「・・・・・・・・ん?」 妙に寒くて目が覚める。空調が狂っているわけではない。一体どうしたのだろう。ふと、遮光カーテン越しに入ってくる光が異様に眩しい事に気が付いて、カーテンの端を?むと軽く引きあげた。 「・・・・・雪?」 一面の銀世界。空からは、今尚深々と雪が舞い降りていた。 「・・・・どぉしたのぉ?」 どうやら、隣で寝ていた筈のベッドの主人が居ない事に気が付いて起きてしまったようだ。 「夕べ、寒かったから雨が雪に変わってしまったようだ」 その言葉にエクセレンは、毛布を身体に巻きつけてベッドから降りるとキョウスケの少し開けたカーテンの隙間から外を眺めやった。 「本当、真っ白」 二人で覗いたせいか、窓が見る間に白く曇ってしまう。 「さむっ・・・・・・」 「寒ければ、服を着て寝ればよかっただろう」 「だって、シャワー浴びて下着を着けてでて来たまでは良かったけど、キョウスケったら余韻も何もなく寝ちゃってたでしょおっ?」 「・・・・・すまん」 百戦錬磨の兵も眠気には勝てない様だった。 「だから、下着だけで寝ちゃったのよね。朝、脅かしてやろうと思ったから」 身震いをしてキョウスケに身体を無意識に擦り寄らせた。 「これなら、暖かいだろう」 背中からエクセレンを抱きしめる。多少なりとも暖かくはなる筈だから。 「うふふ、キョウスケったら、優しい」 「そうか?」 「いつも、そうなら良いのにねぇ」 首筋に当たるキョウスケの吐息に少し頬を赤らめながらぽつりと呟いた。 「・・・・・・それは、無理だ」 搾り出される小さな声。 「ふぅーん。まあ、いっか。キョウスケが何時だって優しいのは判っているから」 「・・・・・・・・」 深々と降りしきる雪は、まるで、レースのカーテンの様。 暫しの沈黙が、とても長い時間に感じられる、そんな一時。 「ねぇ、もう一度、寝直しましょ?」 「そうだな」 ひょいっ、と、抱き上げると既に冷え切ってしまったベッドの上にその身体を下ろす。身体を離そうとした刹那、 「・・・・ねぇ、寒いから、このまま抱きしめてて」 駄目?という表情を浮かべる。 「・・・・・・・・わかった」 エクセレンの身体を押しやる様にしながら、ベッドに身体を滑り込ませる。 「うふふ、キョウスケの身体、温かい・・・・」 「・・・・・・・・お前もな」 「・・・・・・・・・うふふ、」 「・・・・・・・・・・ばか」 |