RV2400/RV25 コンパチブルシングルアンプ
初期の大型増幅管、テレフンケンのRV2400(=RV24)のシングルアンプです。RV2400はドイツの戦前の業務用音声増幅管で、戦時中は一部のモジュレーターにも使われていたそうです。純タングステンフィラメントの大型ダブルエンド構造です。管内は極めて簡素清浄で、個々のフィラメントの周囲にグリッドが巻かれている初期の構造の真空管です。
リードのMK400ボンネット付きケースにメーター取り付け用の10cmのアルミチャンネルを使ってかさ上げして、背の高いRV2400が余裕を持って入るように工夫しました。メーターは横河製でDC1kV、DC100mA、AC15V、AC5Aの4種類です。使用真空管は、テレフンケンのRV2400YをメインにSTCの6J5Gが2本と日本マツダの5R4GYでまとめました。オールドイツ管で構成したかったのですが、スペースの関係もあって、やむなく独・英・日の三国構成になりました。
RV2400のフィラメントは、純タングステンで13.6V4.4Aと多飯食らいです。純タングステンは、ラッシュカレントに弱いので専用に200Wのスライダックを使って、ジワジワと上げるように気配りをしています。このやり方は、大型の送信機で良く使われる手段です。
回路構成は、タムラのA351を使ったトランス結合2段増幅でRV2400を振っています。RV2400の規格は不明な点が多いこともあり、できるだけ長く働いてもらいたいので、初期の規格を参考にしてかなり内輪で使用することにしました。配線はいつも通りのサーマックスの0.5SQテフロン線とAC1次側が国産の0.75SQテフロン線、RV2400のフィラメントは2SQのグラスファイバー耐熱線を使っています。出力トランスは、タムラのF475(2次操作で10kΩ)、チョークコイルがA395(10H)、電源トランスが旧タンゴのMS125(400V120mA)です。
5R4GYは、入力側が10μF630Vのフィルムコンで、出力側は最初は47μF500Vでしたが、実測で530Vあったので、急遽75μF630Vのフィルムコンに変更しました。この関係で、シャーシに3.2mmの穴が余計に1個開いてしまいました。RV2400のソケットは4mmのガラスエポキシ板にタップを切ってバナナクリップの先端を埋め込んだものです。今回も出来るだけ特殊な部品は使っていません。パネルメーターは、電子部品取扱店で型式を指示すると特注で@¥2000ぐらいで作ってくれます。
このアンプの音は、今まで聞いたことのない艶やかで浸透力のある澄み切った音色です。また低域も程よく、聞き疲れしません。唯一欠点と言えば、「電気食い」ということでしょうか?フィラメントは交流点火ですが、高圧側のトランスとフィラメントトランスの位相を調節することでハムが打ち消され、良好です。
動作 | プレート電圧 | プレート電流 | グリッドバイアス | 負荷抵抗 | 出力 | プレート損失 |
初期の規格 | 440Vmax | 不明 | - | - | - | - |
後期の規格 | 1500Vmax | 75mAmax | - | - | - | 100W |
本機の動作 | 485V | 45mA | -45V(1kΩ) | 10kΩ | - | 22W |