45属

米国を代表する3極管の45です。初期のナス管から後期のST管まで、ほとんどのメーカーが製造していたこともあって、バリエーションはとても豊富です。最近では、「素直な音がする出力管」として、2A3と人気を2分しています。

デフォレストの445(刻印)です。世界で一番最初に3極管を作ったメーカーとして有名です。この445も大変丁寧に作られています。45属の中では、ほとんど見かけない希少な真空管です。

次は、おなじみのカニンガムのCX-345(刻印)です。RCAに納めていた関係もあって、RCAの245とそっくりです。

ナシュナルユニオンの前身のテレヴォーカルの245です。造り的には前述のデフォレストの445とほぼ同じです。

レイセオンのER-245(刻印)です。レイセオンがまだエバレディーレイセオンと名乗っていた頃に発売された希少な真空管です。ボックス型で「RAYTHEON]のエンボスが特徴のプレートと4ピラー構造のとても丁寧な造りの真空管です。

形状がST管になったレイセオン4ピラータイプのER-45(刻印)です。プレートはボックスタイプ(左)とノーマルタイプ(右)があります。

トライアッドのUX-245(刻印)とフィルコのUX-245(刻印)です。45属のバリエーションとしては、このほかに@アーチュラスの青ナス、A中小メーカーのメッシュプレートのナス管、Bシルバニアの葉っぱシール付ナス管(刻印)などが有名です。

おなじみのST管の45(レイセオン)と(アーチュラス、刻印)です。

日本製でDON(ドン)のみが生産した45の改良版の超45です。プレートにDONのエンボスとフィラメントの4本吊りが特徴です。この他に最初期のナス管とトップマークで茶色ベースのものがあります。この真空管は、4本吊りのフィラメントのうちの内側の2組が切れやすく、また戦火の関係もあって、良好なものはほとんど残っていません。規格は45とは少々異なり、また大きさは2A3相当です。

これも日本独自の45の傍熱管のUY-45Hです。主に、放送局のモニターアンプに使われていました。フィラメントの代わりに6.3V0.4Aのヒーターを有するカソードが2本、内部に並列に設けられています。プレートには、このカソードの位置にフィンが設けられています。カソードの近傍の温度上昇を押さえるためだと思います。大きさは2A3相当で、ベースはUYの76と同じピン配置です。

ハインツカフマンのVT52は、VT52のなかでも一番大きいタイプです。規格についてはいろいろな意見がありますが、フィラメントは6.3V1A(ウエスタンも)でプレート損失は10Wの45同等です。6.3V仕様の45と考えてよいでしょう。

ユナイテッドエレクトロンのVT52ですが、中身はレイセオンの4ピラーです。OEMで作らせたものだと思います。


<規格>

名称 フィラメント
電圧(V)
フィラメント
電流(A)
プレート
電圧(V)
プレート
電流(mA)
グリッド
電圧(V)
gm
(mA/V)
内部抵抗
(Ω)
増幅度 負荷抵抗
(Ω)
出力(W) プレート
損失(W)
45 2.5 1.5 180 31 -31.5 1.85 1800 3.5 3500 0.78 10
250 34 -50 2 1750 3.5 3900 1.6
275 36 -56 2.1 1670 3.5 4600 2
超45 2.5 1.8 250 35 -45 3.8 1450 5.5 3500 3
UY-45H 6.3 0.8 180 31 -31.5 1.85 1800 3.5 3500 0.78
250 34 -50 2 1750 3.5 3900 1.6
275 36 -56 2.1 1670 3.5 4600 2