ドイツ軍用管(小型送信管 5極管)

テレフンケンの航空機用出力管LS50です。ソケットは全体を挿入する特殊な形状です。右のものはロシア製でGU50(=LS50)用ですが、センターキーの位置決めができるようになっているのでLS50にも使用できます。球の固定の仕方が若干異なりますが、ドイツ製のコピーといっても良いと思います。

同じく汎用送信管のRL12P50と改良版のRL12P50A(いづれもLS50と同特性)です。トップにプレートとサプレッサーグリッドが引き出されています。50Aの方は、さらに上部のシール部分に赤いキャップが設けられて破損防止の対策が施されています。専用のソケットは、サイドコンタクトのような変わったものです。

ローレンツの航空機用高周波帯域増幅管LV1です。「L」はLuftの「L」で航空機用を示し、耐震,気圧変動等に優れています。

バルボのRL12P10です。1944年製造(ハーケンクロイツマーク)です。右のものは、ラッカー仕上げですが、良く観察するとメッシュプレートになっています。ベースは、RL12P50と共通です。規格は6F6クラスの5極管で音声出力から発振まで広く使われていたようです。

小型無線機用のローレンツのRL2.4P2です。米国のエーコン管の対抗するようなピンが横に出た構造ですが、モールドベースで固定されていることから、抜き差しによる破損に対して強固になっています。これらの真空管は、管全体をソケットに挿入して使用します。

バルボのRL2P3とソケッとです。この真空管は、ガラス部分が保護ケースに入っていて、本体全体をソケットに挿入する構造になっています。真空管は保守用のものが残っていて入手できますが、ソケットのほうは機器に取り付けられている関係から、入手はなかなか困難です。

テレフンケンのRS389です。円筒状プレートの5極管でトップはプレートです。この真空管は、1942年製です。

汎用送信管のテレフンケンのRL12P35で、プレート損失35Wです。こちらも音声増幅にも使われていたようです。

テレフンケンのRS288です。メッシュシールド付きのメッシュプレートの珍しい小型送信管です。プレート損失は、12Wです。

テレフンケンのRS289、タイプUです。RS288とよく似た感じですが、こちらはプレートが円筒形になっています。タイプV以降は、通常のプレートになりました。ヒーターが灯ると大変美しいです。

  テレフンケンのRS289、タイプV(1939年)とタイプW(1941年)です。タイプVのプレートは、緑っぽい灰色から酸化ニッケル処理がされていると思われます。タイプWのプレートは、よく見かけるアルミクラッド鋼板です。プレートのサイズも少し短くなって、より簡素化されていることが判ります。先に紹介したRS389に大変良く似た小型送信管です。