第十二試合

a04531_icon_7.jpgセンキ 対 ネコニャンコa04550_icon_2.jpg

『無血試合』

担当MS:リオン

−プレイング−

    ―衛四葉・センキのプレイング―

    【ダミー旅団シナリオ/VS猫りゅん嬢】
    ■因縁
    ・完全な私怨。姫巫女とよばれる特殊な官職の
    友人である「すばる」という少女と自分よりも
    深い関係(?)になった猫りゅん嬢(前世)に
    ちょびっとジェラシーを感じてるので

    ■試合
    ・料理試合。猫さんが不思議系料理を作ると想定してるので正面から張り合う。敢えて家庭料理系を棄てての対決に乗り出す。
    ・具体的には十傑衆『至高の雄山』が使用する地雷包丁やアイスクリームの天麩羅。九大天王『究極の山岡』が使用する、他人の人生を切り拓く料理を創作する「究極のメニュー」の能力を駆使。
    ・結果として出来た料理は満干全席
    ・美味しい。審査員も舌鼓。
    ・100点中98点
    ・でも負ける(何)
    ・負けたハライセに近くにいたネタキャラに斬鉄蹴奥義かまして泣きながら夕日に向かって逃亡
    「うわーん、猫りゅんさんのうんこたれーっ!! シュウさんにいいつけてやるー!!(何」


    ―リーチ一発・ネコニャンコのプレイング―

    〜ダミー旅団シナリオ・円卓の間 御前試合プレイング〜

    「…閃姫りゃんとの因縁…それは猫がまだ物心ついたばかりの冬の日りゃ…あ(長いので省略)」

    ってな訳(マテ)で行動りゃ♪
    まず、何で戦うかはまあ、同じ料理キャラ(ぇ)として、負けるわけには行かないかりゃりゃ〜♪
    なので、今回はすーぱー・すてきな・らんち(略してSSL(ぉ))を作るためにチベット奥地やぼるねー地方(何処よ!)や近所の田中さん(誰さ!)の夕飯とかから色々食材探して作るりゃね♪

    そんな訳で猫はもう究極で至高の食材探しに旅に行ってるりゃ♪試合では凄いのを作って見せるりゃねー!!














    …所で、クズノハにはどうやって帰るんりゃっけ?(迷ってるらしい謎)


−リプレイ−

●侍王国の巻
 超食材調達人・猫子猫(XXd354)は○つ国の忍者である。
 いきなり分かりにくい冒頭で大変申し訳ないが、いろいろと都合があるので勘弁して
いただきたい。
 さて、忍者とは言ってもその趣味は非常に特異なもので、どういうわけか食材探しと
目利きにおいては比類なき実力を持つ事で知られていた。
 彼女の周りには常に食材を求める料理人が集まる。
「よく分かりゃないけど、これなんて美味しそうりゃね。」
「おおっ、これは伝説の『金太マスカット』! ナイフで切って食べると痛そう・・・
いや、美味な果物じゃないか!」
「りゅ〜。それからこれも持って来てみたりゃ〜。」
「それは『ウナギキング』!しかも幻の青色ウナギキングじゃないか!」
「あ、どうも〜、ウナギキングでーす。」
 ・・・ユウキさん。出てくるなとは言わんが、魚役でホントにいいのか?
「だがそれがいい!」
 うん、まぁなんつーか。話が進まないので無視しますね?(笑顔)
「そんなっ!」

