかと聞く。
聞かれなければ韓国経由でと言えば、特別に韓国で検査免除の袋に入れてくれる。
これは何も日本だけでなく、経由地経て目的地の場合どこの空港でも同じ事だ。

関空の場合はどうもそんなことはしてない様子だ。

シャンゼリゼ通りの白銀のライトも今年は道の下のほうに地球儀みたいなものをつくり、
そこをLEDライトで照明、ということらしい。節電か?

今やパリも花の華のパリではなくなってきているようだ。オボワール


書き忘れ!

先月、法律でテレビの番組の音とコマーシャルの音が今まで音量が違い、
コマーシャルになると大きくなりうるさいと悪評だったのが、
音量が同じになり、聞いていて大変抵抗もなく、
気持ちよくテレビが見れるようになったのがパリのテレビです。
日本のテレビも同じ事をして欲しい。

パリで美味しいチョコレートは何処の店?と聞いたら、
サントノーレ通りにある茶色と黄色の色をした店MICHEL CLUIZELを教えてくれた。
チョコの味は濃くて満足。お気に召せば店に入り、このチョコ一つ欲しいというと、袋に入れてくれる。
袋がおしゃれなので、お土産には最適かも。

そうそう、パリでは店総てが禁煙なので、客といわず、従業員といわず、シェフといわず
煙草吸いの人間は、絶え間なく店から外へでて、煙草を吸うのが忙しいのが、今のパリの風景だ。
ビルの前の歩道は、煙草吸いの男女で群れを成している。
勿論くわえ煙草で歩いていく人は絶え間ない。

シャンゼリゼ通りのルイヴィトンの店の前を夜通ると店の入り口に長い列が出来ていた。
中国人観光客の店内に入るのを待つ行列だった。
かつての日本人を思い出した。

サンジェルマン・デ・プレのレストランも客の姿は夜なのにほとんどいなかった。
パリの魅力が次第に遠ざかるのは年のせいだろうか?

2011年11月末



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