病気によっては、治療法の見つからないものがあります。今残されている力を
最大限に引き出すこと、それだけが方法という場合もあります。
しかしそれは大変な事です。家族全員の深いおもいやりと、実行する堅い意思が
必要となります。仙台で光ケ丘スペルマン病院で研修していましたときは、沢山の
難しい病気の方々に出会いました。中には家族がばらばらになってしまった方、
健康だったきょうだいに心の問題が発生した方、経済的に大変な方など、ご家族
の苦しみは筆舌に尽くしがたいものと思いました。 それでもそのなかで、病気を
持って生まれた子のために、家族全員で努力を続けられているご家族もいらっ
しゃいました。
私の受け持った患者さんのひとりに、重い病気にめげず、お母様が付き添って
大学を卒業され、さらにアメリカに留学された方がいらっしゃいます。ご家族が、
全員でその方を見守り、協力し合って生きている、本当に素晴らしい方々でした。
私ができたことは何もありません。リハビリの施設を一緒に考え,探しただけ
でした。 その御家族から、私はたくさんの事を教えていただきました。
お手紙の一部分をご紹介いたしましょう。