 猫子猫には1つの悩みがあった。
 自分が採ってきた食材を、自分で料理しても全然美味しくないのである。
「りゅ〜・・・」
 その日も、「美食同盟」とかいう所の「至高の雄山」とかいう分別のあるいい大人が
泣きながら欲しがった至高の食材「最高級マツサカ肉」を自分で調理してみた。
じゅー じゅー
 しかし、出来上がったのはなぜかイカの塩辛である。
 とりあえずは猫である以上、イカの塩辛はなにげに大好物なのでキレイに平らげて
しまったが、その後でずっっしりと落ち込む。
「りゅ〜、なんでお肉から水産加工物ができるんりゃりょう・・・」
 ある意味ではそれもすごいのだが。
 とその時、それをそのまま言葉として猫子猫に語りかけた者がいた。
「ある意味、それもすごいんだけどね♪」
 突然話しかけられて、猫子猫はビクリと顔を上げる。
「だ、誰りゃ!? 人ん家の中でいきなり話かけてくりゅりゃんて、非常識にもほどが
あるりゃよー!」
 そこに立っていたのはおそらく自分より3〜4歳年上。15歳ぐらいと見受けられる
少女であった。
 猫子猫はその名を知っている。
「せ、閃姫りゃん!?」
「こんにちは、猫りゅんさん♪ 不躾だけど特に意味もなく勝負っ!!」
「りゃ〜!!」
 白銀の猛威・閃姫(XXb960)。猫子猫の天敵である。
 その理由は
「ボク以上に姫巫女のすばると仲良くなった猫りゅんさんが憎ーい!」
メラメラゴー(←厨房に火が入る音)
 あら、説明ありがとう。
「すごい説明的な台詞りゃ! あと、なんで料理してるんりゃ!?」
「料理勝負だから。ほら、それならボクが圧倒的に有利だし♪」
 閃姫は春風のように笑いながら親指を立てる。
「図々しい事を言いながらも態度はスッキリ爽やかそのものりゃ〜!?(びくぅ)
と、とにかくそれなら負けないんやよ!」
 猫子猫は食材鞄を取り出すと、ごそごそと食材を漁り始める。
 それを見て閃姫の目がキラリと輝いた。
「あー、ずるいよ! ボクにも高級食材を分けて、フェアな勝負にその若い青春の情熱
の全てを燃やしてみない?」
 横から手を伸ばし、鞄に手を突っ込んで食材を漁る。
「ふむふむ、あ☆ いいものみーつけた♪ あとはー・・・」
「りゃ〜! そんなに勝手に鞄の中をいじられたら猫は・・・猫は・・・」
 猫子猫さん、キャラ違います。それは強い方の猫さんです。
「そんな事言ったら閃姫りゃんなんてキャラの原形とどめてないりゃよ! どっちかっ
ていうとクロカりゃんみたいやよ!」
 えー。だって俺、サムキンの閃姫さんとは面識ないもん。
「猫とも面識は無いはずりゃ〜!!」
 アンタは分かるからいいの。勝手知ったる他人のキャラってね。


●斧ディアの巻
「りゅ〜・・・偽MSが馴れ馴れしいりゃ〜!」
 猫子猫はそう叫ぶとパチッと目を開けた。
「お前、そういう時は普通、ガバッと跳ね起きないか?」
 門前院・岬(XXc532)が呆れたように言う。
 場所は近未来の日本。
 猫子猫は逢○になっていた。
 ○魔とは魔○に仕える存在。
 今の猫子猫は、この岬という少女の逢○なのである。
 重ね重ね、分かりにくくて申し訳ない。
「りゅ〜、変な夢を見たりゃ〜。」
「変な夢?」
「猫がサムライで、友達と仲良くなったから友達に嫌われたりゃ。」
「はいぃ?」
 この逢魔は頻繁にトンチンカンな事を言うが、今回はさらに輪をかけてなんだかよく
分からない。
「りゃかりゃ、すばるりゃんと仲良くなったら閃姫りゃんに・・・」
「魔皇か逢魔か? どっちにしたって閃姫なんて名前、俺は聞いた事がないが。」
「りゅ〜・・・」
「はーい、猫りゅんさん呼ーんだ〜!?」
 いきなり、跳び膝蹴りが猫子猫の後頭部に炸裂する。
 なんかもう色々と遠回しに言うのも疲れたので、ズバリ、閃姫である。
 近未来の日本でも元気いっぱいであった。
「猫りゅんさん見ーつけたっ! 勝負♪」
「りゅ〜! ○皇名鑑を見ても、閃姫りゃんはいないはずりゃ!」
 猫子猫は愕然とする。
 自分は現代世界らしい外見に変わっているというのに、閃姫は侍王国の頃とまったく
同じなのである。
「あはは、固い事言っちゃダメだよ♪」
「そんな簡単に世界観を飛び越えて来るなりゃ〜!」
「うーん♪ まぁ、どうせ会社は一緒なんだから、おおむねOK!」
 相変わらず、図々しくも爽やかであった。
「正論だな。」
 岬も深く頷く。
「納得するなりゃ〜! あと偽MS! そろそろ閃姫りゃんの背後りゃんがムカついて
りゅ頃りゃから、いい加減にするりゃ! 閃姫りゃんのファンりゃなかったりょか!?
この前の給食スレを見た時に思わず本気で「うわー、嫁に欲しいわぁ〜」とか言ってた
りゃんか〜!」
 フッ
 どうせ届かぬ愛ならばいっそ憎まれたい。
 2人の距離が愛に触れ得ぬのならば、憎しみの剣で貫いて欲しい。
 それがMy heart is pain.
 Pain was hate in my heart.
 I miss You.
「ヘビメタの歌詞みたいに言ってもダメりゃー!」


