ノーチラスと黄金分割
B&W社のフラッグシップモデルの「ノーチラス」とはオウムガイのことである。この名前は、言うまでもなく低音用の丸められた減衰器の形からとられたものだ。このスピーカーのカーブがオウムガイと同じであるかどうかは別として、オウムガイの渦巻きは非常に美しい形をしている。カルダスというオーディオ・ケーブルメーカーをご存じだろうか。このメーカーは、ケーブルの線径を黄金分割比にしたがって変えることにより、より自然な響きを得ることができるという考えによって製品を作っている。このカルダスのトレードマークがオウムガイなのである。
オウムガイと黄金分割は何か関係があるのだろうか。そもそも黄金分割とは何か。線分AB上に1点PをとってAP・AB=PB2となるように分けることを黄金分割といい、このときの比AP:PBを分割比という。古代ギリシャでは縦横の長さがこの比をなす長方形がもっとも形が良いとされたので、このように呼ばれてきた。
黄金比は1:(√5−1)/2≒0.618である。黄金分割は最も調和のある美しい分割法として、この比は優れた美術作品や建築にしばしば意識的、もしくは無意識的に採用されている。
黄金比1:0.618の長方形を書き、さらにその長方形の短辺を長辺とする黄金比の長方形を書き、これを繰り返していく。そして、それを曲線で結んでいくと左図のような渦巻きができあがる。この渦巻きの形がオウムガイによく似ているというのである。さらに、この渦巻きはヒマワリなどの種子の配列にも見ることができる。
このように、自然界には非常に調和の取れた美しい形が随所に見られる。これはただの偶然によるのであろうか。むしろ、偉大な設計者による設計の賜物と言っていいかもしれない。