大型自動二輪の運転技術

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2011/02/10

大型自動二輪に求められる技能

まず始めに、大型自動二輪免許取得に求められる技能水準の説明をしておきましょう。
排気量が無制限で高性能なバイクが多い大型ですが、深く考える必要はありません。
法規にのっとり、安全で円滑な運転ができさえすればよいのです。
つまり、いかに速く走るとか膝を地面に擦るまで車体を傾けるとかレーサーテクニックを求められているわけではありません。
アクセルをきちんとひねり、ブレーキをしっかりかけ、直進や右左折ができればよいのです。
唯一注意が必要なのが、普通自動二輪に比べて車体が重いため、スムーズな操作が必要となることです。


大型自動二輪の運転技術

結論を先に言ってしまうと技能教習中に自然と体で身につければよいということになってしまいますが、ここではあくまで補助的に先に知識だけ身に着けておきましょう。
求められる技能にも書いたとおり、あくまで基本的な技術があればよいのです。
自動車学校ではスピードを出すように求められる場面は限られます。
直進加速と急制動の時のみ時速40km/h以上を必要としますが、それ以外はごく低速になります。
実際にやるとわかりますが、スピードが遅い方が車体は不安定になり、アクセル操作でギクシャクしたりふらつきの原因になります。
また、普通自動二輪の教習にはない大型特有の項目が一つあり、それが波状路と呼ばれるものです。
波状路は梯子を地面に置いて、その上を走行するようなもので、一定の間隔に並んだ凹凸を低速で乗り越えていきます。
なので、自動車学校での教習はいかに低速での車体を安定させることができるかがポイントになってきます。


車体を低速でも安定させる

低速とはいえ、通常の走行時は通常通り走ってかまいません。
車体が不安定だと思えばじんわりとアクセルをひねってあげれば加速する力が車体を安定させてくれます。
もちろん、急にアクセルをひねると急加速するのであくまでじんわりとひねるようにします。
アクセルグリップを強くひねる必要が無いので、右手はアクセルを少しひねるのに適した角度で握ることをお勧めします。
問題となるのは速度を落として通過する一本橋、クランクとS字、波状路です。
これらは半クラッチやブレーキの使用が認められています。なのでこれらを上手に使わないと課題をクリアできません。
バイクではアクセルと後輪ブレーキを同時に使用するとうまく低速で走ることができます。
さらには半クラッチとも組み合わせるとごくごく低速でもうまくスピード調節が可能となります。
特に一本橋ではこれらのスキルは必須と言ってもいいでしょう。
アクセルとブレーキを同時に使用するのはエンジンを壊すのではないかと思いがちですが、課題をクリアする程度では壊れることは全くないので安心してください。
ただし、同時に使用するのはあくまでも後輪のブレーキであり、前輪ブレーキを使うとかえって扱いにくくなります。
アクセルを使ってごく低速で走っているときに、アクセルを緩めることなく後輪ブレーキのペダルを軽く踏んでみてください。
するとアクセルを微調整してもできなかった速度調節が可能なことを体感できるでしょう。
これと半クラッチを組み合わせることで一本橋を通過するスピードと車体の安定感を作り出します。
クランクやS字も同様のテクニックでスピード調節して通過します。
波状路については1速かつバイク上で立ち姿勢となりますが、このテクニックを使用することに変わりはありません。
波状路は低速であることに加えて凹凸状の路面を通過する。これが苦手な人も多いかもしれません。
この課題は低速で通過しますが、速度をある程度以上に保っても十分課題をクリアできると思います。
また、ふらついた状態で凹凸に乗り上げると余計にふらついてしまうため、極力まっすぐ乗り上げ、まっすぐ通過しましょう。


課題別まとめ

ここでは課題別に攻略ポイントをまとめてみてみましょう。

課題ポイント
S字、クランク低速での走行のため、半クラッチ、断続クラッチと後輪ブレーキを組み合わせて走行しやすいスピードを維持します。通過時間に縛りはないが、速過ぎても遅すぎても難しくなります。パイロンへの接触を避けるため、なるべく車体を傾け過ぎないように注意しましょう。
坂道発進一速で停車するか、そうでない場合は後方を確認し、右足をついて一速にギアを入れます。右足で後輪ブレーキをかけ、発進のためにアクセルとクラッチを使い、駆動力を掛けながらブレーキを解除します。自動車に比べて難しくはないでしょう。
踏切一時停止し、左右の安全を確認してから一速で通過します。踏切の警音器が鳴り出したら通過せず、停車します。
急制動大型自動二輪では時速40km/hで11m以内(雨天などの場合14m以内)で停止します。前輪ブレーキを一気に強くかけるのではなく、握り始めてからだんだんと強くかけます。後輪ブレーキは軽くかける程度にとどめます。クラッチは停止する直前のタイミングで切ってかまいません。エンストはここでは減点にはなりません。最初からクラッチを切らない方が後輪がロックしにくいためお勧めです。エンストしても構わないという気持ちで挑みましょう。基準となる停止線を確認しておき、より手前で止まろうとせず、ギリギリのところで止まればいいんだと思ってブレーキをかける方がやりやすいと思います。
一本橋大型自動二輪では10秒以上かけて通過します。普通自動二輪が7秒以上という基準なのでより大きくより重たい車体のバイクでよりゆっくり通過しなければなりません。卒業検定の中でも難易度が高い項目と言えます。スピードが速い方がふらつかずに通過できますが、ここではその方法は使えません。半クラッチや後輪ブレーキを組み合わせてスピードを調節します。クラッチを切った状態だとふらつきの原因になるので、極力半クラッチと後輪ブレーキを使用して加減速している状態を作り出します。車両感覚もしっかりつかんでおかないと前輪が脱落します。注意が必要なのが、一本橋を降りるときに後輪が横に落ちてはいけません。出口まで後輪をまっすぐ通過させましょう。どうしてもふらついて課題をクリアできないときは若干速いスピードで通過しましょう。一本橋の脱輪は検定中止ですが、指定秒数に満たずに通過した場合は秒数に応じて減点となります。脱輪のように致命的ではないので奥の手として考えるのもありでしょう。
スラローム大型自動二輪では7秒以内で通過します。つまり早く通過する課題です。パイロンとの接触は検定中止となります。自信が無ければ慎重に通過しましょう。基本的にリーンアウトの姿勢とアクセルのオンオフでリズミカルに通過します。車体を傾けるときはアクセルオフ、曲がって次のパイロンに向かうタイミングでアクセルオンです。
波状路大型自動二輪特有の項目で、5秒以上で通過します。つまり、ゆっくり通過する課題です。低速かつ凹凸のある路面なのでハンドルを取られやすくなります。まっすぐ通過することと、半クラッチと後輪ブレーキを使ってゆっくりとしたスピードを維持します。ギアは一速なのでシフトペダルを上から踏んでバランスを取るというテクニックも使えます。一本橋ほど慎重になる必要はないので、ふらつくようなら少し加速して通過してもよいでしょう。

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