●無限ファンタジーの巻
「・・・りゅ〜、YOSHIKIはドラムを破壊しすぎりゃ〜!!」
むくり。
 ネコニャンコ・エビノシッポ(a04550)は寝床から身を起こした。
「・・・こういう時は普通、跳ね起きるんりゃったっけ・・・」
 寝ぼけ眼で独り言を呟く。
「夢かりゃあ・・・」
 妙な夢を見た。
 いろいろな世界で、センキに追い回される夢である。
「センキりゃんのキャラが全然違かったのは、夢だったからりゃ〜。」
 うん、そういう事にしといて。
 反省はしてないけど。

「猫りゅんさん勝負〜」
 センキ・イクサバ(a04531)も夢を見ていたようだ。
 寝床から身を起こすと、あまりハッキリしない頭できょろきょろと周りを見回す。
 間違いない、自分の部屋だ。
 それにしても妙な夢を見た。
 全然性格の違う自分が、ネコニャンコを追い回す夢である。
 ぞくり、と背筋が寒くなる。
「ボク、あんなキャラじゃないよねえ・・・」
 ふふふ・・・はたしてそうかなー?
「えいっ」
ゴッ
 殴られましたよ?
 MSを殴るキャラなんて聞いたトキねーよ!
 だがそれがいい(ポッ)

 とにかく、二人が見た奇妙な夢。
 それは明日、両名が御前試合において命を懸けた料理対決をするというその先触れの
ようなものであったのだろうか。


「マツサカ肉ぅ〜! ・・・ハッ!」
美食同盟「至高の雄山」は夢を見ていたようだ。
「サムライ世界で猫に肉を売ってもらえない夢を見た。うわっはっはっ」
いや、いいから。お前なんかどうだって。
「このあらいを作ったのは誰だぁ!」
いいから。本当に。


「ウナギパイですってー!? そんな、ウナギの花道は蒲焼で・・・はっっ!」
 ユウキは(略)
「なんで略なんですか! 私の扱いは雄山以下ですか!」
 繰り返しギャグは三度が限界ですから。
「・・・納得しました!!」
 分かってくれると信じていたとも!



