ドイツ軍用管(小型送信管 3極管)
小型無線機用のテレフンケンのRL12T2です。米国のエーコン管の対抗するようなピンが横に出た構造ですが、モールドベースで固定されていることから、抜き差しによる破損に対して強固になっています。これらの真空管は、管全体をソケットに挿入して使用します。
ローレンツのRL2.4T1です。
RL12T2の弟分、テレフンケンのRL12T1です。プレート損失1Wの小型管ですが、造りはしっかりしています。これもRL12T2同様、小型無線機に使われていました。
テカデのRL2T2です。RL2T2は、ラジオゾンデに使用されていた真空管で、ハーケンクロイツのマークが入っています。ソケットは入手が困難です。
テレフンケンのRS394です。小さい傍熱型3極送信管ですが、グラファイトブロックを組み合わせたプレートで損失は20Wあります。この真空管はゲッタがありません。30MHzまで使用できます。非常に特殊な電極構成とベースの希少管です。
テレフンケンの航空機用傍熱3極管のLD1です。プレート損失は5Wです。使用周波数は、なんと1200MHzです。レーダーに使われたものと思われます。
テレフンケンの航空機用傍熱3極管のLD2です。プレート損失は12Wです。使用周波数は、600MHzです。これもレーダーに使われたものと思われます。後述のLD5と3本並べてみました。プレート損失に合わせてだんだん大きくなってゆきます。
テレフンケンの航空機用傍熱3極管のLD5です。プレート損失は25Wで増幅率は20です。使用周波数は、なんと850MHzです。これもレーダーに使われたものと思われます。
ローレンツのRD12Taです。レーダー用の特殊な真空管で、プレート損失5Wの傍熱3極管です。特殊なベースです。
ローレンツのRD12Tfです。レーダー用の特殊な真空管で、この構造でプレート損失75Wの傍熱3極管です。プレートは、グラファイトを組み合わせた構造で前述のRS394に似たところがあります。取っ手が付いていたりしてとても面白い真空管です。手作りのソケットです。4mmのガラスエポキシ板に通風のことも考慮して、MILのメタルコネクターを分解した銀メッキのピンを埋め込みました。足が多いこともあって、勘合は良好です。
ローレンツの傍熱3極管のS321です。大変堅牢に作られた送信管です。S321は、ローレンツのみが製造したようです。
テカデのRL12T15(カーボンプレート)とテレフンケンのRL12T15(板プレート)です。テカデのRL12T15はプレート損失15Wにもかかわらず頑丈なカーボンプレート仕様になっています。B級プッシュプルで音声増幅や変調に使われることもあったようです。ソケットは特殊なUVに良く似た形状です。バヨネットピンにカソードが引き出されています。
テレフンケンのRS241は戦前のドイツ国有鉄道の所有が記されています。ちょうどRE604のグリッドピッチを変えただけのようです。規格はRL12T15に良く似たB級プッシュプルで音声増幅や変調に使われたようです。
テカデのRS241同等管の4C5です。形状がナス型からSTになっていますが、電極はテレフンケンのRS241にとてもよく似ています。プレートは、高圧対策(と言っても400Vですが・・・)としてステムの脇から通してあります。
テレフンケンのRS242です。RS241に非常に良く似た特性ですが、フィラメントが通常のオキサイド型になっていて、大きさも一回り小型になっています。
テレフンケンのRS245です。3極直熱管で、ヒーターは2V1.7A、プレート損失は10Wです。管上には、プレート、グリッド、フィラメントの中点が引き出された希少な真空管です。1942年製の軍用です。