研究室
研究議題1「『北斗の拳』の提唱する、西暦199X年とは!?」
記念すべき第一回講義は、書物「北斗の拳」についての考察です。
「北斗の拳」と言えば20世紀後半、一代センセーションを巻き起こした歴史書として、一般にも多く愛読されている名書です。
さて、この書物の中で武論尊教授が以下のような理論を提唱しているのは皆さんもご存じでしょう。
「西暦199X年! 世界は核の炎に包まれた!! だが、人類は死滅していなかった!!」
そう。中学入試に出る程度の有名な理論です。ですが、近年になってこの理論が学会で疑問視されているのは、皆さん程の研究者なら
耳にした事があるはずです。
そう。言うまでもない事ですが、論争点は「西暦199X年」の部分です。
反対派は勿論、「1999年になっても核戦争なんて無かったじゃん。」という概念実在論を強硬に主張しました。
一方、私を含む賛成派は「世紀末救世主伝説だから2000年まで有効にょ。」という起死回生の理論を展開し、決着を2000年末
まで先送りする事に力を注いで来たのです。
ですが、今は2001年。賛成派は新たな、そして可能な限り決定的な理論展開を余儀なくされました。
ここで、去る1月5日に私が学会で発表した理論を皆さんに解説したいと思います。
学説1 「199X年の「X」には2ケタ隠れている。」
TV版におけるナレーションを思い出して頂きたい。
ナレーションの千葉繁氏は「いち きゅう きゅう えっくす ねん」と言っているのである。
真に199X年が90年代であるのなら、「せん きゅうひゃく きゅうじゅう えっくす ねん」と言うであろう。
つまり、あの「X」が必ずしも1桁の数字である確証は、まったくもって存在しないのである。
故に、私はここに「Xは2ケタの数値である」という説を提唱したい。
仮に数字を指定してみよう。立証のため、ここでは最小数値「00」としてみるものとする。
これの場合「199X」は「19900」となり、世界が核の炎に包まれるのは西暦19900年という事になる。
1999年や2000年に何も起こらないのは当然であろう。
学説2 「199X年の「X」には「万」が隠れている。」
これはかなり思い切った仮定であるとは思うが、前述の発展理論である。
前述の理論では「Xは2ケタ」としたが、この理論では「Xは文字変数、またはレジストリ」と解釈する。
この仮定が成立するのなら、武論尊理論の立証は容易である。世界が核の炎に包まれるのは西暦199万年という事になるのだから、
1999年や2000年に何も起こらないのは当然であろう。
私の助手の中には「億」説を主張する者もいたが、その時代は既に地球自体がヤバそうなので、これは参考意見とするものである。
学説3 「『199X』は34進数である。」
Xが文字変数という意見には首肯しかねる方もいると思われる。
特に文字変数であるのなら・・・仮にBasicであれば正しい書式は
”199”;X$
でなければならない。「西暦”199”;X$年! 世界は核の炎に包まれた!! だが、人類は死滅していなかった!!」という
原文であれば、この説は確実に正当性を主張できたことだろう。
では、ここで最も信憑性の高い最後の学説を提示したいと考える。
実は、「『199X』は34進数」なのである。
念のため解説しておくと、34進数とは「1、2、3・・・8、9、A、B、C・・・V、W、X、10・・・」という風に、34で
2ケタに繰り上がる進法の事である。コンピュータが常に16進数を2進数に変換して処理している事はご存じだろう。
そう、未来ではコンピータの高性能化と生活密着により、34進数が基本概念になるのである。
それでは、これにより立証してみよう。34進数なら、世界が核の炎に包まれるのは西暦50047年という事になる。
1999年や2000年に何も起こらないのは当然であろう。
いかがでしたでしょうか。
我が事で恐縮ですが、これによって賛成派は息を吹き返し、西暦50047年まで武論尊教授の理論を守り抜く事を新たに誓い合った
のです。・・・しかし、50047年以降については現在のところ何の理論も発表されていません。そこは是非、皆さんの手で新理論
・新説を模索してみて下さい。
それでは、今回の講義はここまで。また来週、この研究室でお会いしましょう。
♪「カノッサの屈辱」のテーマ♪