●御前クッキング
 御前試合第12戦。
 この試合にセンキとネコニャンコの取り合わせを望んだのは、他ならぬ御大その人で
あった。
 この対戦が発表された時、関係者達は内心で揃って眉をひそめたものである。
 センキとネコニャンコ。
 どちらもクズノハを背負って立つ萌えキャラである。
 それをただ悪戯に、戦いで一方を・・・いや、場合によっては両者共に失う事など
愚劣も極まりなき事であった。
 だが、円卓において御大の言葉は絶対。
 また、悪戯に彼女の癇癖に触れて、肉塊となり果てる事を自ら望む者など、ありは
しなかった。
 しかし、例によって一人だけ諫言を呈した者がいる。
「御大に一言、申し上げたき儀がござりまする。」
 腹に大きな傷を持つ男、チアキであった。
(チアキどのは陰腹を召して!)
(御大にあの件を諌言なさるおつもりだ!)
(またかよ!)
(もしかして、とりあえず陰腹切っとけばウケるとか思ってない?)
(白トカゲうぜぇなぁ)
「御前試合、センキとネコニャンコを相戦わしめるの儀。」
 チアキはうぷ、と口から吐き出しそうになったものを呑み込む。
「お取りやめ下されい。」
 その姿に周囲の者達は慄然とした。
(いや、チアキどのは陰腹を召しているのではない!)
(CoCo一番屋の2kgカレーを召しておられる!)
 そう、チアキは陰カレーを食っていたのである。
 常人の胃袋には納まらぬ量、2kgのカレーを平らげ、そのままの姿で御大の前に
参じているのだ。
 前回は「腹から出したら失敗」したので、今度は「腹に入れて」諫言。
 クズノハの団長にして随一の知将、チアキらしい見事な浅知恵であった。
「臭いますね。」
 カレーの匂いが。
「・・・クズノハ忍法帖にとって、そのどちらもが宝と呼べる萌えキャラ。どちらを
失ってもただ損失のみが残りまする。・・・うぷ!」
 辛いものが喉元まで上がってきた。
「さすれば、旅団の一大事!!」
「そうですか。」
 御大は緩やかな笑顔を浮かべる。
 凄惨な事を思いついた時、彼女は時折そういう表情をするのだ。
「では、二人の試合は・・・楽しい料理対決にしましょうか。」
「・・・!」
 現在のチアキは、もう食べ物の話なんざ聞きたくもない状態である。
 額を脂汗が伝う。
「もちろん、審査員は私と貴方。」
 御大は苦しげなチアキを見ながら、愉快そうに続けた。
「満漢全席がいいでしょうか。それともカレーライス特盛がいいでしょうか。ともあれ、
食べきれないほどの量が並びますよ? 楽しみですね。」
 その想像は、チアキの心胆(っつーか胃袋)を締め上げる。
「お、御大・・・わし、食べ物の話は今ちょっとピンチなのじゃ・・・」
 そう言って貌を上げたチアキの貌は、恐怖に凍りついた。
 御大は冷たく微笑しつつ、いつの間にか2kgカレーを捧げ持っていたのだ。
「・・・暗・・・君。」
 直下型BOM。
「うわー、吐いたー!」
「ああっ、チアキ殿ぉー!」
「馬鹿、早く切れ! カメラの電源切れ!」
「保健係ー! 保健係ー!」
【家中の者 1名  向こう1年間、あだ名決定】


 そんなゲロアキ(あだ名)の諫言のおかげで、センキとネコニャンコの対戦はなんとか
無事「料理対決」に決まった。
 御大は、いくらあの時はゲロアキ(あだ名)を是が非でも吐かせたかったとはいえ、
少し軽率だったと反省している。
 ・・・これでは死人が出ないではないか。
「敗者は速やかにミンチとなり、勝者がそれでハンバーグを作って観客の皆に振舞う、
という特別ルールはいかがでしょう。」
「ひぎぃ! そんな料理対決は梶原一騎でも書かんぞ、たぶん!」
 げっそりと痩せたゲロアキ(あだ名)は、ガクガクブルブルと震えつつも今の台詞を
懐の「ユリシア迷語録」に記しておく。
「では、審査員がミンチになると言うのは?」
ちゃり
「・・・負けた方がミンチでよろしいかと。」
 その追加ルールが決定したのは、なんと試合開始前日の事であった。


〜〜( ´∀`)ノ そしてついに御前試合の当日なのデスよー 〜〜


〜〜(  ´∀)  あ、リオン兄さんなのデス   (・ω・ ))) 〜〜


〜〜(  ´∀)シ えいっ           →(°ω° )さくっ 〜


 第11試合、エロリスト対決。
 その興奮と鼻血とその他いろいろなものが未だホカホカと冷めやらぬ中、第12試合
の開幕が宣言される。
 内容は料理対決。
 ルールは、とにかく料理で審査員の御大とゲロアキ(あだ名)を唸らせた方の勝ち、
負けた方は肉塊→ハンバーグという、至ってシンプルかつ理不尽なものである。
「お肉でイカの塩辛を作るような子には負けないよ。」
 先に試合場入りしたセンキは自信に満ち溢れていた。
 クズノハの給食当番。
 その誇りは心の中で燦然と輝いている。
――でも、それじゃ勝てないかも。
 そのどうしようもない懸念が消える事はなかった。
 ネコニャンコの調理技能がいわゆる「×技能」なのは分かっている。
 しかし、肉から海産加工物を作り出すような不思議料理は、時にどんな奇跡を生むか
見当もつかない。
 ゆえに今日のセンキは、慣れ親しんだ技を捨てて勝負に挑んだのである。
 センキが料理の下拵えを始めると、観衆から驚愕の声が上がる。
――家庭料理じゃない!
 センキの得意料理といえば、懐かしくも暖かい家庭の味。それはクズノハの団員達に
とってはもはや常識である。『いいお嫁さんになれる系』とでも言おうか。
 元気娘が微笑みながら作る家庭料理。
 男ならば世界最強と同じぐらい憧れなければおかしい。おかしいって。
 だって想像してごらんよ。それをキミ一人のために作ってくれるんだぜ?
 一生懸命、キミが喜ぶ姿を想像しながら作ってくれるんだぜ?
 たまらんだろ実際。ハァハァ。


