判決後、マスコミ各社へ寄せたコメント (2002,3,12 )

「マスコミの方々へ」

 私は、他のどのような方々とも同じ、『人間』です。望まぬ性行為を強いられたり、金銭に代えられる『モノ』では、ありません。そう信じ、もう、金銭での賠償でしか問えぬ民事訴訟を、私の生き直す過程の一つとして捉え、何とか続けて参りました。
 させられたことは、私のなかで一生消えません。また、被告と同様、私にも、勉学や就職への強い夢、希望がありました。私は本当に、本当に、保健医療従事者の、保健師に、なりたかったです。悲しみや苦痛は言葉にできぬほどです。被告には、人間として、自らの言動を恥じてほしい。
 私は、被告がまず第一に起訴され、刑事訴訟法で裁かれることを、心底望んでおります。金銭の賠償以前に、起訴されることを、第一に、強く望んでおります。

(筆者注 被告である加害男子学生は、99年夏旭川医科大学により「無期停学」の処分を受けたが、翌年夏ごろ約1年で処分が解かれ、医学部医学科に復学した。理由の説明を求め大学を訪れたA子さんやその弁護士に対し、大学は「これはセクハラではない」「もう終わったこと。当時の書類も残っていない」「男子学生は『被告』ではない」などと言い、具体的には何等説明も開示もしなかった。復学した被告男子学生は元気で、部活や飲み会などにも参加しており、2002年3月16日から18日にかけて行われた医師国家試験も受験、今春には大学を卒業し医師として旭川医科大学の医局に入局し、勤務する見通しと思われている。)