入間第二用水・赤間川(その1)
探検日 2005年10月


「入間第二用水?なにそれ?」と家族からすら不審に思われる始末。
確かにトトも最近までこの入間第二用水の名称すら知らなかったのですが、
でも本当は昔からとっても縁が深かったような気がしています。

今回の探検目的は、入間第二用水(以下「用水」という。)の流れの始まり(上流端)と、
おしまい(下流端)はどこかを調べてみようというものです。

この用水には赤間川という名前がついており、下流で一級河川新河岸川となります。

用水を管理している(ような気がする)、入間第二用水土地改良区へに行って
聞いてみればいいんでしょうけど…。

まあ、そんな難しいことで悩んでいても仕方がないので、
何事も現場主義、分かる範囲でお気楽に探検してみることにしようと思います。

まず、地図を見てみると、
どうやら始まりは一級河川入間川からの取水により始まっている様子です。
このあたりでは、入間川が埼玉県入間市と狭山市の市境になっていて、
入間市鍵山と狭山市笹井にまたがる笹井堰(笹井ダム)の取水口が、
その源なのではないかと思われます。
【地図を表示】

ある地図では堰のやや上流対岸のあたりに、入間第二用水路第二号幹線水部」なる表示がありますが、
これは別途探検してみようと思います。

そんなわけで用水の調査は笹井堰から始めることにしました。
この堰やその周辺は、子どもの頃から何度も魚釣りに来ていたところで、
自分にとっては珍しくもないのですが、それでもン十年ぶりということで、
何だか新鮮な気分です。

画面左が上流、右が下流です。
右岸から左岸を眺めているということになります。

渇水期のためにそれほどの水量はありませんでした。
写真右側に少しだけ写っているコンクリートの池のようなところに、
初夏の頃、小鮒があふれるように泳いでいる年があって、
赤虫をつけた針を垂らした瞬間に「入れ食い」で次から次と釣れたことがありました。
今でもそういうことがあるのでしょうか。

さて、スタートとなる取水口がこれです。

堰の右岸に設置されています。
田植えの時期ではありませんが、取水はしているようでした。

取水口の裏側から下流側を眺めた様子です。

どこにも水路が見当たりません。実は管渠になっています。
土管がつながって、節になっている様子が分かります。
この管は150mくらいつながっていると思われます。
開口部を探検すべきではありましたが、ものすごい繁みが待ち構えているために断念しました。
下流側からも挑戦してみたのですが、同様に断念です。あー残念。

堰から250mくらい下流の部分で、
下流から上流を見た写真です。

このあたりでは、まだ入間川と平行して流れています。
入間市の黒須市民運動場があり、その最上流部付近です。
【地図を表示】
写真に見える繁みの中をを50mくらいはさかのぼれるのですが、
それ以上は無理です。

豊水橋の近くから、だんだんと入間川や運動場と離れていきます。
写真上側が下流で、すぐに国道299号にぶつかります。

いよいよ住宅街へ進みます。

国道299号の下から出てきたところを、下流から撮影したところです。
写真右側に豊水橋があることになります。

ところで入間川は、この少し下流で北上してきた一級河川霞川と合流します。
【地図を表示】
ということは、入間川の南側をほぼ東向きに流れている用水はどうなるの?
霞川に合流して終わってしまうのか…。

霞川にぶつかる入口です。
写真の右から左に霞川が流れています。

用水が霞川にぶつかる堤防の上から霞川を撮ったものです。
右が上流、左が下流です。

あっけなく合流、この探検も終了。
と思ったら、向こう側に見えるのは…。

じゃーん、ちゃんと反対側に出てきました。

霞川の下を用水が流れています。
川も仲間同士で立体交差するんですね。
ほっとして探検を再開です。

この近くには立派なお寺「蓮華院」がありました。

霞川をくぐって出てくると、すぐに狭山市に入ります。
住宅街をどんどん流れていくと、入間川小学校や浄水場があります。
そのやや下流付近の写真です。
水量が多いときには、この水門を開けて入間川に放流するのかもしれません。
探検時は閉まっていました。