 ・・・すまん、取り乱した。


 とにかくその家庭料理マスターであるセンキがなんと、まるで料理漫画のコックの
ように燃える瞳を煌かせ、必勝の豪華絢爛料理を作っている。
 ああ、でもそんなセンキさんもありだと思うよ。可愛いは最強だ。
 そもそもこのリプレイにセンキさんの出番が少な目なのも、俺の中でセンキさんとは
神聖不可侵な存在であり、俺ごときの駄文で泥の一滴といえども汚す事など


 ・・・すまん、自重する。


 では気分転換に観衆の方でも見てみよう。
「ふむ、あれは私の地雷包丁。」
 そう漏らしたのはセンキのお料理友達。お料理十傑衆が1人、美食同盟を主催する
美食の帝王「至高の雄山」である。
 っつーかお前、まだ出番があったんだね。
「私が教えたアイスクリームの天麩羅か。あれは至高の一品だ。」
「ふん、あんなものをありがたがる習性は理解できないね。」
「なんだと、シロー。」
 横から口を挟んだのは、やはりセンキのお料理友達だった。お料理九大天王が1人、
西東新聞の記者「究極の山岡」。
「料理とは人生さえ切り拓くものなんだ。センキさんはそれを知っている。俺が教えた
料理がきっと勝利に導くはずさ。」
「ふっ、貴様のような男がセンキさんの役に立つものか。うわっはっはっ。」
「うるさい! センキさんはめちゃくちゃ可愛いから勝つに決まってる!」
「ふむ、仏教ではそれを「萌え」と言うな。」
 結局、こいつらもただのセンキさん萌えなのでしたよ。
 っつーかこのリプレイ、どこを向いてもセンキさん萌えなのであった。
 チアキさん。失敗だったな、この試合を俺に任せたのは。
「頑張れー、センキさーん!!」
「この雄山を萌えさせるとは!!」
 宿命に引き裂かれた親子。その心が今、1つになった。
「良かったわ。あの人とお義父さんがあんなに仲良く・・・」
 うるせえぞ栗田、プレイングに書かれてもいないくせに出てくるな。
「セクハラだわ!」
 ともかく、食の鉄人達の声援による後押しもあり、センキの調理は順調に進む。
 そしてついに。
「できましたっ♪」
 センキ流・満漢全席、完成了(かんせい)!
 思わず偽MSも美味しんぼから中華一番ネタに路線変更してしまうほど、それは完璧
なる中華料理であった。
 少なくとも見た目にはケチをつける余地がないようで、御大は内心で舌打ちする。
「ふ、見た目はなかなか悪くないようですね。」
「ではいただくのじゃよー。」
 御大とゲロアキ(あだ名)が箸をつける。すると、

ピカー
なんだ、この
パクッ
これは乾貨!
ズズッ
ああ、これはなんという
バクッ
こ、これは!
ズバーッ
ピカッ
おおっ、御大が天女様に!
ピカッ
おおっ、チアキ殿が金剛力士に!
ドォーーン
すごいぞ!
これは究極の超絶(エクストリーム)満漢全席だぁーーー!!!!
(注:ダイジェストでお送りしました)

