捨てるほどの愛でいいから

愛することができる相手に出逢えた時、人は、自分が持っている愛を
その人にあげていくもの。別に見返りを期待するわけじゃない。
ただ、そうしたくなるから、するだけ。それがうれしいと感じるから。

誰かを愛している人の顔を見てごらん。やさしさがにじみ出ているよね。
最高の笑顔が見たかったら、誰かを愛している人を探すといい。

人が持っている愛の総量って、どれくらいなんだろうか。
わたしは、きっと、自分の命と同じぐらいだろうなと思っている。

いつも適当な相手ばかり選んで、暮らしている人は、新しい相手を
次々と捜し歩くうちに、だんだんと愛の量が減っていき、いつか、愛が
枯渇する。
そして、本当に愛すべき人に与えるはずの愛が、残らなくなってしまう
かも知れないね。

本当に愛せる人を見つけたなら、愛を出し惜しみしてはいけない。



【『寒水魚』ほかに収録】

(初稿 2000.06.05)



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