ドイツ軍用管（増幅管）
ＲＶで始まるＡＦ帯域の増幅、変調が主の真空管です。比較的大型のものをＵＰしました。
テレフンケンの初期の出力管、ＲＶ２１８Ⅲです。初期のトップシールで、後期にはシール部分がベースに収納されたタイプになります。しかし、後期のものはあまり残っていないようです。ベースは、通称「メス型」といわれる特殊な形をしていますが、短いタイプのバナナピンがそのまま使えますので、ソケットの自作は簡単です。フィラメントは、７．２５Ｖ１．１Ａですが、電流優先タイプです。
テレフンケンのＲＶ２３９です。ＲＶ２３９は、プレート損失３２Ｗの３極管でタングステンフィラメントです。増幅度が小さくバイアスが－１８０Ｖと高く、負荷抵抗も高いですが、１０Ｗの音声出力が得られます。たぶん、複数本を並列で使っていたものと思われます。ハーケンクロイツの紋章が美しく残っています。私のお気に入りの１本です。
テレフンケンのＲＶ２５８はＲＶ２３９の姉妹管で増幅度を大きくしてバイアスを－８０Ｖに下げた真空管です。グリッドのピッチが異なるだけで、外観はほとんど区別できません。規格は、前述のＲＶ２１８の耐圧を８００ＶまでＵＰして出力が取れるように改良したものです。ＲＶ２５８はフィリップスのＥ７０７とシーメンスのＥａが同等管となっています（Ｅａについでは疑問）。ＲＶ２１８－ＲＶ２３９－ＲＶ２５８と並べてみました。いづれもドイツを代表する希少な戦前の出力管です。
クラングフィルムのKL７２４０１です。この真空管は、テレフンケンからのOEMでRV２５８そのものです。クラングフィルムは、真空管製造をしておらず他社からのＯＥＭで対応していました。
バルボのLK７１１０です。RV２５８同等管ですが、ベースがベークライト製になっています。電極は、フィリップス特有の碍子とスプリングを組み合わせた大変丁寧な造りになっています。
テレフンケンのＲＶ２７１です。ＲＶ２７１はプレート損失が１００Ｗの３極傍熱管で、後述のＲＶ２７１Ａより一回り電気特性は小型ですが、外形は同じです。プレートのひだがＲＶ２７１Ａの４枚から２枚と少なくなっています。
テレフンケンのＲＶ２７１Ａです。３０ｃｍ級の大きな真空管です。プレート損失１５０Ｗの傍熱３極管で、ダブルエンド構造でプレートは上部のみで支えられています。これも増幅度が小さく、－１５０Ｖものバイアス電圧を必要とします。最大５０Ｗの音声出力が得られます。多分、複数本を並列で使っていたものと思われます。管壁には、ハーケンクロイツの紋章が入っています。
テレフンケンのＲＶ２４００Ⅵ（＝ＲＶ２４）です。１９２０年代の旧タイプで、とても状態の良いものが入手できました。後述のＲＶ２５の姉妹管で直熱３極管です。平行に張られた２本のフィラメント（純タングステン）にそれぞれグリッドがあって内部で並列に接続されています。また、プレートが上部からのみ固定されています。ゲッタはありません。
テレフンケンのＲＶ２５Ⅸです。型番からすると大変古い開発になります。純タングステンフィラメントの直熱３極管で、プレート損失１８０Ｗのダブルエンド構造でプレートはジルコニウム塗布で上下で支えられています。ゲッタはありません。平行に張られた２本のフィラメントにそれぞれグリッドがあって内部で並列に接続されています。状態の良いものはまづ見かけない稀少な逸品です。
テレフンケンのＲＶ２５タイプ１１です。グリッドの構造が改良されて、通常の真空管の構造になっています。この真空管は戦後の保守用ではないかと思いますが、状態の良いものはまづ見かけない稀少な逸品です。
クラングフィルムのＫＬ７５４０６です。この真空管は、テレフンケンからのOEMでRV２５そのものです。クラングフィルムは、真空管製造をしておらず他社からのＯＥＭで対応していました。
テレフンケンのＲＶ２１０です。トッププレートの傍熱３極管で管内いっぱいにおおきなプレートが入っています。５０に良く似た規格です。<規格>