劇団四季公演「コーラスライン」

                     ちゅー太の劇評


コーラスラインの初演は1979年9月24日、日生劇場だった。

この時の顔ぶれは
ザック・浜畑、ラリー・古澤,ダン・園岡、グレッグ・高桑、リチー・深見、ポール・市村、キャシー・羽永
シーラ・前田美波里、デイアナ・久野、ヴァル・服部良子、コニー・加奈<元宝塚>
ジュデイ・室町<元宝塚>クリステイン・北原千琴<元宝塚>トリシア・望月

舞台を観終わったとき、ブロードウエイにはこんな世界があるんだと、舞台の新鮮さに感激した。

次にコーラスラインを見たのは大阪の近鉄劇場で1987年6月11日初日の日だった。
キャッツ公演が終わり、加藤敬二さんが初めてマイクの役に挑んだ。
この時、加藤啓二さんはテレビのワイドニュースMBSナウのインタビューに、自分もマイクと同じように
姉がバレーを習っていたので練習についていたと話していた。

この時は、ザック・飯野、ラリー・古澤、ダン・桝川譲治、マイク・加藤敬二、グレッグ・下村
ボビー・荒川、リチー・深見、ポール・市村、コニー・青山、ジュデイ・八重沢、シーラ・鎌田
ジュデイ・桑原美樹、ヴァル・山田千春<元宝塚>デイアナ・桑原、キャシー・羽永、トリシア・高谷他だ。

そして28年後に自由劇場での今の人たちの演じるコーラスラインを見た。
今の時代を考えると、まさに舞台で演じている若い役者さんたちが、自分たちの居間の姿をそのまま演じている
と言える作品になっている。

中で歌われている「ワン」と言う歌、これは正に自分たちコーラスラインがいつかは頂点をつかみ
コーラスラインを従いさせた気持ち?そして、「愛した日々に悔いはない」の歌では好きだからこそ、
この道を選んだのでむくわれなくても、好きだからこそ命を燃やしたとあるが、まさに、舞台で此れを演じてる
役者総てが此の心で演じなくてはいけない。台詞を喋り観客に、自分の心の中を切実に伝えないといけない
野が、此のコーラスラインなのだ。

原題の若者は、現代風に今の気持を演じていくかなと言う期待感を持ち観劇した。
荒川務が演じるザックにリーダーシップを取る力強さ、演出家としてのパワーが不足していると
更に台詞が何となく半音ずれたトーンで喋るので、其れの流れか、他の役者の台詞のリズムが
何となく抵抗を感じた。

更に、どうしても近鉄劇場公演の素晴らしさが脳裏に焼き付いていて、つい、比較してしまうが
各役を演じる人たちは、自分の思い、心の中でそう思って居るという気持ちを持って台詞を
喋らないと、単なる台詞の垂れ流しにきこえてくるのだ。
いつも言うセリフを解読覚えて云うのではなく、セリフを解読して自分の気持に置きかえて
言ってほしいんだ。

見ていて皆が、自分を見せようという姿があからさまに感じられた。
芸をするより先に、自分を見せてしまう、これでは芝居にならないのだ。

それは、役を読解してないで、恰好で見えようと皆がしているからだ。
特に言えるのは、最近の若い人たちは皆、姿かたちが似ているので、皆同じに見えてしまう。
個性が浮き彫りに出てこないのだ。

一つには、ザックの引っ張る力が弱い事もある。
シーラーにしてもキャシーにしても、若すぎて、老獪さの女の感じが出てこないのだ。
皆イマージネイションが不足しているのではないだろうか?

マイクにしても形だけで演じるので、かって加藤敬二演じるマイクは其の場面になれば
その生活感が伝わってきたものだ。

ダンスは、それなりの若い人たちだけに伝わるものもあるが、チームワークで舞台裏での
ごちゃごちゃした雰囲気をもう少し作り出してほしいね。

それぞれが、身の上話をするに当たり一人が終わると次と言う所で空気が途切れてしまう
此れは余韻を持たせて台詞を渡すという大切さを勉強してほしい。

今回みていて、リチー役の深堀拓也がいい踊りとメリハリ聞いた芝居をしていたので
目についた、こんな人がウエストサイドにもあうなあと。
ダン演じた中村 巌もセリフがしっかりしていて自分の位置を理解して演じたように感じた。
グレッグの塚田拓也もリズムと雰囲気を壊さずに演じていた。
ポール役はもっと自分の人生を色濃く客に伝えないと、彼の悲しい中の救いが伝わらない。
最も占めるべきところの役どころだけに、起承転結の転と結のはざまの役だ。

残念なのは、デイアナが歌う、くやまないの歌だ。声の出ももう一つだが、皆の心を理解して
皆の心を伝える起承転結の結なのだ。
気になるのは、くやまないの歌のとき、座っている人たちが妙なリアクションをする人がいて
気になった。
この場面は、此処個人が一人思いにふける場所ではないだろうか?悔やまない歌を聞いて居て。

別件で、ラ・マンチャもそうだが、コーラスラインも2時間25分トイレ休憩なしは、65歳以上が
25%超えた今途中で立つわけにはいかないしとふと感じた。

観劇 2015年10月1日 自由劇場 13時30分公演 1階6列13番  <ちゅー太>

この日の出演者
 ザック・荒川務 ラリー・政所和行 ダン・中村 巌 マギー・西田ゆりあ マイク・高橋伊久磨

コニー・高野唯 グレッグ・塚田拓也 キャシー・井上佳奈 シーラ・恒川 愛 ボビー・竹内一樹

ビビ・大橋美絵 ジュデイ・川井美奈子 リーチ・深堀拓也 アル・川口雄二 クリステイン・引木 愛

 ヴァル・三平果歩 マーク・大村真佑 ポール・斉藤洋一郎 デイアナ・町真理子 

フランク・塚田健人 ロイ・カイサー タテイクトム・田邊祐真 プッチ・松下湧貴 

ビッキー・柴本優澄美 ロイS・梅澤紗耶 トリシア・中村綾乃




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