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上高地
油彩(P20号) 2002年




過去に訪れた名だたる景勝地の数は決して多くはないが、 どこも見ごたえのある景観が広がっていて、その自然の美しさ雄大さに畏敬を感じたものである。

もう30年以上も前のことだが、初めて訪れ目にした上高地の風景は全てにおいて圧倒的だった。


その上高地で、今では叶わない貴重な体験をした。

手を伸ばせば底に届くほど浅い大正池の湖面で手漕ぎボートを楽しんだのだ。

水は限りなく透明で、底の砂地がキラキラと揺れ輝いていた。

悠然と聳える奥穂高の峰々を背景に、白い立ち枯れの木が点在する、いわゆる白骨林がその姿を湖面に映して、比するもののない「絵のような絶景」が広がっていた。その大正池も土砂の流入で縮小の一途を辿っているという。
この絵は小さな立ち枯れ一本で少し物足りないが、パノラマ的に湖面の広がりを出してみた。

日本が誇るこの山河風景をまた見に行こうと思う。