【地図を表示】

このあたりに、以前は市民プールがありました。
小学生のころは夏になると自転車を飛ばしてよく遊びにきたものです。
裏側はすぐに入間川になっていて、釣りもできました。
プールの帰りには、この用水の脇にあった駄菓子屋さんでアイスクリームやジュースを
買いました。その時に眺めていた水路が、実はこの用水だったとは…。
そのプール、平成元年頃の国土交通省の航空写真には写っているのですが、
今ではおそらく小学校の敷地になってしまっているようです。
駄菓子屋さんは健在でしょうか。探してみればよかった。

さらに住宅街を抜けて、国道16号をくぐります。

【地図を表示】
ここから30mくらいは暗渠となります。

国道16号の南側に出て、サティーの横を流れます。


狭山市民会館の横を抜けたあたりの写真です。

ちょっと見づらいですが、写真左上には国道16号沿いのカルフールが見えています。
このあたりは用水の両側に田畑が続き、しばらくは一直線に流れます。

再び国道16号をくぐります。

【地図を表示】

国道を渡ると、瑞光寺というお寺がありました。


この後、すぐに狭山環状道路の下をくぐることになります。
そしてくぐって出てくるところにこんな標識がありました。

「赤間川通り」と書いてあります。

通りにそって用水は流れて行きます。
すぐに変則的な交差点にぶつかります。

用水はこのまま右に曲がっていくのですが、
写真で見えている「止まれ」の左側から似たような水路が流れてきます。
合流かな?

上の写真の交差点右の前方から振り返って撮った写真です。
用水は写真の左側から手前に流れてきます。

【地図を表示】
もう一つの水路は正面に見えている家の脇を道路に沿って手前に流れてきます。
そして歩道の植え込み付近で、合流しそうな気配をみせます。
ところが、おそらく2〜3mくらいまで近づいたあと、道路の下で90度向きを変え、
写真右側に流れ去っていきます。
水路の上流部から「ねこじゃらし」の草を投げ入れてみたら、
下流部分に流れ出てきたので、間違いなく一本につながった別の水路です。

合流しそうに見える部分を下流側から撮った写真です。
小さな取水口?放流口?がついていますが、水路とは合流していませんでした。

このあと、狭山清陵高校の裏手を通り、八雲神社の前を流れていきます。
 
【地図を表示】

この前後の用水周辺地は、右岸側が林、左岸側が開けた田畑という具合で、
林に沿って流れるという感じです。
ハケ?とかいわれる地形なのでしょうか。

右岸にコンクリートの擁壁が見えてきました。


福昌寺というお寺のものです。

【地図を表示】

本堂の裏側がお墓になっています。
そこから眺めると、足元を用水が流れています。
 

用水には鯉も住んでいました。


郷土探検記「入間第二用水(その1)」はここまでです。
この下流については、あらためて探検し報告しようと思います。

探検候補地はいくつかあったのですが、
記念すべき第一号の探検を、なぜ入間第二用水にしたのか。
最後に少し説明しておきます。

取水口のあった入間川は、トトのオヤジ殿がよく魚釣りに行っていた川であり、
トトは子どものころからそれによくついていきました。
全くの偶然ではあるのでしょうが、その頃によく行ったあちこちの場所の近くには、
いつもこの用水がありました。

そして今回の探検の終点となった福昌寺は、そのオヤジ殿が15年前から眠っているお墓です。
トトは最近、オヤジ殿がこのお墓を選んだ理由は、
この用水が足元を流れるこの場所が気に入ったからだったのかもしれない、
と思っています。
オヤジ殿が、そんなことまで考えていたのかどうか、今となっては分かりませんが…。

今までお墓参りにくるたびに、この水はどこから流れてくるんだろう?
と不思議に思っていたところでもあったので、これですっきりしました。

今度は、ここから下流の用水を探検してみようと思います。

付録

今回の探検で、寄り道したちょっと面白いものを紹介します。

ボロボロの線路と橋です。下には今回の用水が流れています。
探検報告で紹介した福昌寺から少し下流の場所です。

上の橋とは別の橋の写真です。
 
お寺から眺めた写真にも小さく写っている鉄橋です。
なかなかの風景と情緒をかもし出しています。
【地図を表示】

鉄橋からさらに北の方に行ったところです。

西武鉄道の所有であることが分かります。

こちらもあらためて探検してみるのもいいかもしれないと思っています。