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月下美人 「華」
油彩(F10号) 2002年 





初夏のある日、隣人の方が一輪の花を持ってきて、「この月下美人、絵に描いてみては!」と。

その華やかにして儚げな透明感のある白い花に目を奪われた。立派な大輪だった。
すぐさま花瓶に入れ描く準備を始めた。一夜にして萎むという話は以前から聞いていたので、写真を撮って消失に備えた。

花一輪の醸す表情から、思わず「月下美人」と命名した人の気持に唯々共感する。和の風情とも違う妖艶さは、サボテンの仲間であることと関係しているのだろう。

白という、本来清純無垢な色にもかかわらず情熱の花に感じられるのは、その強い香りの性かもしれない。

画面全体をモノトーンにしたのは白の色合いを主張した結果だった。この作品に続いてもう一つの『月下美人
()』を描いたが、その作品については別の頁で述べたい。こうして2つの月下美人を描く貴重な機会を与えて下さった我が隣人に感謝気持ちで一杯である。
『月下美人()