人にはそれぞれ憧れの存在、理想とする人物がいると思う。人生の拠り所となる偉大な先人であったり、肉親であったり。
私にとって憧れの一人が、17世紀に活躍したスペインの画家ムリーリョである。
|
当時の荒廃したセビーリャの街中にたむろする浮浪少年少女の生き様を沢山描いた。
画面に溢れるムリーリョの慈愛の眼差しに言葉を失ってしまう。
そんな作品の一つが、この“コインを数える少女”である。極貧の中でも逞しく生きる子供の笑顔には微塵の悲愴感もない。
|
人物と共に魅力を湛えているのが、右下の籠一杯の葡萄。私の静物画「葡萄」のコメントで言及したのが、このムリーリョの葡萄である。
|
|
|