記憶喪失症

 
認知症に係わって10年になる。

○四病院ではMRI検査(造影剤注射MRIを含めて6回)から異常無しと診断して薬は出ず。
MRI
検査では脳腫瘍無し、血管は脳梗塞を起こすような状態でなく正常、水頭症も大丈夫との事。 
従ってこれらに起因する認知症ではないと考えられる。

注:アリスもMRI検査では同じく異常が無く、PET検査でアルツハイマーと診断された。
なお正常な認知機能を持った高齢者にもアミロイドの蓄積がみられるのでPET検査は高齢者の診断に使えない。

〇 一医院ではMRI検査が異常無しだから鬱だと診断して薬(パキシル錠)を出す。

注:デイサービスの申し送り簿でも明るくてよく笑うとあるのに何故か鬱と診断。
鬱の薬(パキシル錠)は服用すると無表情(能面の様な顔)になり物をよく落とす様になったので破棄すると元へ戻った。

〇 一医院では机上テストでアルツハイマーと診断して薬(塩酸ドネペジル)を出す。

注:パキシルと同じ症状が出たので破棄すると同じく元へ戻った。

以上6か所の病院・医院の診断結果が納得のいくもので無く、映画アリスのままでのアリスの症状が似ていたのと、一医院でアルツハイマーと指摘されたので、アルツハイマーと確信していた。


しかし症状にアルツハイマーとの相違が多いのでネット検索をしたところ、https://trapradar.net/culture/amnesia/
で完全に症状が一致する病例を見つけることが出来、長年の疑問が解けた。

一例は、過去の出来事を思い出すのが困難な「長期記憶障害」と、新しい事を記憶するのに支障を来たす「短期記憶障害」の併発という非常に稀な症状で、ヘルペス脳炎の大脳皮質へのダメージが、「短期記憶」を「長期記憶」へと移行させるプロセスを阻害していたため、生活には実質的に「記憶」という要素が存在せず、患者は瞬間的な意識の連続の中を生きているのである。

二例目は、「てんかん」を治療する手術を受けた人の話で、手術としては一応成功だったが、その代償として彼は3060秒しか記憶を保持できなない体となってしまった。

彼は自分の記憶障害について自覚しており、それについてしばしばこう語っていたという。
「私は常に自分に問いかけるのだ。
少し前に何が起きたのか、と。
今この瞬間、目に見えている物はすべて明らかだが、過去に何があったのかを考えると不安でたまらないのだ」

 もっと早くから調べていたら患者も余計な検査や薬で苦しみを受けずに済んだと思うと残念だ。

 何れにせよ治療方法が無いのは確かなので、年齢も考えベネフィットが明確でないのに死に至るリスクもある治療や検査でしんどい思いをさすより ”大切なのは本人が楽しいと思えることをやってもらうことです。”という某医大教授の考えを重視する事にした。
2020(2)/10/2

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