「・・・お見事な料理でしたよ、センキ様。」
 霊査士のユリシア・メルローズが惜しみない賞賛を送る。
「実に素晴らしい料理じゃったのう。まるで憑き物が落ちたようじゃよ。」
 忍びの冒険者、チアキも爽やかに微笑んだ。
「喜んでもらえてボクも嬉しいよ♪」
 センキが満足げに微笑みを返す。
 それに頷くと、ユリシアはふと周囲を見回した。
「それにしても皆様、なぜこのような催し物を?」
 飾り立てられた試合場を見て不思議そうに言う。
「ははは、それはお主の誕生日じゃからよ。」
「まぁ、そんな・・・皆様、ありがとうございます。」
 ユリシアは思わず赤面した。
「ですが、乱暴なのはいけませんね。この御前試合というイベントは木剣か何かで安全
に行う事は出来ませんか?」
 チアキは、ふむ、と同意する。
「確かにのう。真剣で行うとは、我ながら何を考えておったのか・・・。」
「お願いします、チアキ様。」
 ユリシアはにっこりと微笑んだ。
 観衆はすっかり鼻の下を伸ばし
――こういう御大も・・・アリだな。
――アリやなぁ・・・。
 とメロメロになっている。
 センキの究極にして至高の料理は、見事にクズノハのネタ空間を払拭し、なんと御大
さえもエルフの霊査士の心を取り戻したのであった。
 料理は汚れた心、歪んだ空間さえも美しく洗い流すのだ。
 もはや判定の結果は分かりきっていた。
「勝者、センキ!」
 勝利の宣告を受け、センキは歓びに跳び上がる。
「やったぁーっ!」
 その元に、客席から押し寄せてくる者達がいた。
究極の山岡「やったなぁ、センキさん!」
至高の雄山「この満漢全席を作ったのは誰だぁ!!」
龍厨師のミャオ「大好(やったね)!」
鉄板の醤「カーカカカカカ!! 料理は勝負だからな!」
ミスター味の子「すごい工夫だったよ!」
味の王「これからも精進せいよっ!」
クッキングの父「うまいぞっ! ぜひお試しあれ!」
魍魎の武丸「"聖龍連(AJS)"潰すゾ? テメーら?」
センキの料理友達の面々である。(武丸は違うのでつまみ出された)

 第12試合はセンキが勝利を収めた。
 それは、血を一滴も流す事なく掴んだ無血の勝利のみならず、残酷無惨な御前試合
そのものを終結させる偉業でもあった。


「・・・そういえば猫りゅんさんは?」
「そういえば最初っから来ておらんようじゃね。って事は、頑張ったけどどっちにしろ
お主は不戦勝だったんじゃのう。」
「うわーん、猫りゅんさんのうんこたれーっ!! シュウさんにいいつけてやるー!!」
 斬鉄蹴!!>チアキ
「ギャーーーーなにすんじゃーーー!!」
「面白い台詞プレイングだったんだけど、猫りゅんさんのプレイング的に負けようが
なかったからねー。でも無視するにはもったいない台詞だったから、きっちりと消化
してみたんだっ♪」
 ええ娘やで・・・。



●外伝・ネコニャンコのランドアースうりゅりゅん滞在記
 時は〜〜、第12試合の〜〜、前日に遡る〜〜〜。(声:下條アトム)
「猫はSSL(すーぱー・すてきな・らんち)を作るんやよー!」
 大自然の中〜〜、ネコニャンコは大きく決意の声を上げていた〜〜〜。
「ものすごい食材を見つけて、センキりゃんをアッと言わせるんりゃ。」
 料理の腕では分が悪い〜〜。それなら〜〜食材で勝負という事だ〜〜。
 食材ハンターの〜〜ネコニャンコにとっては〜〜得意分野でもあった〜〜。
「というわけりぇー、猫は今、チベットの奥地に来てるんやよ♪」
 いきなり「ランドアース滞在記」じゃなくなったから、口調は戻しとくね?
「なにげにウザかったかりゃ、好きにするといいりゃ。」
 うわ、冷たい。でもそんなネコさんもいい。
「とにかく猫は食材を探しているのりゃー。そこの人、チベットのオススメ伝統食材を
教えてりゃ〜。」
 びしっ、と指差された通りすがりのチベット人は答える。
「なんといっても猫だね。あんなに美味しい肉はないよ。」
「りゅふう!! ありがとうチベット、さようなりゃ〜!」
 ねこにゃんこ は にげだした!

「というわけりぇー、今度は『ぼるねー地方』に来たんりゃよ♪」
 元気だねえ。
「お酒で有名な土地なのりゃ〜。猫はお酒飲めないんりゃけど、いいお酒のある土地に
は必ず良い料理と食材が眠ってりゅんやよー♪」
 お、さすがは食材ハンター。目の付け所が違う。
 っつーか、ランドアースには行く気ゼロなのね。
「そこの人ー、ぼるねーの名物料理を教えてりゃ〜♪」
 ぼるねーの住民は答える。
「猫の丸焼きだよ。」
「りゅふう!! さようなりゃー!!」
 ネコニャンコは逃げ出した!

