概略。 取り合えず、簡単に簡単に説明したい。 宗教学専攻してたと言っても、イスラームは専門外なもので、間違っている所もあるでしょうが、各人の興味を引いたらそれが本望。正しい内容は各自で勉強されたし。っつーわけで、話を進める。 まずはイスラームは世界三大宗教の一つであるということ。 イスラームは、日本では一般にイスラム教と呼ばれ、創唱者(開祖)はムハンマド(マホメット)。教典は『コーラン(クルアーン)』であり、創唱宗教と呼ばれるモノである。(回教とか言うね) また、キリスト教、仏教と並ぶ世界三大宗教の1つに数えられ、信者(ムスリム)の数は中東を中心として約10億人という規模の大きい宗教でもある。(創唱宗教・世界宗教については『最后的道教事典』参照のこと。…何?ない?じゃ、買って♪在庫あるし) ちなみに、『イスラーム』は「帰依する」という意味の言葉で、唯一絶対神アッラーに帰依することを意味している。そして、イスラム教徒のことは「ムスリム」と言う。 聖地はメッカ・メディナ・エルサレム。 エルサレムに関しては、キリスト教徒と所有を争っていたのはあまりにも有名。(元々、十字軍ってのは聖地奪還の為に法王の名の下に組織されたものだからね) 神はアッラーと呼ばれる。意味としてはアラビア語における「神」という意味を持つ『イラーフ』に定冠詞『アル』がついたもので、要するに『ザ・ゴッド』という意味らしい。 尚、「アッラーの神」とか言うと、『神の神』という意味になってしまい、「チゲ鍋」(チゲは韓国語で鍋の事)と同義になってしまうお間抜けさが漂う。注意しよう。 預言者ムハンマド。 イスラームを創唱したのは西暦570年頃にメッカで生まれた商人、ムハンマド(マホメット)である。結構裕福な一族に生まれたらしいが、幼くして両親と死別するなどの苦労をしている。(詳しくは各自で調べましょう) ムハンマドはイスラームの教義の中では最後にして最高の預言者とされる。 預言者。つまり神の声を聞き、他の人々に伝える仲介者。文字通り、「神の言葉を預かる者」と解される。 ここが重要。ムハンマドは神の言葉が聞けるだけで、極普通の人とされているのである。 イエスのような「神の子」「救済者(メシア)」でも、釈迦のような「仏陀」「覚者」「超越者」でもないのである。ただの人。結婚もすれば、ものも食う、普通の人間だとムハンマド自身も言っているそうだ。 教義。 『コーラン』を読め。 そう言ったらそれまでなので、一応真っ当にいこう。 イスラームの教義は、ムハンマドが受けた啓示に集約される。啓示が『コーラン』なら、言行は『ハディース』。そして、その両者から抽出された規範が『シャリーア(聖法)』とされる。これが生活の根底にあると。(…確か) 『シャリーア』は「水場に至る道」を意味し、これについては、東大の中村廣治郎教授という人が『イスラム 思想と歴史』の中で説明しているそうなので、読んでみて下さい。 実は(実はと言う程の事もないが)、イスラームの教義はアラビアの実生活に即しており、その為に必要な生活の知恵がふんだんに取り込まれている訳なのである。 神の下の平等。 イスラームの教義の中で、世界宗教に発展した要素の一つに「神の下の平等」がある。人種・性別等々の区別なく、アッラーの下では全ての人間が平等とされる。いい教えだよな。イスラームの中じゃ男女区別はされてるけど、人種差別ないし。もっとも、世界宗教じゃ『神の下の平等』(仏教は単に平等。神の存在はないから)は当然謳われてるものなんだけどね。人種差別…と言うか、選民思想のあるのは普通民族宗教だからね。 聖遷(ヒジュラ)。 迫害を受けたムハンマドを頭とするムスリムの皆様がメッカからメディナへ避難した事である。 そしてメディナでウンマ(共同体)を作ったそうだ。 聖戦(ジハード) イスラームを脅かす敵に立ち向かい、イスラームを拡大する為の戦いのこと。 …なんだけどね。脅かさない異教徒に対して刃を向けろとは言ってないんだよ。解釈は色々あるし、主義主張の問題もあるけど。 有名な聖戦には「バドルの戦い」がある。 メッカ巡礼。 ムスリムの皆が望む、聖地巡礼。成し遂げた人は「ハッジ」と呼ばれ、尊敬される。 元は、死期を感じたムハンマドがメディナからメッカに戻った道筋を辿る旅のこと。 宗派。 有名どころで、イスラームは「スンニー派」と「シーア派」に大別できる。 「スンニー派」は現在のムスリムの9割を占める多数派で、過激な行動を好まず、統一と団結を尊重し、相違点より合意点を見出そうとする現実的な態度が特徴。つまり、穏健派。現実派。 理想はムハンマドの時代だが、現実を容認しているのである。そして、預言者や導師(イマーム)達を神格化する事無く、偶像崇拝をしない点で「正統派」でもある。 ちなみに、最高指導者はカリフと呼ばれる。 「シーア派」は「スンニー派」のムスリムを除く1割しかいない少数派で、ムハンマドの時代を理想とし、スンニー派のカリフを認めず、4代目カリフ「アリー」の子孫である『イマーム』を最高指導者としていることに特徴がある。 現代社会を不正とし、理想が現実に勝るべきだとしている…らしい。また、少数派の上に、内部で更に細かく分派している。そういえば、イランとかはシーア派だったかな。 ちなみに、最近言われる「イスラム原理主義」と言うのは、「ウスーリユーン」と呼ばれる根源派の事で、イスラム教義の解釈の多様化と偏向化に対する『コーラン』と『ハディース』の二大基本に戻ろうとする運動の事で、厳密に走りすぎると、過激なテロに走る人もいるらしい。 関係ないが、藤原の野望である「Al-Kahira」の登場人物では、カリフ・アーディドが「シーア派」。サラディンは「スンニー派」である。(史実でもそうだよ) 終わり。 甚だ駆け足で簡単で省略しまくりではあるが、一応「イスラームについて」と言うことで。 最近のテロ事件等で色々に取り沙汰されるが故に誤解や偏見もあると思ったので、書いてみた。 一応、うちのサイトは「民俗」謳っているので、判断の為の情報は多いに越したことはないと思うし。 適当な、人づての情報だけで判断するのはまずいでしょ。だから、きちんと理解した上でモノは言いたいから。 ただ、それだけ。 これでイスラムについて興味を持たれる方がいたら恐悦至極。(次は仏教かしら?) ではまた。 |