クリストフ・マルティン・ヴィーラント
義 則 孝 夫 = 訳 入力=義則孝夫 ファイル作成=義則孝夫
2000年9月1日 新版 (改訂版)
ty-library 作成ファイル Aアブデラ
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目 次 (総サイズ 815KB) 前 書 (サイズ 10KB)
第 T 部 第 T 巻 デモクリトスとアブデラの人びと 第 1 章 〜 第 13 章 (サイズ 195KB)
第 U 巻 アブデラのヒポクラテス 第 1 章 〜 第 7 章 (サイズ 97KB)
第 V 巻 エウリピデスとアブデラの人びと 第 1 章 〜 第 12 章 (サイズ 154KB)
第 U 部 第 W 巻 驢馬の影をめぐる訴訟
第 1 章 〜 第 16 章 (サイズ 188KB)
第 Y 巻 レトの蛙 第 1 章 〜 第 10 章 (サイズ 131KB)
アブデラ人物語の鍵 (サイズ 25KB) 解 説 (サイズ 15KB) ジャンプ 望みの巻数をクリック してください
前 書 き ひょっとするとこの物語のもとになっている数々の事実ならびに特色が、まぎれもない真実であるかどうか、確かめてみることがまず肝要と思われる向きがあるかもしれないが、そういう方々は、―それらを原典そのものに、というのはつまり、ヘロドトス、ラエルティオスのディオゲネス、アテナイオス、エリアノス、プルタルコス、ルキアノス、パレパトス、キケロ、ホラティウス、ペトロニウス、ユウェナリス、ウァレリウス、ゲリウス、ソリヌス等々1)の著作にあたって探し求めるといった興味をお持ちでないかぎりは、―ベルの歴史事典2)の「アブデラ」および「デモクリトス」の項をお引きになって、この『アブデラ人物語』が、うその話を本当の話と称して書いた、かのルキアノス3)の趣味にもとづく本当の話のたぐいではないことを、とくとご納得いただきたい。アブデラ人たちも、教養ある彼らの同胞市民デモクリトス4)も、ここでは真実の光をあびて登場しているのである。もっとも著者は、話の隙間を埋めたり、暗黒の箇所を照らし出したり、さきにその名を列挙した作家たちに認められる、実際の矛盾を除去したり、または見かけの矛盾を調整したりするのに、どうも一般には知られない情報にもとづいて仕事をしたらしい、と思われる節があるかもしれないが、それでも聡明な読者諸氏は、著者がその場合なにかにつけて、ある保証人の指示にしたがったということに気づかれるであろう。その保証人の名声たるや、エリアノスやアテナイオスの輩は何人いても軽く地に薙ぎ倒してしまうほどのものであり、またその鶴の一声にたいしては、全世界の人々の証言も、ギリシアのアンヒィクチオニア代議員、アレオパゴス会員、ローマの十人委員会、百人委員会、二百人委員会の委員諸氏、はたまた博士、学士、得業士たち、これらいっさいの人々の決定も、ひっくるめてすべて効果がない。この保証人というのは、つまり自然そのものなのである。 この小さな作品を、ささやかながらも、人間の知性の歴史に対するひとつの寄与と見なしていただけるならば、著者の喜びはこれに過ぎるものはないが、しかし著者は、この本が、いかにも優雅にひびく標題をかかげながらも、いやしくも本来の歴史書の面目を保つものと信じている。およそ歴史書というものは、低俗な民衆本の『麗しのメルジーネ』の更に下へ沈み込んだり、ドノワ夫人5)の童話集のなかでも最も気の抜けたものと同一の部類に投げ込まれたりしたくないならば、おのずから守らなければならない一線があるのである。 1) ヘロドトスからソリヌスに至って列挙された人名は、古典古代の歴史家および詩人で、
いずれもその著作にアブデラのことを取り上げている。
2) Pierre Bayle (1647-1706) フランス17世紀の優れた批評家、哲学者、博学者。 その著『歴史批判事典』 Dictionmaire historique et critique をヴィーラントは 大いに活用した。 3) ルキアノスは2世紀のギリシア作家で、『本当の話』という表題で架空の滑稽な旅行記を書き、この種の風刺文学の先駆けとなった。ヴィーラントは彼の著作のほとんど全部を翻訳している。 4) Demokritos は前460−361頃のアブデラ出身で、「笑う哲学者」と言われ、原子唯物論の創始者であり、物にこだわらない快活な気分を最高の人生の宝と称した。 その著作は断片を留めるのみ。 5) Marie Gräfin d'Aulnoy (1650-1705) フランスの童話作者。その『仙女物語』Contes de fées (1782) はドイツ語にも翻訳された。 *** 続いて 第I部・第1巻 へどうぞ。 クリックしてください *** *** 目次 へもどる *** |