「というわけりぇー、今度は食の都パリに・・・」
「猫料理だよ。」
「りゅふう!!」
 ネコニャンコは(略)

「美味しいりゃ〜。」
 ネコニャンコは涙ながらに料理を頬張っていた。
 食材探しに挫折した彼女は今、近所の田中さん(日系2世)の家で夕飯を御馳走に
なっているのだ。
「マドモアゼル・ネコ。大変な目、あった、様子。かわいそうね。どんどん遠慮なく、
食べる、よいね。」
 近所の田中さん(日系2世)の振舞うごく普通料理が、ネコニャンコの疲れた心と
身体を癒してくれるようだった。
「普通の料理がこんなに美味しいりゃんて〜。」
 涙が出そうであった。
「疲れた時、悲しい時、ご飯食べる、幸せね。最高の、料理、それね。」
 カタコトで語られる田中さん(日系2世)の言葉。
 ネコニャンコはハッと手を止めた。
「そうなんりゃ・・・。高級な食材だけじゃないんやよ! 猫は心や身体が疲りぇた時
に癒してくりぇるような、そんな料理を作りたいんりゃ〜!」
「マドモアゼル・ネコ。どうやら、開眼、したようね。すばら、しい。」
「田中りゃん(日系2世)、ありがとうやよ! お礼は試合に勝つ事でするりゃ!」
 田中家を飛び出すネコニャンコ。
 その後ろ姿を見守る近所の田中さん(日系2世)。
「パルァシエィルァ、マドモアゼル・ネコ。・・・頑張る、良いね。神は、きっと、
味方、してくれるね。・・・我が娘、ネコニャンコよ・・・。」
 チョーシくれてテキトーな事言ってんなよ、田中(日系2世)。
「イッツ、アメリカンジョークね。」
 っつーかナニ人だアンタ。

 ネコニャンコは目覚めた。
 高級な食材だけが料理ではない。
 料理とは、愛。
 人の心を包み込むような、優しい明日へのエネルギー。
 それを人が作り、人に与え、人が食する。
 その時の笑顔。それが料理の魂、それが料理の愛。
「猫は・・・愛の料理人になるんりゃー!」
 愛の料理人ネコニャンコ、覚醒であった。
 が。
「・・・ところで、クズノハにはどうやって帰るんりゃっけ?」
 きょときょと。
 辺りを見回して、ぜんぜん知らない場所である事を確認。
「りゅ〜・・・」
 迷った。猫は迷うと家に帰れない。そして自分は猫。
 そう確信した時、
「入りまつか?」
 足元から、だんぼーるに入った少年が話しかけてきた。
 じっと見つめあう2人。
 ネコニャンコはしばらく考えた後、諦念して
「お手間をお掛けしますりゃ・・・。」
 少年の差し出した新品のだんぼーるに『誰か拾ってください』と書くと、その中に
ごそごそと潜り込む。
「寒くなったでつねー。」
「そうりゃね〜。」
 寒風吹きすさぶ中、2つのだんぼーるは並んだままいつまでも揺られていた。

 ネコニャンコがやっとの思いでクズノハに帰って来た時には、既に皆はフォーナ祭の
準備に忙しく、「御前試合? ああ、そういえばそんなイベントもあったねえ。」とか
談笑していましたとさ。
「りゅ〜・・・(涙)」



●地獄再開
 さて、御前試合はどうなったのであろうか。
「第一試合とかその他の話ではいろいろと酷い目にあったでござるねー、リオン殿。」
「うーふーふーふー、それでも冒険者の不死身ファンタジア能力のおかげでなんとか
復活できたんだぞう。」
「まぁ、説明的な台詞でござるわね! きゃっきゃっ♪」
「こーいつーぅ♪」
鎖→ぐしゃ
鎖→ぐしゃ
「ヒィ!」
「ヒィ!」
 第12試合終了から数刻後、何者かによってリオンとラスキューが惨殺された。
 犯人は分かりきっていたが、「どうやら凄惨な御前試合が続行される」という事実
だけが絶望となって関係者達の肝を締め上げるのだった。
 所詮、いくらなんでも料理で人生が変わるワケがないんですよ。
 消化したら終わりなんですよ。分かりますか雁○先生。



―終―

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