団員のひとりごと 第6回

最近は、スーパーでもいろいろなハーブが手に入るようになった。バジル、ルッコラ、イタリアンパセリなど、ずらりと並んでいる。食べることが大好きな私にとってはありがたいことだ。

ハーブと聞くと上品なイメージがあるかも知れない。しかし自分自身はグルメでもなければ何でもない。ただ、「おいしければいい」というごく単純な理由で、ある日ルッコラの苗をスーパーで買った。直ぐに食べてしまおうかとも思ったが、とりあえず水だけやって小さなその植物を屋内に置いておいた。すると、しばらくして15cmほどに成長した。これをちぎってサラダに入れてみたら、本当に美味い!土に植え替えることもせず、ただ部屋の中に放置していたルッコラの葉は、スーパーで売っている商品に比べたらひどく貧弱であったのだが、その香りは信じられないほど素晴らしかった。いま摘んだものを、その場で食べる。これが一番なのであろう。

まもなく、バジルの苗も買ってきて試したら、やっぱり美味い!そこで、今度は苗を土に埋めて育ててみることにした。スイートバジル、レモンバジル、ブラックバジルをそれぞれ数本ずつ買ってきた。ふだん気の合わない妻とも、この時ばかりは意見が一致した。しかし、2人ともハーブ作りの知識など全くない。結局、土に埋めたものの、それ以降ほとんど世話することもなく経過してしまった。

しばらくして見てみると、だいぶ育っていた。特にレモンバジルとブラックバジルはふさふさと茂っていた。一方スイートバジルは虫に喰われたような穴があいていた。後で知ったのだが、バジルは虫に喰われやすいので、葉の裏を見て虫が付いているようならこれを除去し、その部分を摘まなくてはならないらしい。それでも、こうして育てた(単に放置しただけか?)バジルの香りは素晴らしかった。しばらくの間、各種のバジルを楽しむことができた。

その後、忙しくてバジルのことは忘れていたある日、「どうなったかな?」と思ってみると、どうも以前と様子が違う。ブラックバジルの葉からレモンの香りがする。専門的なことはわからないが、「交配したんだろうか」と勝手に想像した。「全く面白いものだ」、などと言いながら、その不思議なバジルを食べた。

現在の職場に移ってからは、仕事の関係で家に帰らないことが多い。庭にはバジルに代わって雑草が生い茂っている。でも、またいつかハーブを植えてみようかなと思っている。

ハーブ

担当: ビオラ 小川
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