K1694ラインアンプ
CD用のラインアンプで30Hのチョークコイル負荷です。
本機は、CDとパワーアンプの間に入れるラインアンプです。作るきっかけは、CDから直接パワーアンプにつないでいたのですが、ゲイン不足が感じられたためです。できるだけ簡素な回路で、素直な特性を求めました。真空管候補は、MH4,REN904,K1694,5693(3結),6SF5です。MT管も考えたのですが、味気ないので止めました。
私は、真空管アンプはまず外観だと思います。「見てよく、聞いてよい」これでしょう。最近の製作記事の中にはどう見ても使い古しと思えるシャシに組んだものや取り付けたトランスが歪んだもの、内部配線が見るに耐えない乱雑なものなど見苦しいものを見かけます。使用部品について熱く語るのも結構ですが、プロならそれなりの見栄えのある作品を発表して頂きたいものです。
ラインアンプの話しに戻りまして、手持ちの部品を物色するとタンゴのTC30−50(30H50mA)が2個とST30S(プリアンプ用電源トランス:260V30mA)が出てきました。チョーク負荷は、回路が簡単でかつ電流が流せて力強い音色になるので、これに決めました。出力トランスを使って600Ω引出しも考えたのですが、パワーアンプの入力インピーダンスが600Ωではありませんし、良質の出力トランスは高価なので止めました。
さて、真空管ですが、5693をわざわざ3結にするなら6C5があるし、6SF5もメタル管だからシールドケース不要なのですが、アメリカ管はなんとなく面白味がないので止めました。
ということで、MH4,REN904,K1694ということになります。この3本は増幅度が30〜40と本機のような単段増幅に手頃です。ドイツ管が好きなのでREN904にしたかったのですが、予算的にも保守も厳しいので同特性のK1694に決めました。この真空管は、メタルコートされていてそれがカソードにつながっていて、メタル管同様にシールドケースなしでも良好なSN比が得られます。また、比較的安価に入手できるようです。回路は、至って簡単で規格表通りの動作です。ヒーターは、2本直列にして17Vからブリッジ整流後、抵抗で8Vに下げて直流点火してあります。抵抗で下げることで点火時の突入電流を緩和しています。負荷は、30Hのチョークコイルで10μFのコンデンサーを介して引き出しています。