お正月に、母が老健施設“桜ケ丘”から帰ってきました。
入所以来初めての外泊です。 藤原の自分の家に帰りたがりましたが、ともか
くも舘合町の我が家にやってきました。
「この度は大変お世話になります」と立派にご挨拶ができました。
しかし東京から来ていた妹と、私の、違いが解らなくなっていました。
何度も間違えて話し掛けました。
私に預けていたお金の事を心配するので、実際に触れて数えてもらいました。
10円玉と100円玉を2〜3個数えるのはできますが、それ以上は無理でした。
1000円札は何度数えても結論が出ませんでした。一時間以上くり返していま
したが、ついに妹が声をかけて終りにしました。
おひたしに牛乳をかけたときは、私のほうがびっくりして悲しくなりました。
しかし驚きました。昔のカルタはしっかり覚えていました。始めは読み手を
やってもらいました。「犬も歩けば棒にあたる」 「花より団子」 すべてひらがな
で書いてあったためでしょうか、とってもしっかり読み上げました。
自信に満ち溢れた顔で、何度もやりたがりました。そして「どう、絵札も取ってみ
る?」 と言いますと、やる気まんまんです。私が読み手になりました。
母は殆ど耳が聞こえません。私は母の耳元で、怒鳴るような大声で読み上げま
した。 母は本気です。 妹が30枚ぐらい、母が10枚以上取りました。
古い記憶はしっかりして、本当にびっくりしました。
桜ケ丘に帰って数日後、お誕生会を開いていただきました。 母は84才に
なりました。 スタッフの皆様ありがとうございました。 誕生会の日の母の写真 |