GERMAN POST TUBE (初期〜Cタイプ)

シーメンスの初期Boです。トップシール、ゲッタなしで円筒プレートが特徴の珍品で、最初期のものは板プレートです。

後にメッシュプレートになりました。

シーメンスの水平プレートのBoです。電極構造は水平に配置した2枚のプレートの間を直角にグリッドとフィラメントが通っている構造です。ステムは通常の真空管と同じで、トップシールのものに見るようなガラスによる支え棒はありません。

フランスRTのBo同等管のPTT0です。後期のアンドン型プレートになっています。

シーメンスのAa、初期のトップシールです。時代的には、メタルコートのものの方が古いようです。メタルコートの中は板プレートになっているらしいです。Boの後継管です。

シーメンスのAa、戦後のストレートタイプです。通称イエローリボンと呼ばれるタイプで、保守用に少量生産されたらしいです。電極は板プレートから通常のアンドン型に変更されています。現存数は、戦前のトップシールの方が多いです。

よく見かけるバルボのAaです。ナス管ですが、比較的安価に入手できるようです。3本吊りのフィラメント等、大変丁寧な造りの真空管です。

左からシーメンスのBa(トップシール、ゲッタなし、板プレート)、SIFのBa(トップシール、板プレート)です。板プレートの真空管は、ガラス棒を使って板状のプレートを組み合わせてグリッドとフィラメントの間隔を保ちながら保持をしている職人的な技が冴える逸品です。初期のウエスタンのテニスボールチューブも同様の作りになっています。次はシーメンスのBa(メタルコート)です。意外とこれは見かけません。

シーメンスのBa、こちらは後期のST管です。

AEGのBaでST管ですが、板プレート構造の珍しいタイプです。

シーメンスの最後期のストレートタイプ(イエローリボン)のBaです。一時期、保守用に生産されたものであまり現存していません。3本並べてみました。構造は全く異なるように見えますが、電気的特性は当然ながら同じです。

珍しいオーストリアのトリオトロンのBaです。電極は通常の3極管です。

フィリップスのBe同等管のPT31です。メタルコートで中は見えませんが、直熱3極管です。

シーメンスのCa(トップシール、ゲッタなし、板プレート)です。大きさは45のナス管ぐらいの大きさですが、プレート損失は5Wで音声出力も0.2Wとなっています。

バルボのCaです。バルボのCaは、良く見るとプレートの横にグリッドにつながる板状のものが平行に配置されています。目的は不明です。この構造は、戦後の新型管にも引き継がれています。

RWN(RWN NEUHAUS)のCaです。このCaも先のバルボのCa同様、プレートの横にグリッドにつながる板状のものが平行に配置されています。プレートの幅が広く、ちょっと変わった感じがする真空管です。

シーメンスのCdです。形状は新型のナス管ですが、電極は板状ではありません。ガラス棒を組み合わせた古典的な構造です。型番から判るようにCaの改良版です。

CeもCaの改良管です。メタライズされているので内部は判りません。この真空管は、戦後の新型です。


<規格>

名称 フィラメント
電圧(V)
フィラメント
電流(A)
プレート
電圧(V)
プレート
電流(mA)
グリッド
電圧(V)
gm
(mA/V)
内部抵抗
(Ω)
増幅度 負荷抵抗
(Ω)
出力(W) プレート
損失(W)
Bo 1.7 0.07 135 1 -2 0.6 40000 25 - - -
Aa 3.8 0.5 220 3 -2 1 30000 30 30000 0.01 2
Ba 3.5 0.5 220 3 -6 0.6 25000 15 25000 0.06 2
Be 3.8 0.16 130 8 -4 2.4 5000 12 5000 0.06 3
Ca 3.65 1.1 220 20 -12 1.7 4100 6.8 4100 0.2 5
Cd 3.8 0.5 130 25 -8 3 2000 6 2000 0.15 4
Ce 3.8 0.5 220 20 -12 1.7 4100 6.8 4000 0.2 5