地質の小道具 <地質の調査や解析に便利?なオリジナル・ツールを紹介します>


【メカニカル?編】

@ UEDAX コマ型クリノメータ
 有人潜水艇「しんかい6500」で深海底を調査する際に,地層の走向・傾斜を測定する道具です.目盛のついた円盤と棒だけでできた簡単なつくりです.地層にあてがった様子を潜水艇から撮影し,目盛を読んだり写った大きさや角度を測ることで,潜水艇に対する地層面の向きを調べます.潜水艇やカメラの向きは艇内のジャイロコンパス等の記録でわかるので,方位磁針がなくても地層の走向傾斜が求まります.コマ型クリノメータ自体の誤差は±2.5度以内です.

A UEDAX マグネテッィック・セパレータ
 岩石を砕いた粉から鉱物を分離する際によく使うマグネティック・セパレータがうちの研究室にないので,簡単なものを自作してみました.径3cmのネオジム磁石の上に穴をあけたアルミ製の樋を傾けてわたし,その中を鉱物の粉を通過させます.磁石に引き付けられない鉱物は穴から落ち,中央の容器に入ります.磁石に引き寄せられる鉱物は穴をよけていき,左の容器に入るか,磁石のあたりに留まります.磁石の位置や樋の傾きは調節可能です.鉱物の粉を樋の中で移動させるのに振動を加える必要があるのですが,今回は古い携帯電話を分解した際に出てきたバイブレータ(偏芯おもり付き小型モータ)を流用しました.
 試しにガーネット角閃岩の粉を何度か条件を変えて磁選してみたところ,ガーネット,角閃石,緑れん石,磁性が全くないもの(石英長石など)に分かれました.なかなか市販品ほどには高純度にできませんが,そこそこ分離できるようです.


【デジタル編】

エクセル・ワークシート
作業のために作成したエクセルのワークシートです.マクロ付きのものがあるので,尋ねられたら「マクロを有効にする」にしてください.計算ミス等ないと思いますが,もし発見したらご一報ください.

@ 偽傾斜表
 偽傾斜を目盛でなく数値で見たいときのために,表にしてみました.真の傾斜や,断面線となす角は,自由に変更可能です.

A 走向・傾斜の変換
 クリノメータで測定した走向・傾斜(strike & dip)を,パソコン処理に便利なアジマス・データ(Azymuth & dip)に変換するマクロです.StereoNettを使うために作りました(最近のバージョンでは不要かもしれません).

B 付加体の臨界尖角
 付加体の安定な形態を,Dahlen et al. (1984)に従って計算します.様々な条件(底面摩擦,内部摩擦,間隙水圧比)を与えて計算させると,スラブ傾斜に対応した臨界尖角とモールの応力円がグラフに表示されます.

C 鉱物間の反応
 複数の鉱物間におこりうる化学反応式をあれこれ推定すめるための行列計算です(5,6,7成分).

E 角閃石
 EPMA分析値から角閃石について鉱物単位格子あたりの原子数(NOA)を求める計算を,マクロにしたものです.分析値の行にある任意のセルを選択して,ボタンを押すと計算します(複数データ選択可).


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