平成13年6月10日、Aさんは旭川地検の次席検事による3度目の事情聴取をうけ、同時に「起訴は難しい」との説明をされた。

検事の説明に対し、Aさんは事情聴取のみでも酷く疲労しており、涙を流すばかりであった。

Aさんは、帰宅後、自らの考えをまとめて、再度検事と地検内の『被害者ホットライン」に文書を送付し、以下を伝えた。


私は、何度も申し上げますが、言葉にならぬ深い憤りと悲しみ・苦痛で張り裂けそうな状態でおります。

誰でも罰せられたくなどありません。どんなに酷いことをしてしまっても、逃げられれば、それが、刑法で言う「犯罪」にならなければ、罰せられない。その、論理には私も納得はしているつもりです。
しかし、何度も、私個人は、申し上げます。「起訴は極めて難しい」というお話とその理由のご説明には、残念ながら全て納得出来ません。私の家族や婚約者、弁護士や市民の皆様以前に私は、そのご説明に、全く納得が出来ません。

確かに私は、誹謗中傷のなか、何とか告訴・提訴を継続しております。
しかし、私は例え「無罪」になっても、まずは必ず起訴して頂きたいのです。私が悪くない・陳述に矛盾が無いとおっしゃるならば、それは個別への説明では無く、法廷で証明して頂きたいのです。

私は、警察官や検察の方々を信用されるために、虚為の陳述を重ねてきたのではありません。私の記憶を、事件の直後から何度も繰り返しているだけです。
本当に私のためならば、少なともまずは起訴をされて、法廷で立証して頂きたいのです。裁判は本当に怖いのですが、私は法廷で申し上げたいのです。もう、法でしか、私は話すことが出来ないからです。
私の被害も痛みも決して消せはしませんが、「あなたのため」に起訴をされないという論理は、私への思いやりのお気持ちを間違われていると強く思います。

私は、旭川東警察署の初期の捜査に対して本当に深く強く言葉には言い表せない憤りと、私を馬鹿にされたのですねという強い虚しさ・痛みを自覚し続けております。私は、必死に警察までたどり着きました。調書作成の際申し上げたとおり、本当に私が「そこにいたからいけなかった。お前も共犯」なのか、知りたかったからです。

被疑者がまた家に来たら何をされるか分かりません。罰してほしいと言う以前に、安全を保証して頂けないか・助けて下さいと思い、警察しか思い当たらなかったのです。交番から道警の性被害相談電話、そして、促されて旭川東警察署の強行犯係まで、たどり着いたのです。口外したら許さないと言われ、報復されることが怖くて、でも、やはり行こうと決意し、どうか安全を守って下さい・どうか、もう私には二度と近付かない様にして下さいと、ずたずたの心身でたどり着いたのです。

私が申し上げたいのは、私への説明が不充分だったという以前に、何故、旭川東警察署は、私が独りで警察にたどり着いた時からすぐに、捜査をして下さらなかったのかということです。初期捜査に問題が無いなど誰が考えましょうか。どうして、被疑者の証言や証拠などをきちんと取って下さらなかったのですか。

検事のあなたは、「捜査中に告訴状が届いたから」とおっしゃいますが、残念ながら、私にはそれは到底納得出来ません。
私は、警察へ出向いた事を大学上層部の教職員達から責められ、「もう警察は学内のことには関与出来ないのです」と言われてしまったからこそ、何とか今度は、もっと多くの方々に助けを求め、弁護士と呼ばれる、警察同様非日常的な方々まで、たどり着くしかなかったのです。

旭川東警察署の初期捜査の不充分さ、それが起訴まで至れない、一番の原因ではないのでしょうか。
私の、真剣な気持ちをずたずたに踏みにじったのは、被疑者だけではありません。不充分な初期捜査のうえ、「これは罪では無い」と被疑者に言って返した旭川東警察署であり、加えて、告訴状を出した直後99年6月4日午前10時頃、私がお掛けした電話に対し、「(告訴状を検察に、弁護士では無く)君自身の意思で出したんだろう?君の意思で出したんだろう?」と怒鳴り、精神科医にお会いするだけの生活の私に対し、それを申し上げたところ「学校へ行け!!!駄目だ学校へ行かねば!!!気持ちを切り換えねば!!!」と怒鳴り続け、「こっちだって忙しいんだ!!!事情聴取してやるから、来い!!!」と電話を叩き切った、同じ強行犯係に所属されている男性警察官も、でした
事情聴取に付き添って下さった女性の職業が医大の教員と知るや否や、手をもみながら「お蕎麦でもお取りしましょうか」と言ったのもその男性です。

もう警察にはどうする事も出来ませんと言われ、苦しみながらやっとの思いで弁護士までたどり着き、そして記憶を喚起させ泣き吐きながら、陳述書を作り、捜査して下さいとお願い申し上げた私という人間を、旭川東警察署は、ずたずたに踏みにじったのです。

私から見れば、結局、旭川東警察署も旭川地検も、私という人間の訴えに耳を貸しては下さらなかっただけです。他の誰かの話では無く、自分の身に起きたことで、一般論で決して完全に理解など出来ません。虚しさや無力感に加え、吐きながら自覚する憤りを、これ以上どうして下さいますでしょうか。

他のどなたがどう憤りを感じているかという以前に、私は、私として、何故私はこんなに馬鹿にされ続けねばねばならないのであろうかと、感じております。


 被疑者を、刑法でどうか罰して下さい。私にしたことは、犯罪であったこと・やってはならないことだったと、公に明らかにして下さい。
お金の換算では無く、「刑事罰」を与えて頂きたいのです。

私はまだ、決して死ぬ訳にもあきらめる訳にもいきません。死人に口はないのです。

医学生だから、医師だから何をやっても許される訳では無いことなど明確であり、医師だからこそ、他の医療従事者同様白衣を着て市民の方々と向き合う職業だからこそ、より高い倫理感も要求されるのです。

まずは起訴をして下さい。
そのうえで、証拠が不充分なのは、私の陳述や証言に矛盾があったりそれが嘘の訴えと疑われる箇所があるからではなく、旭川東警察署の初期捜査に怠慢な部分があり、結果的に捜査が不充分で証拠が集められないままになってしまった事実に加え、私に対し、被害者への言葉とは信じ難い言動をされたことを、それは明らかに誤りだったと、市民に対する態度としては誤っていたと、今後決してその様な対応をしないよう努めると、公にも明確に謝罪して下さい。 

私は、当事者である本人として、非常に強い憤りと苦しみを重ね続けていることを、申し上げたいと思います。
いつまで、あと何度、歯を食いしばれば良いのでしょうか。あと何度、馬鹿にされ続けなければならないのでしょうか。
私は、起訴して頂きたいと心底願っております。被疑者をどうか罰して下さい。
捜査の不充分さや、対応の過ちも公に認め、謝罪して下さい。

私が偉いからでは無く、市民への態度として、より充分な対応を取って下さい。これ以上私を、馬鹿にする対応をどうか取らないで頂きたいのです。
どうぞ、宜しくお願い申し上げます。