補8.東洋蘭


先日東洋蘭を植え替えました。考えてみると趣味として一番長く続いているし、結構熱をいれていた古陶磁も蘭の鉢からスタートしているのでH.P.に未登場なのも問題(問題か?)と取り上げる事にしました。

そう言っても今どき東洋蘭をやっている人はベテランだけで、いまさら土の配合とか水遣り、肥料について話しても笑われるだけ、一応今まで栽培した品種を列記するにとどめます。

中国蘭は、集円、大富貴、宗梅、楊氏素、翠蓋、軍旗、極品、老上海梅、秋蘭(無銘)、台湾寒蘭(無銘)

日本春蘭は、日新、光琳、

寒蘭は、紫尾山産(無銘)、如月、光玉殿、玉姫、日光、銀鈴、豊雪、竜雪、白妙、室戸錦、銀河、日向日輪、

この様に並べてみると、色んな思い出のある物から購入場所すら思い出せない物もあります。

C型肝炎のウイルスが増えGPT800を超えて以前の家の日本間で寝ながら縁側の軍旗を眺めて色々な事を考えていた時もありましたが、今はウイルスもその家も軍旗もありません。世の中の移り変わりは激しいものだと思いました。

花、香り、姿など気に入って残っているのは、白妙だけになりました。

気温が例年より低いと花軸が短くなるので、花軸の長い事と花弁の反らない事そして香りが上品で高い事などが好きな理由です。気温が高いと無点系は点が出たり紅色系はサラサに咲いたりするのでこの手は気に入りません。本にはその品種の最高の状態を示しているがそのように咲くのは何年かに一度で毎年とはいかないのです。

その様な訳で気に入らなくなると地植えにしそして消えて行ったのですが、そのときその時の心の安らぎストレス解消の役目を果たし私の健康に役立ってくれた筈で無駄使いではなかったと思っています。

なお東洋蘭に興味が無いのにここまで読んで下さった貴方に、興味の無い人でも必ず「高いのでしょう」と値段だけは興味を示すのでこの点を付加えます。

確かに昔は信じられないほど高く昭和15年には輪波の花が二三本立ち一鉢で一万円もしたので複数の業者が組んで購入し繁殖させて利を稼いだそうです。因みに当時佐竹本三十六歌仙絵巻切の画一幅がそのくらいで、現在佐竹のほうは数千万円ものによっては億が付きますが輪波の花の方は数百円かも知れません。これは極端な例としても早川源蔵氏が昭和37年に購入された室戸錦4本立花付き一鉢は百万円とか、今はおそらく二三万円、開運堂店のカタログによると銀河の中二本で百万円これも今では二三万円と思われるので貨幣価値の違いを考えるとその値下がり率には吃驚させられます。

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