劇団四季公演「美女と野獣」


京都劇場で劇団四季の公演、デイズニーのミュージカル「美女と野獣」を見た。
私には特に思い出の深い作品だ。
1993年ごろに劇団四季の浅利慶太氏から既に閉館となっていた大阪堂島の
毎日ホールを使いたいと秘かに話が来た。当時はこの一帯は堂島再開発事業が
始まり事業の計画図はまだ未完だった。話を進行し始めたら、デイズニーとの
交渉が進行しなくなった様子に、浅利氏はとにかく何をしてでもホールの確保を
とそれだけを言い続けてきた。ブラフで相手とこちらは交渉するわけだ。

当時は毎日放送は劇団四季と組んで公演をしていただけに、社内の人間にも
いえない状況だった。
劇団四季のデイズニーとの交渉役は高橋知伽江さんだったと思う。
粘り強い交渉で美女と野獣の公演が
大阪東京の同時公演という事で決まった。

そして秘かに締め切った毎日ホールの内部を劇団四季の幹部と二人で
誰にもわからないように懐中電灯の明かりで内部を点検、さすが劇場だけに
テント劇場でしてきた後だけに、二人で感激した記憶がある。

幸い再開発事業が、まだ未定のままであったので、持ち主からホールを
毎日放送が借用して改装費を出して劇団四季の公演が出来る様に
しつらえたのだった。

そして舞台稽古を重ね、美女と野獣は1995年12月に旧毎日ホールは
MBS劇場と言う名の劇場名で初日を迎えた。

関係者一同タキシード姿で招待客を迎えた。招待客の中には指揮者の
朝比奈隆さんの姿もあった。

それから空白があり、2016年11月13日、MBS劇場以来
京都劇場で見た美女と野獣は
遠いい昔の苦労した物語と重なりながら舞台を見つめた。

この日の野獣役は、佐野正幸さんで、ベルは新人の井上希美さん。
佐野さんの舞台は其の昔から沢山見て来たが、当時はあまり役に恵まれずに
いた印象があり、惜しい役者だと思って居たが、今回は野獣の細かい心理描写
動き、を見事に演じて長い間の苦労している間に積み重ねた、芝居の演じ方が
しかも従来のこれが劇団四季の芝居の仕方という雰囲気を見事に舞台の上に
漂わせていたのは見事と言いたい。

風貌雰囲気的に先日亡くなった平幹二朗さんと何となく似ていると感じさせたのも
何となく、ハムレットもストレート芝居も安心して出来る人だと感じた。

正直、彼の舞台を見たのは何十年ぶりだが、その間にこれだけ成長したのには
驚いた。

ベルの井上さんは、素直に演じながら佐野さんのビーストに上手くリードされて
佐野さんの芝居の雰囲気の中で演じていたのが結果善しとなったのではないだそうか。

佐野さんの芝居は今の芝居を今演じていく、そこがいい所で、人によると,、さきさきを
演じてしまう人がいる。

目についたのは,ルミエール演じた丹下博善さん、舞台の空気を嫌みなく
自分のリズムで演じて動かしていたのが良かった。

想いだすのはモーリスを日下武史さんが今は亡き井関 一さんが
MBS劇場で演じたのが想いだされた。

いずれにしても人間の愛の大切さ、美しさ、心の失ってはいけないという
物語が詰まったこの舞台は、観劇後久々に、清々しい気持ちになれた。

劇団四季も新しい役者が佐野さんの持つ昔からの劇団四季の味わいを
見習いつつ、育っているので安心した。

観劇 2016年11月13日 京都劇場 13時公演 1階 H列22番 <ちゅー太>










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