日本の送信管 その3〜セラミック管

プレート損失の小さい順に並べています。大きさの比較用に単3電池を並べてみました。
日立のTV用送信管の、2T72Rと4F16Rです。2T72Rは、プレート損失40Wで1500MHzまで使用できる小型三極管です。

4F16Rは、プレート損失115Wで1215MHzまで使用できる4極管です。単3電池と比べても判るように小さいですが、100W以上のプレート損失があります。強制空冷セラミック管の優れた点です。

NECのUHF帯域送信管の2C39A(刻印)です。プレート損失は、100Wで強制空冷です。fmaxは2.5GHzで、使用周波数の上昇に合わせてヒーター電圧を下げなければいけません。

UHF帯域の送信管、2C43です。JAN-CG-2C43が2本とNECのもの(右端)が1本です。NECのものは、ASDF-NE-2C43、1970-2と記入されています。規格は、ヒーター6.3V0.9A、ウォームアップタイム60秒、増幅度:μ=48、プレート損失12Wです。強制空冷でない分、2C39Aに比べてプレート損失が小さいです。連続で1.5GHz、パルスで3.37GHzまで使用できます。

東芝の5F20RAです。米国の4CX250Bと同特性のプレート損失250Wの強制空冷4極管です。この真空管は、NDS規格のものです。

日立のTV用送信管5F60Rです。豪華?な金メッキがされています。プレート損失450Wで1215MHzまで使用できます。

東芝の6F50Rです。米国の4X500A同等管で、プレート損失は500Wです。

NECのTV用送信管の6F62Rです。プレート損失600Wで250MHzまで使用できます。

日本独自の6T85Rです。セラミック管でプレート損失800W、フィラメント5V22Aの強制空冷VHF帯の直熱3極管です。大きな金属の塊がプレートでリング状のものがグリッドです。風洞を使って強制空冷で使用します。真空管としての働きは、当然管の内部です。

東芝の7F37Rです。フィラメントは低電圧大電流タイプで4V35Aです。プレート損失1kWで130MHzまで使用できます。業務用のFM局のファイナルに良く使われていました。

JRCの直熱4極送信管の7F43Rです。海上自衛隊の特殊船舶のファイナルに使われていたそうです。桜のマークがあります。プレート損失は1kWで、アマチュアの間では4−1000Aのセラミックバージョンとも言われています。

日本独自の7T84RBです。フィラメント6.3V22Aでプレート損失1500Wと強力です。110MHzまで使えます。

JRCの直熱3極管の7T80Rです。プレート損失は2.5kWで、フィラメントは13V36.5Aです。強制空冷のガラスシールですが、とても頑丈かつ丁寧に作られています。

NECのプレート損失4kW送信管、7T25Rです。フィラメントは、リード線引き出しでセンタータップが付いています。ガラス封じでずしりと重い、さすがプレート損失4kW!と思える送信管です。

NECの強制水冷管、7T70です。プレートに1/4インチの銅パイプが巻かれています。工業用の真空管ですが、詳細な規格は判りません。

東芝の強制水冷管の8T30Aです。フィラメント12V40Aでプレート損失6kWです。銅の棒状の物がプレートで毎分20Lの水で冷却して使用します。fmaxは30MHzです。同特性管に強制空冷の8T30Rと旧型ガラス封じの強制水冷の8T30があります。

東芝の強制水冷管の8T87Bです。フィラメント8V180Aでプレート損失30kWととんでもない規格です。8T30Aと同様で銅の棒状の物がプレートで強制水冷して使用します。fmaxは40MHzです。重量は、4.5kgもあります。同特性管に強制空冷の8T87RBがありますが、プレート損失は20kWと少し小降りになっています。